恋と鍵とFLAYVOR

六葉翼

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【桜と鍵と彼の部屋】




私は以前悠斗君の家の鍵を盗んだ。

あれは確かニ年生になったばかりの一学期。前から疼いていた虫歯が本格的に痛み出したので、午前中に母に予約を入れてもらい近所の歯医者に行った。

治療が済むと母の車で一旦家に戻り、自転車で学校に向かった。

その日は午前中母の旧友が訪ねて来る予定が入っていた。

「学校まで車で送れないから」

自転車がないと学校から家までは帰りは結構な距離を歩かなくてはならない。

教室に着いた時にはもう3時間目が始まっていた。

三時間目は体育だった。

今から着替えて授業に出るのも億劫だし、麻酔をかけた歯茎や唇が痺れて気持ち悪い事もあり、私は教室にいる事にした。

自分の席に座ろうと音無君の席の前を通りかかった。

その時私は彼のバッグの少し空いたファスナーの隙間から覗いている鍵を見つけしまった。

キーホルダにくくり付けられた二つの鍵。一つは自転車の鍵、もう一つは多分彼の家の鍵だろう。

私は衝動的にそれが欲しくなった。

別に鍵を盗んで彼の家で悪さをしようとか思ったわけじゃない。

ただそれが欲しかった。

私は鍵をひっつかむと制服のスカートのポケットにそれを押し込んだ。

そのまま教室を出て駐輪場に向かった。

学校の近くにある商店街にロックセンターが一軒あったはず。

往復で20分もかからないはずだ。もしも特注で時間がかかるような鍵ならすぐに諦める。でももし合い鍵が作れるなら一生大切にする。

宝物にしよう。

駐輪場のすぐ脇に卒業生が植えた桜の木が一本あって、私の自転車のサドルやペダルにも桜の花弁がのっていたっけ。

私は満開の桜の花を気にする余裕もなくペダルをこいだ。

鍵屋のおじさんは店先で鍵を受け取ると、素早く寸法を計り、万力に固定した別の鍵をまったく同じ鍵に仕上げた。

私は鍵を受け取るとダッシュで学校に戻った。教室にまだ誰も戻っていない事に安堵した。

悠斗君のバッグに鍵を戻した私は奇妙な高揚と罪悪感に押し潰されそうになった。

予鈴が鳴り男子が教室に戻ってくる。

ふと見ると体操着姿の悠斗君がこちらを見ている。

何か分からないが、ばれたのかも。

そう思って下を向いていると目の前に悠斗君が立っていた。

「音無君なにかな?」

私が顔を上げて恐る恐る聞くと悠斗君は笑って。

「小野瀬の頭の上に、ほら」

私の頭についていた桜の花弁を見せて笑った。

心に沁みる笑顔だった。

机の下に隠した私の右手は小さな紙袋に入った彼の家の鍵を握りしめていた。



勝手口の鍵は苦もなく回った。

チャコール・グレーの薄いアルミで出来た扉を私は開けた。

勝手口の扉の前には四十センチくらいの高さの段差があって、その右真横に十センチ位の段差がある。

扉のコックに手をかけると、右足が自然と小さな段差にのって、体を押し上げる格好になる。

「お邪魔します」

扉を外側に開いて中に入る。目の前はお台所だ。

通路を挟んで右側に電子レンジ。

左側にガスコンロ。レンジの下には木製の小さな台があって、足のところにU.Oのイニシャルが彫ってある。

中学の時男子が同じのを技術の時間に作っていた。

台の上には大きな金のザルがあって、中に艶やかな茄子やトマトや胡瓜が入っている。

農業をしている悠斗君のお祖父さんが届けてくれる…確かそんな話をしていた。

食べきれないくらいの量の野菜は所々傷みかけている。野菜に集ろうとするコバエがいて私は手でそれを払う。

ガス台の横のワイヤー製の調味料スタンド。

ナツメグ、ブラック・ペッパー…悠斗君の好物はハンバーグだ。お父さんは肉より魚が好きって言ってたから、もう作る事はないかも知れない。

キューブのコンソメ、塩や調味料はうちにあるのと同じ。

ターコイズ・ブルーの食器棚は落ち着いた色合いでとても素敵。

淡いピンクを基調にしたシステムキッチンもシンクの隅々までお掃除が行き届いていて、うちのお母さんとは大違いだ。

食器棚の中で一際目を惹く茶器が一組。

お母さんのウエッジ・ウッドね。

若い頃から紅茶好きだったお母さんは大学時代にバイトして買ったウエッジ・ウッドを大切にしている。

好きな紅茶は…私は食器棚を見回す。

あった!フォートナム&メイスン!

悠斗君も紅茶が好きで図書室でよく水筒に入れた紅茶を飲んでいた。

「フォートナム&メイスンはすごく美味しい紅茶なんだけど、イギリスで国内での需給が足りなくなって、茶葉が輸出禁止になったんだって」

「悠斗君もそんな美味しい紅茶を家で飲んでるの?」

誰かが聞いたら悠斗君は笑って。

「僕はリプトンしか飲ませてもらえないよ、昔お茶を入れるようなかんじで母さんの紅茶を入れたら…すごく苦くて後で怒られた」

お母さんの好きな茶葉は輸入禁止になったけどティーパックなら買えるらしい。

「それは茶葉より安いんで初めて飲ませてもらえた。でも美味しくなくてさ…『母さんこれならリプトンの方が美味しいよ』って言ったんだ、そしたら」

「いいの、腐っても鯛なんだから」

「以来、母さんの紅茶は全然減らなくて僕の紅茶はすぐに無くなるんだ」

なんて事ない話だけど。

懐かしいな、悠斗君。

また悠斗君のお話が聞きたいな。

きれいに洗い流しされたシンクのがは少し白っぽく見えるのはハイターを使ったせいかな。

でも、そんな微かな漂白剤の残り香よりも強い匂いがこの家には漂っていた。

朝から閉め切りの家の中には、お線香の香りで満たされていた。昼も夜も御両親が絶やす事なく炊き続けた香の匂いが、壁紙や床や柱にまで染みついているようだ。それと甘い果実。

私は仏壇の前に正座して悠斗君の写真に手を合わす。暑さのせいで高杯の果物は少し腐敗が早いみたい。

斜めに曲線を描いて窪んだ桃は中央の一点が黒ずんでいた。

斑点が無数に浮いたバナナを見てキリンの模様はこんなんだったかと思う。

熟し過ぎた李は線香に混ぜ困れた白檀の香りと相まって尚一層黄泉の香りを漂わす。

根を切られても青々とした香花は女の髪みたい。香花の匂いはむせかえるように強く仏壇に立ち込めていた。

Marketー0のブラウニーは最近の彼のお気に入りで学校でもよく食べてた。

ちゃんと箱で供えられていた。好みのジュースの缶も沢山。初めて来た時から何も変わっていない。 

私は鈴棒で鈴を叩いた。

「悠斗君ごめんね。少しだけお部屋にお邪魔するね」

階段の前に立つと、悠斗君の癖なのかな。

手すりを使わず壁紙に触るものだから手垢で壁紙が黒く汚れてしまっている。

まるで黒い煙みたい。

悠斗君、黙ってお部屋に入るけど、ごめんね。

私は思わず手を合わす。

だって好きなんだもん。

私は階段の壁紙についた黒い染みを掌でなぞりながら階段を登った。

残念ながら私には幽霊を見たり感じたりする才はない。

悠斗君の部屋は以前訪れた時のまま何1つ変わりはなかった。

階下の喪に服す家の空気とここは無縁で。

ただ主だけが不在のまま。カーテンの隙間から射し込む七月の日差しと暑い空気の中に置き捨てられた机と本とベッドがあるだけだった。

静かに密を舐める甲虫の羽のようにそこにある、本たち。

私はそれにもベッドにも触れる事なく窓際にある彼の机に向かった。

「ごめんね悠斗君、机の引き出し開けるね」

怒って出てきても悠斗君なら私は平気。ゾンビの姿でも大丈夫。

デスクトップのPCが置かれた悠斗君の机の引き出しの一段目を私は引いた。

乾電池が沢山…マウスとかテレビやエアコンのリモコン用だね。

「机の中にあるゴロゴロ君さ、使えるやつと使えないやつと見分けつかなくて困るよね」

「ハンズに乾電池チェッカー売ってたぜ、電池の残量が一発で分かるんだ」

「いいな、それ欲しいよ」

買ったのにまだ包装したままの乾電池チェッカーとゴロゴロ君たち。

それと、ニャッキとかでこぼこフレンズの食いしんぼん等およそ人が欲しがらないキーホルダー。

悠斗君ガチャとかやるんだ。

一段目はそんなかんじ。

二段目は綺麗な箱に入ったCDの帯と文庫本についてくる栞。

レンブラントやフィメールの絵画の栞がモザイクみたいで、とても綺麗。悠斗君が「レア」と言ってたボッシの栞はさすがに気持ち悪いな。

「富嶽三十六景やシュリンクスの乙女もあるんだね」

悠斗君と出会って彼の話に興味を抱かなければ素通りしてた物ばかり。

私の指先が震えるのは罪悪感よりも悦びからだ。

彼の好きなものに間近で触れ理解出来る悦びにだ。

新潮の文庫に以前シリーズとして入っていた栞、富嶽三十六景の武州玉川。

「あれだけ見つからないんだよね」

私は探して見つけた。

でも結局手渡せなかった。それは彼が私に話しかけた言葉ではなかったから。

私は自分の栞を悠斗君の机の中の栞の束に混ぜたりはしない。

何かを取りに来た訳でも、こっそり自分のものを忍ばせるために来た訳ではないからだ。

引き出しの中を散らかさぬよう私は細心の注意を払う。

たったそれだけの作業でも額に汗が出た。

エアコンのリモコンをつけたいけれど何処にあるか分からない。

制服の中の下着に汗が染みて背中が痒くなる。私は首に巻いていた制服のリボンタイを外してスカートのポケットに仕舞う。いっそ、それで汗を拭いてしまいたいくらいだ。

美狂乱、まどろみと書かれたCDの帯…ああこれは、こないだ動画サイトでたまたま見つけた古いバンド。最近よく聞いてるって言ってたね。

どんな音楽なんだろう?私も聞いてみたいな。

机の一番下の引き出しを開ける。

ここにはPCの説明書が何冊か、それと使用しない付属品がしまわれていた。

机の引き出しには探しているものはなかった。

私は失望と同時に安堵の気持ちに包まれた。

見込み違いならそれで構わない。家に帰ろう。

フォトアルバム紙用セット補助ロール。

そう印字された紙の筒に目が留まる。

うちのお母さんが「得だから」と薬局で買ってくる業務用ラップの芯と同じくらいの大きさ。

白い芯にはプリンターへの設置方がイラストと文字で印刷されている。

コマ送りのアニメのセル画みたいに同じ絵がいくつも並ぶ。

その余白に文字が一行だけ書かれていた。

大切に保管して下さい。

以前お父さんの誕生日に何か買おうとデパートに行った。

お酒のコーナーに並ぶウィスキーのボトル。

高級なウィスキーは紙の筒に入れられて売られていたっけ。

結局お酒の事なんて何も知らない私は別の品物を選んだ。

机の中の補助ロールは使われた様子がないにも関わらずビニールの封が切られていた。

私がそれを手にとると振ってもいないのに中で軽い音がした。

逆さまにすると中から掌に収まるサイズの小瓶が出てきた。

見た目からして香水の瓶に間違いなかった。

私は危険物を取り扱うようにそれを日差しに透かしてみた。

透明な硝子瓶の中で鮮やかに透き通る黄色の液体。

危険物ではないが、爆発的な香りが閉じ込められた瓶は、静かに開栓される時を待つように見えた。

香水や化粧品の瓶は女性が手を伸ばし易いようにと、男性の生殖器を模してデザインされている。

以前何かの深夜番組で、そんな内容の話題を放送していた記憶がある。

全ての商業デザインには販売戦略や意図がある。

この香水のボトルだって、そう言われてしまえば、そんな風に見えない事もない。

けれど、そんな商業的な意図など超越したかのように美しい硝子の瓶であった。
手にすれば女性ならばきっと、栓を開けて中の匂いを確かめたくなる、そんなデザインだ。

私は瓶を一先ず机の隅に置くとPCのキーを叩いた。

予想通りPCは起動したまま省電力モードになっていた。これなら立ち上げる必要はない。

Yhaooのホームページの認証欄にパスワードを打ち込む。

初期設定のままなら、机の引き出しに入っていたプロバイダーの契約書に書かれていた通り、ログイン出来るはず。

出来た!届いているメールの受信箱を調べると、注文確認のメールと発送のメール2つ確認出来た。

悠斗君は間違いなく、この香水を自分で購入していた。

私は履歴から自分の検索の足跡を消した。

待ち受け画面に戻る。放って置けば自然に画面は消えるはず。

香水の瓶に手を伸ばし栓を開ける。

部屋中に気品のある複雑な花の香りが漂う。

オリエンタルで優雅でセクシー…甘い香りは花だけではないはずだ。

汗にまみれた私の香りや息遣いを消し去り悠斗君の部屋の空気を変えて行く。

心まで痺れさすような、なんて素敵な香りだろう。

開けなければよかった。

開けるんじゃなかった。

私は、すっかり惨めな気持ちになる。

彼が自分で買ったのなら多分片想いなのだろう。

香水の瓶を開ける時私は香りと一緒に香源の主が現れるような気がした。

アラジンと魔法のランプみたいに。でもこれは惨めな現実の話で、惨めな私が一人ここにいるだけだ。

こんな素敵な香りを身に纏える女性に彼は恋をしたのだろうか。

「せめて香りだけでも」

切ない気持ちでいたのだろうか。或は香りそのものに惹かれた、そんな可能性は低いかと思う。実体があればこその恋だ。

実体は何処にいる誰なんだろう。

以前図書室で何気なく見た【嫉妬の夜】という絵画。

1992年に盗難にあって以来行方不明らしい。

あれを盗んだのは私だ。

今は私の胸の中に隠してあるの。だって私の心の中に広がる景色はあの絵と同じ真っ黒な嵐なんだから。

「出て来なさいよ」

「誰なんだよ」

「出て来いつってんだよ!!」

私は気がふれたように大声で喚き散らしながら部屋の中を歩き回る。

自分でも自分が何をしているのか、よく分からない。

あの香水は確かに上品でエレガントで、そんな月並みな言葉しか出て来ない自分が恥ずかしくなるくらい素敵。

でも、もう1つ何かぴったりな言葉が思い浮かばない。それが私を余計に苛つかせる。

部屋を出よう。香水の名前はメモに記した。

もう夕暮れになる時刻だ。

いつまで此処にいてはいけない。私は香水の瓶を元の位置に戻した。

瓶をしまっても芳香は部屋に立ち込めていた。

香水は時間と共に香りが変化するものらしい。私は立ち込める香水の残り香から逃げるように部屋を出る。

今や部屋の空気が全て女の姿になり私を嘲笑っている気がした。

ベッドや椅子に残された私には感知出来ない悠斗君の残り香。積み上げられた乾いた本の紙の匂い。そして香水、混ざり合う。恋に落ちる時の香りというものがあるとすれば多分これが、その香りだ。

ふいに階下で誰かが玄関のチャイムを鳴らす音が聞こえた。

チャイムの鳴らし方で玄関の人物を推察する事なんて私には出来ない。

家の人でない事だけは確かだ。宅配業者だろうか。

チャイムは1度鳴らされた後かなり間を置いて再び何度も鳴らされる。

躊躇いを感じさせるような鳴らし方。

私は階段を降り外の人間に覚られぬように静かに音を立てず勝手口に向かう。

表にでると鍵を閉め段差に腰を降ろす。

5分程そこで時間を潰して玄関に向かう。

玄関の前に座り込んだ姿勢のまま両手で顔を覆い泣く人の姿が、そこにあった。
私と同じ制服の女の子。

「隅田澄香」

私は彼女の名前を呟いていた。
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