異世界で友達100人クリエイション!! ~自分好みの魔導人形を作って百合百合していたら次元犯罪組織に勧誘されちゃった!?~

楠富 つかさ

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友達1人 宿を探そう!

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 右下のナビマップに従いながらリンブルベルムの市街地を歩く。本当にいわゆるファンタジーRPGの街みたいなレンガや石造りの建物が並んでいる。中世というより近世の町並みだ。外国旅行なんてしたことないから、けっこうわくわくする。
 こういうところはスリとか多そうだから、サファイアに周囲を警戒してもらう。お金は一応、ストレージで保管している。日本みたいに1000マイラは紙幣で100マイラはコインだった。

「流石にお腹空いたね。宿代に食事代が含まれているといいんだけど」
「そうね。私も食事が必要だからエリカには申し訳ないわ」

 私の能力で作り上げた友達にも食事や水分補給が必要らしい。まぁ、大人数で食卓を囲むことにもある程度の憧れがあるから、そういった感情がそうさせたのかもしれない。

「あ、あそこから八番街みたい。リンブルベルム……けっこう広いね」

 九番街から八番街のように、街を区切る大きめな門のところには見張りの兵士みたいな人がいるが、よっぽど危険そうな人だけを取り締まるのか私たちは完全にスルーだった。まぁ、腰とか背中に剣を佩いている人ばかりだから武器を所持しているくらいで声を掛けられるなんてことはないか。
 九番街は活気づいた露天商のエリアっていう感じだが、八番街は少し雰囲気が変わった。武器や防具、旅に役立つアイテムを売る店舗が軒を連ねている。食糧品のお店もあるようだ。何か、肉を焼くような香ばしい匂いが漂ってくる。余計にお腹が空くからと、足早に七番街を目指した。

「あ、あのねサファイア、ちょっとナビマップを詳しくみたいから手を引いてもらえない?」
「えぇ、それくらいお安いご用よ」

 サファイアと手を繋ぐ。こうして誰かに手を握ってもらうなんていつぶりだろう。すべすべだけど、剣を握る人らしいごつごつさもあるサファイアの手は、少しだけ大きくてちょっと安心する。
 サファイアに手を引いてもらっているおかげで人とぶつかる心配もなくナビマップを見ることが出来る。どうやらこの街は真ん中に王城があり螺旋構造で一番街から九番街まであるらしい。王城の尖塔に宝珠があって、魔物よけの結界が展開されているらしい。だから街の中は安全、と。なるほど……。

「七番街ね。ここにはギルドや安宿……あと、えっちなお店があるみたい」

 ちなみに昔は七番街までだったらしく、そこに冒険者向けのお店が増え続けたこともあって八番街、九番街が増築され、そこにも大きな門を作ったらしい。一番大きな正門は六番街にあるらしい。

「エリカはえっちなお店に興味があるの?」
「な、なな! ないよ!! ……けど、その。そういうお店で働くお姉さんに弄ばれたい欲はある……」
「じゃあお店に興味があるってことじゃない?」

 でも、そういうお店って専ら男性向けだからあまり近付きたくはないかな。

「もう、さっさと行くよ」
「え、ギルドは見て行かなくていいの?」
「明日にする!!」

 ギルドについては明日、ちゃんと見ることにした。今の時刻は既に17時、ほんのり暗くなってきた。ギルドは酒場でもあるらしいから、夜は危ない気がする。まぁ、昼間からお酒を飲む人の方が危険ではないかと言われればその通りなのだけれど。
 電気とかガスとか水道とか、そういったライフラインが整備されているわけじゃないだろうから、その辺のことは魔法で解決しているのだろう。出来れば下水道が整備されていたら嬉しいのだけれど。

「宿、この辺じゃないかな?」

 六番街に入ると喧噪は落ち着き、ほのかに美味しそうな香りが漂う街になった。どうやら宿やアパレルショップ、それから食堂なんかが集まっている街らしい。正門の辺りが食堂街のようだ。宿はおそらく中央よりにあるはず……。表示されているマップを念じて狭い範囲にする。宿を示すINNのマークが並んでいるが、流石にどこがマーサの宿かまでは分からない。

「あ、あの……」
「はい、なんですか?」

 異世界に来てから見知らぬ人に声をかける度胸がついた気がする。私は通りすがりの女性にマーサの宿がどこか聞くことにした。

「マーサの宿っていう宿屋さんを探しているのですが」

 その女性は茶髪を三つ編みにして、白いブラウスにピンクの吊りスカートを穿いた、なんだか絵本に出来てそうな人だった。女性というか……少女? 十代後半で私と背格好も近い。

「マーサの宿ならすぐそこよ。私がメリッサ、そこの主だよ」
「えあ!? そう、なんだ。露天商のジョージさんから紹介されたの」

 私がジョージさんの名前を出すと、メリッサさんの表情が曇った。え? どういうことなの……?

「そっか……。パパの紹介なんだ」
「パ、パパ!? え、どうして……だって、じゃあ宿の経営だってジョージさんが……」

 思わず声が大きくなってしまった私に、苦笑いを浮かべながら……私の問いに答えることなくメリッサさんは宿へと案内してくれた。

「お腹空いてる?」

 建物自体は少し古そうだが掃除は行き届いていそうだ。玄関から入ってすぐ右手に食堂があるようで、そこに案内される。

「え、うん」
「お腹が空いて目が回りそうよ」

 私もサファイアも水分補給すらしていない。食堂からオープンで見えるキッチンから戻ってきたメリッサさんが、素焼きのカップに紅茶っぽい飲み物を淹れてくれた。ほんのり甘みがあって、ほっとする味だった。

「そっか。じゃあ食事の用意を……っと、その前に。お金ある? 一泊目は一人600マイル頂くよ。泊まれば泊まるほど安くはするけど、一泊目だけは先払いでお願いします」

 確かに逃げられる心配を考えれば、先払いとかだんだん安くなるシステムはリスクヘッジになる。私は大きなカバンに手を突っ込みつつメニューウィンドウを念じて操作し、右手に全財産を取り出す。

「はい、これで」
「うん。1200マイラぴったりだね。じゃあ食事の用意は急ぐからもうちょっと待ってて。なんだかお客さん達とは長い付き合いになりそうだから、全部話しておきたいんだ」

 それは狙ったかのようにジョージさんと同じくちぶりだった。
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