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第一章 NICU
生後70日目 家族研修
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今日は、NICU一泊研修の日です。
ネムルーはまるまる一日中、病院です。ムコーは仕事から帰って、その後すぐ布団などを用意して、病院へ泊りに行く予定です。
昼前にネムルーが二階に上がって来ました。
「お母さん、今日は病院まで送ってくれる?」
「いいよ~、何時?」
「12時半に家を出る」
時計を見てみたら、12時半までには40分ほどしかないことがわかりました。
……………………
あたかもラクーは昼食のブロッコリーを湯がこうとしていたのです。
おいおい、そんな予定があるんだったら、せめて朝には教えといてよーーーーー!
ネムルーは三人娘の内で一番言葉数が少ない娘です。きっとだんまりのダンナーに似たんでしょう。
人にものを頼むのに、こんなに連絡不足ではいけません。親の顔が見たいと思いましたが、毎日鏡で見ているので文句をもっていくところがありませんね。(;´Д`)
昨日、病院で家族四人揃っての研修がありました。カニューレ交換と医療機器説明です。
三時間を超える研修だったので、ラクーは疲れていました。そのため今日は張り切って自堕落をつくそうと予定を立てていたのです。(笑)
急な予定変更でしたが、今日は車も少なかったので、スムーズに病院へ送って行って帰ることができました。
昨日の研修は盛りだくさんだったので、まだ頭の中が飽和状態です。
研修を終えて一番に考えたことは「物を交換する時間や日にちがわからなくなりそう」ということでした。
まずミルクの時間と量がまた変わったのです!
6:00 10:00 14:00 18:00 の4回が、100ml
22:00 の1回が、130ml
と、一日五回になりました。
ネムルーもさっき車の中で、自分に言い聞かせるように確認していました。
夜の22:00と朝の6:00には、ミルクを注入する前に持続ポンプのミルク量の設定を変えなければなりません。
夜と朝なんて、魔の時間帯ですよね。
絶対に間違えそうです。
酸素の機械は、ブログでは見たことがない最新式の物になっていました。小さなカート式の旅行鞄のようなものに入っているんです。
ラクーを除く理系脳の三人は興味津々で、医療機器メーカー(テイジン)さんの話を聞いていました。
血中酸素飽和濃度(SPO₂値)や心拍を教えてくれる機械も、持続時間が40時間もあるものがありました。それはテレビのリモコンのような形をしていました。小さくなっているものですね。
けれど、ネムルーたち夫婦が選んだのは、持続時間がバッテリー込みで6時間という、カセットデッキくらいの大きさの物でした。
そのタイプのものはアラームの音が大きかったので、病院の機械に似ていて安心感があったのかもしれません。
機械を使うのに慣れて、よく出かけるようになったら、また小さい方に変えてもらえばいいと言っていました。
なるほどね。
これのメンテナンスも半年に一回とか、チューブを変えるのが何日に一回とか、色々ありました。
……もう忘れています。(爆)
けれど衝撃を受けたものは覚えています。
「サチュレーションをとるために足に巻いているところは、低温やけどをするので8時間に一回巻き替えてください」とサラッと言われたのです。
低温やけど?!
一番治りにくいものじゃありませんか!
ラクーは長女のノンビリーにやけどをさせたことがあるので、この話にはビビリバビリブーでした。
絶対に忘れて、リノにやけどをさせそう……(^_^;)
せ、責任があるものは、ネムルーに任せた!
リノが夜につけて寝ることになっている加温加湿器付きの人工呼吸器のことは、メーカーの人ではなく、CE(理学療法士)さんが教えてくれました。
これも「ここの水が溜まるところのコップは、夜中に起きて一回捨ててください。ついでにホースの中の水滴も指ではじいて落としといてね~リノちゃんの気管に入ったら困るから」と軽く言われました。
夜中に起きる・・・最初のうちはちゃんとできるでしょう。でも、親の体調が悪くなった時、介護に疲れて来た時、起きられるのかな?と思ってしまいました。
どれもこれも空気を使う医療機器なので、吸引バルブの辺りは掃除が必要になってきます。
「ここのスポンジは一日一回、指でほこりをハタいてね。こっちの格子枠の方は中性洗剤で洗って、完璧に乾かしてください。そのために予備の枠をつけています」
・・・この回数も忘れそう。
ネムルーは、今まで聞いたややこしいチューブやカニューレ交換の時期などを一覧表にしてみたそうですが、新たに医療機器のメンテナンスも付け加えなければいけないようです。
そして呼吸器で忘れてはならないのが、呼吸器本体の電源と加温加湿器の電源が連動していないことです。これは皆が忘れるものらしく、病院でも看護師さんが手書きしたらしい「加湿器の電源!」と注意を喚起するための札が、よく見える所に貼ってありました。(^_^;)
先輩ママさんのブログでも「子どもの調子が悪くなってあちこち調べたら、お釜の水が空っぽだった」とか、「加湿器の電源を入れるのを忘れていて、痰が固くなっていた」とか書いてあったのをよく読んだような気がします。
連動スイッチ設定でもあればいいのにね。
医療機器の説明の他には、気切をした喉の穴に入っているカニューレの交換練習がありました。
今回はネムルーが交換するのをムコーが見ていて、後でもう一回ムコーが入れ直すというものでした。
抜いた古い方のカニューレには痰がたくさん絡んでいました。
気管にこんなにたくさん痰が入り込んでいたら、先生が「肺にもいくらか落ちているのは確実です」というわけだよね。肺炎にならないことを祈るばかりです。
ここでは「気管切開した穴に『直角』にカニューレを入れる」ということを習いました。
ムコーは初めてなのに思い切りがよく、スムーズに交換できていました。
たいしたもんだ。ばあばはビビリそう。
でも躊躇して時間をかけすぎるとリノが苦しいんだよね。
交換後、リノを横向きに寝かせて、ラクーが背中をさすっていると、「ゴホゲホッ」と咳をして、リノが自分で排痰することができました。
ネムルーは「よくやった!」と褒めて、すぐに人工鼻を外し、気切吸引をしていました。
ずっとゴロゴロいっていた痰が取れると、こちらもスッキリしますねぇ。
嚥下障害があるというのは、大変です。
今のところまだ一度も肺炎になっていませんが、帰ったらすぐ風邪を引くかもしれません。
先生も「絶対、風邪を引くでしょう」と予言してくれています。(笑)
しばらくは家に冬ごもりしないといけませんね。
※ 絶対風邪を引くと言われていましたが、この冬リノは風邪を引かなかったのです。
そして酸素の機械説明は、メーカーさんにとっても家族にとっても意味のないものでした。先生はテイジンさんに決めていたのですが、人工呼吸器がフィリップスだったため、互換性がないと危ないからと理学療法士の方からクレームがつき、急遽、フィリップスの機械になってしまいました。(;´∀`)
テイジンの機械は小さくてよさそうだったんだけどな。
そして宿泊練習の時にはそちらで練習していたので、何の意味があったのかとも思ってしまいました。(笑)
ネムルーはまるまる一日中、病院です。ムコーは仕事から帰って、その後すぐ布団などを用意して、病院へ泊りに行く予定です。
昼前にネムルーが二階に上がって来ました。
「お母さん、今日は病院まで送ってくれる?」
「いいよ~、何時?」
「12時半に家を出る」
時計を見てみたら、12時半までには40分ほどしかないことがわかりました。
……………………
あたかもラクーは昼食のブロッコリーを湯がこうとしていたのです。
おいおい、そんな予定があるんだったら、せめて朝には教えといてよーーーーー!
ネムルーは三人娘の内で一番言葉数が少ない娘です。きっとだんまりのダンナーに似たんでしょう。
人にものを頼むのに、こんなに連絡不足ではいけません。親の顔が見たいと思いましたが、毎日鏡で見ているので文句をもっていくところがありませんね。(;´Д`)
昨日、病院で家族四人揃っての研修がありました。カニューレ交換と医療機器説明です。
三時間を超える研修だったので、ラクーは疲れていました。そのため今日は張り切って自堕落をつくそうと予定を立てていたのです。(笑)
急な予定変更でしたが、今日は車も少なかったので、スムーズに病院へ送って行って帰ることができました。
昨日の研修は盛りだくさんだったので、まだ頭の中が飽和状態です。
研修を終えて一番に考えたことは「物を交換する時間や日にちがわからなくなりそう」ということでした。
まずミルクの時間と量がまた変わったのです!
6:00 10:00 14:00 18:00 の4回が、100ml
22:00 の1回が、130ml
と、一日五回になりました。
ネムルーもさっき車の中で、自分に言い聞かせるように確認していました。
夜の22:00と朝の6:00には、ミルクを注入する前に持続ポンプのミルク量の設定を変えなければなりません。
夜と朝なんて、魔の時間帯ですよね。
絶対に間違えそうです。
酸素の機械は、ブログでは見たことがない最新式の物になっていました。小さなカート式の旅行鞄のようなものに入っているんです。
ラクーを除く理系脳の三人は興味津々で、医療機器メーカー(テイジン)さんの話を聞いていました。
血中酸素飽和濃度(SPO₂値)や心拍を教えてくれる機械も、持続時間が40時間もあるものがありました。それはテレビのリモコンのような形をしていました。小さくなっているものですね。
けれど、ネムルーたち夫婦が選んだのは、持続時間がバッテリー込みで6時間という、カセットデッキくらいの大きさの物でした。
そのタイプのものはアラームの音が大きかったので、病院の機械に似ていて安心感があったのかもしれません。
機械を使うのに慣れて、よく出かけるようになったら、また小さい方に変えてもらえばいいと言っていました。
なるほどね。
これのメンテナンスも半年に一回とか、チューブを変えるのが何日に一回とか、色々ありました。
……もう忘れています。(爆)
けれど衝撃を受けたものは覚えています。
「サチュレーションをとるために足に巻いているところは、低温やけどをするので8時間に一回巻き替えてください」とサラッと言われたのです。
低温やけど?!
一番治りにくいものじゃありませんか!
ラクーは長女のノンビリーにやけどをさせたことがあるので、この話にはビビリバビリブーでした。
絶対に忘れて、リノにやけどをさせそう……(^_^;)
せ、責任があるものは、ネムルーに任せた!
リノが夜につけて寝ることになっている加温加湿器付きの人工呼吸器のことは、メーカーの人ではなく、CE(理学療法士)さんが教えてくれました。
これも「ここの水が溜まるところのコップは、夜中に起きて一回捨ててください。ついでにホースの中の水滴も指ではじいて落としといてね~リノちゃんの気管に入ったら困るから」と軽く言われました。
夜中に起きる・・・最初のうちはちゃんとできるでしょう。でも、親の体調が悪くなった時、介護に疲れて来た時、起きられるのかな?と思ってしまいました。
どれもこれも空気を使う医療機器なので、吸引バルブの辺りは掃除が必要になってきます。
「ここのスポンジは一日一回、指でほこりをハタいてね。こっちの格子枠の方は中性洗剤で洗って、完璧に乾かしてください。そのために予備の枠をつけています」
・・・この回数も忘れそう。
ネムルーは、今まで聞いたややこしいチューブやカニューレ交換の時期などを一覧表にしてみたそうですが、新たに医療機器のメンテナンスも付け加えなければいけないようです。
そして呼吸器で忘れてはならないのが、呼吸器本体の電源と加温加湿器の電源が連動していないことです。これは皆が忘れるものらしく、病院でも看護師さんが手書きしたらしい「加湿器の電源!」と注意を喚起するための札が、よく見える所に貼ってありました。(^_^;)
先輩ママさんのブログでも「子どもの調子が悪くなってあちこち調べたら、お釜の水が空っぽだった」とか、「加湿器の電源を入れるのを忘れていて、痰が固くなっていた」とか書いてあったのをよく読んだような気がします。
連動スイッチ設定でもあればいいのにね。
医療機器の説明の他には、気切をした喉の穴に入っているカニューレの交換練習がありました。
今回はネムルーが交換するのをムコーが見ていて、後でもう一回ムコーが入れ直すというものでした。
抜いた古い方のカニューレには痰がたくさん絡んでいました。
気管にこんなにたくさん痰が入り込んでいたら、先生が「肺にもいくらか落ちているのは確実です」というわけだよね。肺炎にならないことを祈るばかりです。
ここでは「気管切開した穴に『直角』にカニューレを入れる」ということを習いました。
ムコーは初めてなのに思い切りがよく、スムーズに交換できていました。
たいしたもんだ。ばあばはビビリそう。
でも躊躇して時間をかけすぎるとリノが苦しいんだよね。
交換後、リノを横向きに寝かせて、ラクーが背中をさすっていると、「ゴホゲホッ」と咳をして、リノが自分で排痰することができました。
ネムルーは「よくやった!」と褒めて、すぐに人工鼻を外し、気切吸引をしていました。
ずっとゴロゴロいっていた痰が取れると、こちらもスッキリしますねぇ。
嚥下障害があるというのは、大変です。
今のところまだ一度も肺炎になっていませんが、帰ったらすぐ風邪を引くかもしれません。
先生も「絶対、風邪を引くでしょう」と予言してくれています。(笑)
しばらくは家に冬ごもりしないといけませんね。
※ 絶対風邪を引くと言われていましたが、この冬リノは風邪を引かなかったのです。
そして酸素の機械説明は、メーカーさんにとっても家族にとっても意味のないものでした。先生はテイジンさんに決めていたのですが、人工呼吸器がフィリップスだったため、互換性がないと危ないからと理学療法士の方からクレームがつき、急遽、フィリップスの機械になってしまいました。(;´∀`)
テイジンの機械は小さくてよさそうだったんだけどな。
そして宿泊練習の時にはそちらで練習していたので、何の意味があったのかとも思ってしまいました。(笑)
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