星の子ども

秋野 木星

文字の大きさ
107 / 118
第四章 胃瘻造設・胃の噴門部結索 手術

7/9 終わらない告発

しおりを挟む
ネムルーは怒りを通り越して、呆れたそうです。

ラクーはもう、ここの師長が変わらない限り、何があってもおかしくないとは思っていました。
病院から生きたままでリノを連れて帰ることが目標です!
(`・ω・´)ゞ

昨日の日勤の看護師は、ネムルーから「デンジャラス2号」という名前を拝命しました。
ラクーも昼間に会っているので、頼りなさそうな子だなとは思っていました。判断力がなく、人に尋ねようとする気力もなさそうな子でした。
ラクーが四回も五回も「ミルクを入れる時間を伸ばせば、心拍を上げずに全部入れられると思うよ」と看護師さんを指導し、背中を押すようにイニシアチブをとってやると、やっとしぶしぶと主治医に確認しに行きました。

そんな子ですから、こういうことも起きますわな。

なんと主治医から出ていた薬の増量分をネムルーに渡していなかったのです。
いいえ。
ネムルーは、その子に増量分だけではなく「病室に二日分プールしておく薬がまだきていませんよ」と親切に伝えてあげていたにもかかわらずです。

……………………笑うしかない。

ネムルーは主治医から伝えられていた薬の開始日を自分が間違って覚えていたのかな?と思っていたそうですが、夜勤帯の中堅看護師さんが来て、その子のスルーミスが発覚しました。

師長が今日も謝りに来ましたが、何と呆れたことに「薬が一袋ないな」ということは気づいていたそうです。
……気づいたんなら探せよ! 誰かわかる人に聞けよ!

こんな小学生でもできそうなことができないなんて……驚きを通り越して呆れますよね。

こういう人が看護師になろうと思ったというのが信じられません。
命を預かる高度なプロの仕事をするのが、看護師さんだと思っていました。


ラクーも「あの……あのぅ、本人に確認したんですが……」とおどおどと話す師長を、今日、初めて見ましたが、やっぱり「だめだこりゃ~」と思いました。
師長というのは医者をもビビらすくらいの存在でないといけません。

謝るのなら、自分の管理ミスを謝るべきでしょう。
「これからこういうことがないように、みんなと話をします」ではダメなんですよ。

人を変えようと思っても、変えられるわけがありません。
人を変えるには、自分自身が変わらなければならないのです。

「申し訳ありません。私の管理不行き届きでした。こことあそこのやり方を変えて、今後徹底していきます!」
と言える師長だったら、病棟は変わるでしょう。
ま、そういうことが言える人だったら、ここまで多くの役に立たないゆるゆるな看護師は育ってないでしょうね。

ネムルーが冷静に経営者のような立場に立って、再発防止のためにどうするべきかと、自分でも考えた改善提案を師長さんに伝えていましたが、糠に釘なんじゃないかな。(笑)
この人は師長の器じゃないね。
あの眼鼻の効くしっかりした主任さんが師長になった方がいいよ。
総師長と事務局長は人を見る目がないね。


はい、どーでもいい看護師さんのことはちょっとあっちに置いといて。
リノの朗報をお伝えします。

胃瘻造設手術の傷は癒えてきました!
執刀医の先生が、学会から帰ってこられて「よし、ミルクも入っているようだし、傷も順調に治っているからいいでしょう」と言って、最後に残ったMDチューブを抜くことを決定してくれました。
\(^o^)/♪

夕方、チューブが全部抜けたようで、すっぴんのリノの顔写真がラインで送られてきました。
何にも顔についてない「素」のままのリノの顔を見たのは、初めてです。
ここまで来るのは、本当に長かったねぇ。

ネムルーが先生に離乳食などの開始時期を尋ねました。
「この胃瘻チューブは14フレで細いから、トロミのある物を入れたら詰まりやすいんですよ。
16ぐらいになったら少しずつ。でも出来たら18になってから開始したいですね」
というお答えでした。
チューブの口径が18になるのは、一歳になる頃になりそうです。
まだまだ先が長いねぇ。

主治医は「普通の子と一緒の時期に離乳食が始められますよ」と言っていましたが、どうも外科医の見解は違ったようです。


そして今日の14時からのミルクの時に、ラクーは胃瘻への栄養ポンプのつなぎ方を教えてもらいました。
ネムルーが初めてやった手技をラクーが観察したのです。
半年前の退院前の日々を思い出しますね。
まだ持続栄養ミルクのままのようです。
速いスピードで入れるとリノの心拍が上がるから、今後もこのポンプや栄養ボトルとのお付き合いが続きそうです。(^_^;)

腹圧があるので、胃の中身が飛び出さないようにチューブの途中を折ることと、最後に流す水が10mlに変わることがポイントのようです。

リノは、昨日、注入時間を伸ばしてもらってから後は、心拍数を上げることなくミルクをお腹に入れられています。
ただ胃残が16mlほどあったので、これからはその辺りが課題でしょう。

ムコーは明日休みを取って、今夜、ネムルーと交代して病院へ行ってくれます。
ネムルーも家で一晩ゆっくり眠ったら、ストレスも軽減するんじゃないかな。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

25年目の真実

yuzu
ミステリー
結婚して25年。娘1人、夫婦2人の3人家族で幸せ……の筈だった。 明かされた真実に戸惑いながらも、愛を取り戻す夫婦の話。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

処理中です...