放浪の聖女は百合ハーレムを夢みてる

楠富 つかさ

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第10話

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 その場に立ち尽くし、しばしの沈黙が続く。肉塊となったワイルドフェザントを前にして、三人の間には妙な空気が漂っていた。ふと、ゴーシュがぽつりと口を開く。

「……ねぇ、今日はもう諦めたほうがいいかもね」

 彼女の冷静な言葉に、ルーナとドロワも小さくうなずく。

「……そうね。ワイルドフェザントが逃げないように、光の矢を増やそうとしたんだけど、威力まで増えちゃうとは思わなかったの」

 ルーナがうつむきながら、申し訳なさそうに笑みを浮かべる。そんな彼女に、ドロワが軽く肩を叩いて慰めるように言った。

「ま、こういうこともあるわよ!次は私たちがサポートするからさ」

 ドロワの言葉に、ルーナは少しだけ元気を取り戻し、「ありがとう」と小声で返した。そして三人は森を抜け、また来た道を引き返し始める。

 帰り道の途中、ルーナがふと気づいたように言った。

「……そういえば、今日の収穫、ゴブリンの角だけですね」

 その一言に、再び全員が脱力したようにため息をつく。

「お金も稼がないと、宿に泊まるのはまだまだ先かぁ……」

 ゴブリンの角をギルドに提出した三人だが、もらった報酬を見てがっかりしていた。
 ルーナがため息をつきながら報酬袋を握りしめる。

「これじゃ、宿代には全然足りないね……」

 ゴーシュが机に肘をつきながら肩をすくめる。

「だから言ったでしょ? 今日の結果じゃ、お金はほとんど残らないって」
「分かってるけど、やっぱり寝床がないのはつらいわ……」

 ルーナがしょんぼりと呟くと、ドロワが元気づけるように笑顔を見せた。

「ま、ここにはギルドの休憩室があるじゃない? 雑魚寝だけど屋根はあるし、雨風はしのげる。たったの300アインだしね!」
「それが唯一の救い……」

 ルーナはそう言いながらも、顔には微かな安堵が浮かんでいた。三人はギルドの隅にある簡素な休憩室へ向かう。薄暗い部屋には、冒険者たちが使い古した布団がいくつか無造作に積まれていた。ゴーシュが一つの布団を広げると、ルーナとドロワもそれに続く。

「今日も雑魚寝かぁ……」
「文句言っても仕方ないわよ、明日頑張ればなんとかなるって!」

 ドロワがルーナの肩を叩き、前向きな笑顔を見せる。三人はその場に寝転がり、古びた布団の中で明日の計画を立て始めた。

「明日は、もっと慎重に行こうね。さっきの光の矢、出力を抑えれば……」

 ルーナが反省を口にすると、ゴーシュが真剣な顔で指摘する。

「そうね。でも、それ以前に私たち、魔物の動きをもっと観察しないとダメだと思うわ。次も同じ失敗したら、みんなに笑われちゃう」
「大丈夫よ! 次は絶対うまくいくから!」

 ドロワが両手を胸の前で握りしめて励ますと、ルーナとゴーシュも少し笑顔を取り戻した。
 雑魚寝の体勢であれこれ話しているうちに、いつの間にか三人は深い眠りに落ちていた。

 翌朝、ギルドのざわめきの中で目を覚ました三人は、体のあちこちが痛むのを感じながらも新しい一日へ向けて動き出した。
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