星の子ども

秋野 木星

文字の大きさ
17 / 118
第一章 NICU

生後15日目 9回の裏、一発大逆転?!

しおりを挟む
昨日の病状説明を受けて、ラクー一家は皆で話し合っていました。

ラクーの家は、お風呂だけが共有の二世帯住宅になっています。
二階にミニキッチンやトイレ・洗面所・洗濯機置き場などもあるので、かなり独立して生活ができます。
そして以前も話しましたが、亡くなった義母のララのためにバリアフリーの設計で建てているので、リノが寝たきりの状態で帰って来ても、ほんの少しの改装をするだけですみそうでした。

リノが呼吸器をつけて家に帰って来るのなら、ラクーたち老夫婦が二階に住んで、若夫婦が一階に降りてくる?
そして車椅子バギーで庭のウッドデッキに出られるように、ウッドデッキを玄関のアプローチと繋げて、広いテラスにしてもらう?

そんなことまで話をしていました。←気が早い(笑)


今日は遠方から、ムコーの両親が出産のお祝いとお見舞いに駆けつけてくれます。

ネムルーとムコーが病院のリノに会いに行った後、ラクーはお客様を迎えるために家中の大掃除をしていたんです。そしてお土産を用意しようと、ムコーのお母さんが好きなワッフルを買いに出かけた時に、ふと思い立ちました。
ムコーとネムルーは、今日リノに産まれて初めて服を着せて、命名の紙と一緒に記念写真を撮ってくると言って病院へ行きました。
ということは、お祝いの写真と両家の両親が揃うのです。

これは「お七夜」をするべきじゃね?

当の本人はここにいませんが、リノが退院するのを待っていたら、「お七夜」じゃなくて「ももか」か「お食いはじめ」になりそうな気がしました。

そこで掃除の後に急遽スーパーに行って、お膳にするのに必要な食材を買い求めることにしたのです。
気分が沈んでいるこんな時こそ、パアッと皆で美味しいものを食べて笑い合おう! うん。
美味しいものをお腹いっぱい食べたら、元気百倍ですよね。

最近のスーパーは何でも揃っているので、短時間で簡単にお膳をこしらえるのに必要な物が集まりました。
まずはお寿司、それに煮物をするためのレンコン・コンニャク・タケノコ、お吸い物用に豆腐と三つ葉、カマボコも買ったのにこれは入れるのを忘れました。(爆)
焼きものをするための鯛、出来合いの茶わん蒸し(いつも買うものよりもちょっとお高め)、アルコールゼロのビール、おひたし用のほうれん草と、緑の色どりにインゲン、酢の物のサラダにマカロニサラダ。そしてお膳に華やかさを添える生花とみかん。

大買い物をして一旦家に帰り、ラクーが煮物やお吸い物を作っている間に、ダンナーはホールのケーキやワッフルを買いに行ってくれました。
なんとじいじ、今日はいつになくいい仕事をしました。(〃▽〃)
チョコレートのプレートに「リノちゃん、誕生おめでとう!」と書いてもらってきていたのです。
でかした!

ラクーがほとんどお膳を用意し終えた時に、ムコーとネムルーが帰って来ました。
二人ともいやにニコニコしています。

「お母さん、いい報告があります!」

なになに何なの?

「リノの呼吸器が外れました!!!」

は? え?

やった、マジ?! ばんざぁーーーーーーい!! \(^o^)/

なんということでしょう。
本当にこんなことがあるんでしょうか?

「まだ続けて外しておけるかどうかはわかりませんが、大きな一歩です。」
「リノは空気が読める子かも……あっちのじいじとばあばに、いいとこ見せたかったみたい。」

昨日の落ち込みから一転して、家族みんなの笑顔が爆発しました。


ムコーのお父さんとお母さんに、出産から始まったリノの病状経過を詳しく説明した後で、ムコーが撮ってきたリノの動画を、皆で見せてもらいました。
ムコーとネムルーの弾ける笑顔とは対照的な『涙目のリノ』が、小さな身体全体を使って一生懸命に呼吸をしていました。
しんどいね、リノ。
でもここが踏ん張りどころだよ!

がんばれがんばれ!
皆が応援してくれてるよ!

病院ではNICUのスタッフの皆さんが、リノのベッドの周りに集まって喜んでくれていました。
そして主治医の先生は「リノちゃんの呼吸器が外れた!」と会う人ごとに興奮して伝えてくださっていたそうです。
先生も昨日の説明を親にするのは、気が重かったんでしょうね。

多くの人たちに支えられて、リノはここまで回復してくれました。

本当にありがたい。
その一言につきますね。ε-(´∀`*)
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。 カレンと晴人はその後、どうなる?

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

滝川家の人びと

卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。 生きるために走る者は、 傷を負いながらも、歩みを止めない。 戦国という時代の只中で、 彼らは何を失い、 走り続けたのか。 滝川一益と、その郎党。 これは、勝者の物語ではない。 生き延びた者たちの記録である。

処理中です...