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障壁を砕け
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大型の魔物が引き起こしたのか、一帯の魔力に揺らぎが生じている。それは、多くの魔術適合者の術の発現という形で表れている。園村佳乃も、その内の一人だ。彼女は風と光の魔術が扱える。そして今、
「輝ける力よ顕現せよ、ブライトエナジー!」
光の魔術が有効な相手に、その真価を発揮している。
「光の刃が汝を切り裂く、シャイニーエッジ!」
光属性は女子の間では珍しくない。男子達の戦線に護られる形で、杖を敵に向ける少女達は魔術を放つ。前衛で戦う面々にも、負傷者が出てきている。そこに救いを差し伸べたのが、回復魔術だ。対象の傷を癒す神秘の魔術…綾音が最初に使えるようになったのだが、長引く戦闘に彼女の魔力は厳しい状況にある。
「あんまり無茶しちゃダメだよ」
そこで綾音に代わって野沢柚花菜という生徒が、回復係りを担うことになった。綾音とも仲のいい彼女は光属性の剣士として前衛側にいたが、魔術の覚醒によって後衛まで移動してきた。
「分かった。ありがとう」
一方の前線では、男子が正面から攻撃し女子は敵の背後を攻めていた。
「砕殻衝!」
身の丈程の棍を振り回す少年、九条響亮は、瀕死の様相を見せない敵に苛立っていた。彼を含めた大半の生徒が、狼型の弱い魔物としか戦っていない。中には、初陣である生徒もいる。砦人を主軸に指揮系統がしっかりしている分、なんとか戦線を維持できてはいるが……。
「くらえ、月花斬!」
「続くぜ、連牙斬!」
一歩下がった響亮と入れ替わりで、月翔と戒政が斬りかかる。しかし、魔物の振り回す尾に阻まれる。
回転を伴うこの尾の薙ぎ払いはまさに攻防一体、苦戦させられている要因でもあるのだ。
「そこを退け、竜爪斬!」
薙ぎ払われた尾を回避して間合いを切った二人の上から、龍牙が大太刀を振り下ろす。その刃は、今まで多くの剣戟を捌いてきた獅子の尾を断ち切った。
「やったな、龍牙!」
敵の前足を斬りながら、祐也がスライディングしてきた。
「そろそろ決着だな」
逆手に槍を持った舞斗が跳び上がるのを見て、龍牙は呟いた。
「終わりだ! 剛衝崩影槍!」
舞斗の槍が魔物の額を貫く。そして、溢れ出る衝撃に頭部が粉砕される…。そして、静かに着地する舞斗。グラウンドに大歓声が響き、安心する者や涙を堪える者……。
「一先ず教室へ戻るぞ。ここに居るとまた魔物の大群が現れそうだ」
槍を収めた舞斗は振り返ることなく、教室へ足を向けた。死者が出なかったのは、彼にとっても嬉しい出来事なのだ。
「輝ける力よ顕現せよ、ブライトエナジー!」
光の魔術が有効な相手に、その真価を発揮している。
「光の刃が汝を切り裂く、シャイニーエッジ!」
光属性は女子の間では珍しくない。男子達の戦線に護られる形で、杖を敵に向ける少女達は魔術を放つ。前衛で戦う面々にも、負傷者が出てきている。そこに救いを差し伸べたのが、回復魔術だ。対象の傷を癒す神秘の魔術…綾音が最初に使えるようになったのだが、長引く戦闘に彼女の魔力は厳しい状況にある。
「あんまり無茶しちゃダメだよ」
そこで綾音に代わって野沢柚花菜という生徒が、回復係りを担うことになった。綾音とも仲のいい彼女は光属性の剣士として前衛側にいたが、魔術の覚醒によって後衛まで移動してきた。
「分かった。ありがとう」
一方の前線では、男子が正面から攻撃し女子は敵の背後を攻めていた。
「砕殻衝!」
身の丈程の棍を振り回す少年、九条響亮は、瀕死の様相を見せない敵に苛立っていた。彼を含めた大半の生徒が、狼型の弱い魔物としか戦っていない。中には、初陣である生徒もいる。砦人を主軸に指揮系統がしっかりしている分、なんとか戦線を維持できてはいるが……。
「くらえ、月花斬!」
「続くぜ、連牙斬!」
一歩下がった響亮と入れ替わりで、月翔と戒政が斬りかかる。しかし、魔物の振り回す尾に阻まれる。
回転を伴うこの尾の薙ぎ払いはまさに攻防一体、苦戦させられている要因でもあるのだ。
「そこを退け、竜爪斬!」
薙ぎ払われた尾を回避して間合いを切った二人の上から、龍牙が大太刀を振り下ろす。その刃は、今まで多くの剣戟を捌いてきた獅子の尾を断ち切った。
「やったな、龍牙!」
敵の前足を斬りながら、祐也がスライディングしてきた。
「そろそろ決着だな」
逆手に槍を持った舞斗が跳び上がるのを見て、龍牙は呟いた。
「終わりだ! 剛衝崩影槍!」
舞斗の槍が魔物の額を貫く。そして、溢れ出る衝撃に頭部が粉砕される…。そして、静かに着地する舞斗。グラウンドに大歓声が響き、安心する者や涙を堪える者……。
「一先ず教室へ戻るぞ。ここに居るとまた魔物の大群が現れそうだ」
槍を収めた舞斗は振り返ることなく、教室へ足を向けた。死者が出なかったのは、彼にとっても嬉しい出来事なのだ。
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