上 下
20 / 23

友達3人 スギラと依頼を受けよう!

しおりを挟む
「それで、どこに行きましょうか?」
「そうだなぁ……」

 まずは定番中の定番であるギルドへ行ってみることにした。この街にどんなクエストがあるのか興味があったのだ。

「ねぇ、これなんてどうかしら?」

 スギラが一枚の依頼書を手に取る。それは『ゴブリン退治』というものだ。

「うーん、まだ早いんじゃないかな? もう少し慎重にいこう」
「それもそうですね。じゃあこれは?」

 次に手に取ったのは、街の清掃だ。本当に、なんでも以来として出ているんだなぁ。
 仕事内容としては悪くないが、今日はデートのついでにできる依頼が欲しいのだ。流石にこれを受けたら一日つぶれてしまう。

「ごめん、ちょっと違うかも。次いこっか」
「はい、わかりました」

 その後も何件か依頼書を吟味したが、どれもこれもピンとくるものはなかった。

「難しいね……」
「すみません、私のわがままに付き合ってもらってるのに……」

 しょぼんとするスギラを見ているとこちらとしても心苦しい。何かないかと探すものの中々見つからない。元はと言えば私が街を散策するついでに依頼を受けようと提案したんだ。ここはおとなしく依頼を受けるのはあきらめて、街を見て回るのに専念した方がいいのかも……。
 スギラにそう伝えようとした矢先、スギラが一枚の依頼書を指さした。

「あの……これなんかどうでしょう?」

 その指さした先には、『薬草配達をお願いします』との文字が。

「いいね、これにしようか」
「はいっ!」

 そうと決まれば善は急げだ。早速受付嬢さんの元にその依頼書を持っていく。

「すみませーん」
「はーい」

 奥の方から声が聞こえ、しばらくすると一人の女性が姿を現した。

「こんにちは、今日はどのような御用ですか?」
「この依頼を受けたいんですけど」
「あら、ありがとうございます!  こちらはギルドが採取を依頼して預かっている薬草です。これをリストに書かれているお宅に届けてください」
「なるほど、そういう感じなんですね」

 依頼内容は至ってシンプルだった。指定された場所に行って荷物を受け取り、そこに書いてある住所の家まで運ぶだけ。街の散策のついでにうってつけだ。

「ちなみに期限はいつまででしょうか?」
「今日中であれば結構です。ただ、薬草の持ち逃げは絶対に許しませんから」
「大丈夫ですよ。きちんと責任をもって届けます」
「よろしくお願いいたしますね。場所は地図に記載してあります。では、行ってらっしゃいませ」
「了解しました」
「はい!」

 依頼書を受け取った私とスギラは、意気揚々と冒険者ギルドを後にした。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

転生前から生粋の悪役令嬢は、百合ヒロインから逃亡したい!

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:28

俺は善人にはなれない

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:92pt お気に入り:566

謎の光によって犬になったんですが

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:7

闇落ちフラグ乱立注意報、僕はただの弟です!

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:143

裏ルート攻略後、悪役聖女は絶望したようです。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:29

超越者となったおっさんはマイペースに異世界を散策する

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:298pt お気に入り:15,832

私、異世界で監禁されました!?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:355pt お気に入り:8,061

処理中です...