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友達1人 ギルドに行ってみよう
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翌朝、まずは朝食をいただくことに。山型食パンみたいなパンと、薄ピンク色のゆで玉子みたいなもの、半透明な野菜が入ったスープ、赤紫蘇みたいな色の葉っぱがふんだんに入ったサラダなど、多少ビビッドなカラーをしているがシンプルな朝食だった。
「食材ってどうしているの?」
「五番街のマーケットで買ってきたよ。お日様が出ると同時に開店するから」
この世界本来の暦とか時間がどうなっているかはさておき、私の視界にある時計は午前七時半を指している。わりと早起きをしたと思っていたが、そうでもなかったようだ。
「そういえば起きたらサファイアいなかったけど、何してたの?」
「あぁ、裏庭で剣の稽古を。思ったより早く目を覚ましてしまったので」
なるほど。ステータス的にどう変化するのだろう。なんとなくステータスを表示しつつ、その下の方を見ると、ちゃんとスキル一覧というものが用意されていた。私のクリエイションとサファイアの剣技、それぞれ習熟度が5と表示されている。これを向上させていけば、何かしらのボーナスがあるのかもしれない。
「そうそう、朝ご飯食べ終わったらギルドに行こうと思うんだけど。リンデンブルムのギルドにはなんかルールみたいなのってある?」
余所のギルドを知らないけれど、入ったら急に何か変なイベントみたいなのが発生したら手間だし、事前に得られる情報があれば得たい。
「うーん、取り敢えず冒険者登録をするところからなんじゃない? それはタダでやってくれるんだけど、なんかすごーい魔導書に魔力を読み込ませることで、その人の達成した依頼とか、あと問題行動を起こしていないとか、そういうことを記録してくれるんだって」
なるほど。なんかパソコンみたいだな。まぁ、異世界でよくあるようなそんな仕組みだ。
朝食を済ませた私は、洗面所で顔を洗い口もすすぐ。歯ブラシはないらしい。虫歯って結構侮れないから、不安もあるが……歯ブラシを作ることが出来ればそれを売って商売になるじゃないだろうか、なんてことも考え始めた。
取り敢えず昨日着ていた服に着替える。ちゃんと乾いていたようで何よりだ。そこにもやはりマジカルな仕組みがあるのだろうか。知らないことだらけで少しわくわくする。宿を出て七番街へ向かい、ギルドの寄合所に向かう。
「おぉ、賑わってる~」
木製のゲートを押して、建物の中に入る。ウェスタンなバーのような作りになっており、まずは受付っぽいところにいる女性に声をかける。
「冒険者登録をしたいのですが」
「でしたらこちらの水晶板に掌をぎゅっと押し当ててください。……はい、いいですよ。エリカさんですね。そちらの剣士さんは……はい、サファイアさん。お二人、登録いたしました。登録したばかりのお二人は星なし冒険者ですので、依頼書に星がついていないものだけを受注できます。あちらの掲示板に依頼が貼られていますから、どうぞご確認ください」
星なし冒険者、種なし葡萄みたい……でもないか。星の数や大小で冒険者のランクをつけているようだ。
「星なしの依頼は……なんか地味だね」
飼い猫探しとか薬草採取、あとはちょっとした魔物の討伐、かあ。
「見てこれ。洋服のモデル募集だって」
他にも飲食店のホールスタッフ募集とか、完全にアルバイトの張り紙が並んでいるが……洋服のモデルは現金2000マイラに、試作品の服までくれるようだ。
「これにしない?」
「そう、ね。面白そうだわ」
別に魔物を討伐しまくってヒーローになろうだなんて思ってないし、友達とアルバイトなんて経験ないから楽しみ。お店の場所も六番街だし、宿から近そうだ。依頼の用紙を掲示板から外し、カウンターで判子を押してもらう。これで受注した扱いになるようだ。
地図を頼りにその服を作っているという工房を訪ねた。赤みがかった茶色い屋根のいたって普通の建物だ。
「こんにちはー。ギルドの方から来ました」
「はーい。あら……あらあら」
依頼主はスレンダーで上品そうな女性だった。が、我々は思いも寄らぬ一言を浴びせられる。
「ごめんねぇ。お嬢ちゃんたちみたいな華奢な子の服を作っているわけじゃないのよ。出直してくれる?」
「え、え? だって、ギルドへの依頼には女性用衣服の試作品モデルを募集って……」
思わずサファイアと顔を見合わせる。
「ギルドの方で端折っちゃったのね。実は私、大きいサイズの下着を専門に作ってて。ほら、私も薄いでしょう? だから仕上がりを見るのに胸の大きな女の子に来て欲しいのよ。これも縁だから、見て行くだけ見て行ってよ。お詫びに一着くらい作らせてよ。ね?」
ひとまず奥の工房へ案内される。そこで作られていたのは色とりどりの布で作られた、水着のようなブラジャーたち。なるほど。確かに大きいサイズだ。私たちじゃモデルはつとまらない。……そんなことってある?
「自己紹介が遅れたわね。私はアリーシャ。元々は普通の洋服屋だったんだけど、友達に頼まれて大きなサイズの下着を作ったら、それが評判になってさ。最近じゃそればっかり作ってるよ」
アリーシャさんに私とサファイアも自己紹介する。すると、お詫びの一着をということで採寸に移った。
「なるほど。エリカは77で……サファイアは84か。うちは90から作っててさ」
「り、リンデンブルムの女性ってそんなに豊かな人が多いんですか?」
メリッサさんもそこそこ大きいだろうけど、流石に90はないはず。サファイアと同じくらいだろう。私はおそるおそる尋ねた。
「まぁ、人それぞれよね。ヒューマンもそうだし、ドワーフの女性は大きい人が多い気がするわ」
他種族もいるんだ!! それは耳よりな情報だ。……というか。
「あ、あの。実は胸の大きい女の子にアテがいて。呼んでくるので待っててもらえませんか?」
呼んでくるというか、作り出すんだけどね。サファイアは何となく察したような表情をしている。私は一旦、アリーシャさんの工房を後にするのだった。
「食材ってどうしているの?」
「五番街のマーケットで買ってきたよ。お日様が出ると同時に開店するから」
この世界本来の暦とか時間がどうなっているかはさておき、私の視界にある時計は午前七時半を指している。わりと早起きをしたと思っていたが、そうでもなかったようだ。
「そういえば起きたらサファイアいなかったけど、何してたの?」
「あぁ、裏庭で剣の稽古を。思ったより早く目を覚ましてしまったので」
なるほど。ステータス的にどう変化するのだろう。なんとなくステータスを表示しつつ、その下の方を見ると、ちゃんとスキル一覧というものが用意されていた。私のクリエイションとサファイアの剣技、それぞれ習熟度が5と表示されている。これを向上させていけば、何かしらのボーナスがあるのかもしれない。
「そうそう、朝ご飯食べ終わったらギルドに行こうと思うんだけど。リンデンブルムのギルドにはなんかルールみたいなのってある?」
余所のギルドを知らないけれど、入ったら急に何か変なイベントみたいなのが発生したら手間だし、事前に得られる情報があれば得たい。
「うーん、取り敢えず冒険者登録をするところからなんじゃない? それはタダでやってくれるんだけど、なんかすごーい魔導書に魔力を読み込ませることで、その人の達成した依頼とか、あと問題行動を起こしていないとか、そういうことを記録してくれるんだって」
なるほど。なんかパソコンみたいだな。まぁ、異世界でよくあるようなそんな仕組みだ。
朝食を済ませた私は、洗面所で顔を洗い口もすすぐ。歯ブラシはないらしい。虫歯って結構侮れないから、不安もあるが……歯ブラシを作ることが出来ればそれを売って商売になるじゃないだろうか、なんてことも考え始めた。
取り敢えず昨日着ていた服に着替える。ちゃんと乾いていたようで何よりだ。そこにもやはりマジカルな仕組みがあるのだろうか。知らないことだらけで少しわくわくする。宿を出て七番街へ向かい、ギルドの寄合所に向かう。
「おぉ、賑わってる~」
木製のゲートを押して、建物の中に入る。ウェスタンなバーのような作りになっており、まずは受付っぽいところにいる女性に声をかける。
「冒険者登録をしたいのですが」
「でしたらこちらの水晶板に掌をぎゅっと押し当ててください。……はい、いいですよ。エリカさんですね。そちらの剣士さんは……はい、サファイアさん。お二人、登録いたしました。登録したばかりのお二人は星なし冒険者ですので、依頼書に星がついていないものだけを受注できます。あちらの掲示板に依頼が貼られていますから、どうぞご確認ください」
星なし冒険者、種なし葡萄みたい……でもないか。星の数や大小で冒険者のランクをつけているようだ。
「星なしの依頼は……なんか地味だね」
飼い猫探しとか薬草採取、あとはちょっとした魔物の討伐、かあ。
「見てこれ。洋服のモデル募集だって」
他にも飲食店のホールスタッフ募集とか、完全にアルバイトの張り紙が並んでいるが……洋服のモデルは現金2000マイラに、試作品の服までくれるようだ。
「これにしない?」
「そう、ね。面白そうだわ」
別に魔物を討伐しまくってヒーローになろうだなんて思ってないし、友達とアルバイトなんて経験ないから楽しみ。お店の場所も六番街だし、宿から近そうだ。依頼の用紙を掲示板から外し、カウンターで判子を押してもらう。これで受注した扱いになるようだ。
地図を頼りにその服を作っているという工房を訪ねた。赤みがかった茶色い屋根のいたって普通の建物だ。
「こんにちはー。ギルドの方から来ました」
「はーい。あら……あらあら」
依頼主はスレンダーで上品そうな女性だった。が、我々は思いも寄らぬ一言を浴びせられる。
「ごめんねぇ。お嬢ちゃんたちみたいな華奢な子の服を作っているわけじゃないのよ。出直してくれる?」
「え、え? だって、ギルドへの依頼には女性用衣服の試作品モデルを募集って……」
思わずサファイアと顔を見合わせる。
「ギルドの方で端折っちゃったのね。実は私、大きいサイズの下着を専門に作ってて。ほら、私も薄いでしょう? だから仕上がりを見るのに胸の大きな女の子に来て欲しいのよ。これも縁だから、見て行くだけ見て行ってよ。お詫びに一着くらい作らせてよ。ね?」
ひとまず奥の工房へ案内される。そこで作られていたのは色とりどりの布で作られた、水着のようなブラジャーたち。なるほど。確かに大きいサイズだ。私たちじゃモデルはつとまらない。……そんなことってある?
「自己紹介が遅れたわね。私はアリーシャ。元々は普通の洋服屋だったんだけど、友達に頼まれて大きなサイズの下着を作ったら、それが評判になってさ。最近じゃそればっかり作ってるよ」
アリーシャさんに私とサファイアも自己紹介する。すると、お詫びの一着をということで採寸に移った。
「なるほど。エリカは77で……サファイアは84か。うちは90から作っててさ」
「り、リンデンブルムの女性ってそんなに豊かな人が多いんですか?」
メリッサさんもそこそこ大きいだろうけど、流石に90はないはず。サファイアと同じくらいだろう。私はおそるおそる尋ねた。
「まぁ、人それぞれよね。ヒューマンもそうだし、ドワーフの女性は大きい人が多い気がするわ」
他種族もいるんだ!! それは耳よりな情報だ。……というか。
「あ、あの。実は胸の大きい女の子にアテがいて。呼んでくるので待っててもらえませんか?」
呼んでくるというか、作り出すんだけどね。サファイアは何となく察したような表情をしている。私は一旦、アリーシャさんの工房を後にするのだった。
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