星の子ども

秋野 木星

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第四章 胃瘻造設・胃の噴門部結索 手術

7/8 決壊

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リノの病院の医療スタッフは、ブログに話題提供をしようと張り切っているんではないでしょうね?
そんな協力はいらないんですよ。
何事もなく退院できるのが一番です。

今日、とうとう我慢の限界が来て、ネムルーが泣きながら感情を爆発させてしまったようです。
(;´Д`)

短気なラクーを怒らせるのは簡単にできますが、いつもは他人に何にも言わなくて辛抱強い、事なかれ主義者のネムルーを怒らせるとは……
リノの病院のスタッフは、たいしたものです。


今日からミルクが通常量になるので、ラクーはどうだったのかな?と思っていました。
昼食の時に携帯を確認すると、ネムルーからラインが届いていました。
文章から、こらえきれなかった怒りがふつふつと伝わってきます。

10時に初めてミルクが全量になったので、ネムルーはリノの様子をジッと見守りながら、全部無事にお腹に収まりますようにと祈っていたそうです。
ミルクの後半、リノが一番しんどい時に悪魔が二人やって来ました。

一人はペーペーの若いお医者さん。
もう一人は粗忽で、物品の確認作業もできておらず、自分が持って来たトレーの中に必要な物が揃っていなかったのを、夜勤帯の看護師のせいにするような責任感のない看護師でした。

そう、朝の血液検査です。

二人はリノの心拍が190を超えているのを確認することもなく、血液を採りました。
ネムルーは、何でこんな時に取りに来たんだ? 患者の様子をちっとも看ていないとイラっときたようですが、そこはお世話になっている身ですから、こらえていたのです。

そこで問題発生です。
リノの血液検体を入れる容器がなかったのです。
主治医の先生は、自分でリノの血液検査をするつもりでいたようです。だから容器もなかったんですよね。
二人とも流れ作業で病室を回っていて、仕事として取り組んでいないのがまるわかりです。

責任感のない看護師さんは慌てて、他の看護師さんに確認に行きました。
血液を採る前に、物品を確認しておくのは、仕事をする上でプロとして最低の基本だろうが!!
ネムルーは怒りが湧きあがってきたのでしょう。
そこで他の看護師さんが言った一言もまずかった。
「仕方がないから、これに採っておいてぇ! できるだけたっぷりと!」

ネムルーはさすがにブチ切れました。
術後、初めての全量のミルクを、心拍を上げながらやっとお腹に入れようとしている患者の気持ちを考えたことがあるのか?
そもそも、あんたがたは、今この子がどういう状態で何と戦っているのか、本当に診るつもりがあるのか?
心拍を確認もせず、患者の負担を何と思っているんだ!!

ネムルーが泣いて訴えたので、さすがに師長があやまりに来たようです。
そこで、いい機会だと、これまで我慢してきたことの数々を訴えておいたそうです。
師長もすべてのミスを把握しきれていなかったらしく、顔を青くしていたそうな。
師長は大人しそうな人だったそうなので、部下の看護師を締めあげられていないんでしょうね。
管理責任を問われても仕方がありません。

ラクーはネムルーと違って、もっと病院に慣れていますから、師長に訴えても改善されることはないだろうなと諦めています。
術後にあのデンジャラスなD看護師をリノの担当につけたことは、この師長のミスだと思っています。自分のミスがわからない女が、他人のミスを指摘できるはずがありません。
たぶん普段もゆるゆるの後輩指導なのでしょう。
ここの小児病棟はこの師長がいる限り、頻発するミスを抑えられないでしょうね。


午後になり、ラクーはネムルーがシャワーに行く時の交代要員として病院へ行きました。そこに主治医の先生が、今回の血液検査の顛末をあやまりにこられました。

ここでまた、新しい事実が発覚します。

あんな辛い思いをして採った血液が、その後の温度管理不十分で、使い物にならなかったのだとか。明日もう一度採らせてくださいという話でした。
愕然 ( ゜Д゜)

ここの病棟には医療のプロはいないんでしょうかねぇ。ため息。


今日はこのこと意外に二つの驚きがありました。

ラクーは何気なく先生に聞きました。
「今日、脳波を撮ったそうですが、左の脳は動いていないんですかね?」
「え? 動いてますよ。左脳にてんかん波はなく、右脳にはまだてんかん波があるのが、心配なんですが……」

ラクーとネムルーは、てんかんのことなんか気にしていませんでした。

リノの左脳が動いてる?! ( ゜Д゜)
聞いてないよぉ~!

なんと皆さん、リノの脳はどっちも動いていたんですよ!

これは嬉しい驚きでした。
先生も伝え忘れていたし、ネムルーたちも諦めすぎていて、退院してからずっと尋ねたことがなかったんですねぇ。

ただ先生には釘を刺されました。
木曜日にある聴力検査のことです。

「今までの聴力検査は簡易のものなので、いつか聞こえるかもしれないと希望が持てましたが、今回する聴力検査は専門医が精度のいい機械でする審査提出用の検査なので、ここで判断された結果はくつがえりません」

はいはい、わかってますよ。
過度な期待は持っておりません。

ただ、ジェット機の噴射音ぐらいは聞こえていてほしいなぁ~と淡い期待は持っています。(笑)


さて、脳波検査が終わりお迎えを待っていたネムルー達の前に現れたのは、あの、デンジャラスなD看護師でした!
ネムルーは「ウッ」と言って、心の中で構えたそうです。
何事もありませんように。☆彡

しかし病棟のある階に戻り、彼女が言った一言に、開いた口が塞がらなかったのだとか。

「お母さん、部屋は何号室ですか?」

…………あんたは、一日担当していた子どもの名前も、部屋の場所も、もう忘れたんかい?!
私はあんたの顔を忘れることはなかったよ!

検査に出ている患者を迎えに行くのは、普通は「看護助手」の仕事です。
それに回されているだけでも、このD看護師の仕事のできなさがわかりますが、迎えに行った患者の部屋がわからなくて、どこに連れて帰るのでしょう???

ネムルーが付いていたからいいものの、もし痴ほう老人を迎えに行ったのだったら二人して路頭に迷うのでしょうか?

仕事をする前に、最低限の確認作業をしようよ。
もう難しいことは覚えなくていいからさ。

彼女がなにも考えずに日々を過ごしていることが、まるわかりですね。
(^_^;)
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