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みなみの計画
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あたしは皆が言うには可愛いらしい。
でも、いくら可愛くても好きな人に振り向いてもらえないんじゃ意味がない。
だから理奈を陥れるというか、理奈から大事なものを奪ってやろうと考えた。
いちばんやりやすかったのは、理奈の好きな人を横取りする事だった。
「みなみー!また失恋したよう」
そうやって泣きついてくるのは全部、あたしが仕掛けた恋のワナだって事を理奈は知らない。
「大丈夫だよ。また良い人現れるって!」
次も頂きますけれど。ふふっ。
あたしがどうしてここまで理奈から男を奪えるか分かる?
それはね、うちがお金持ちだからなんだ。
そしてこの顔も本当はそこまで可愛くないの。
まぶたを二重にして鼻も少し高くしてある。
これ、秘密だよ。両親は「みなみが可愛くなりたいなら協力するわ」と言ってお金を出してくれた。
親がくれるお金と社長の娘という立場を利用しないなんて勿体ない!
あたしは性格の悪さをサカサマに演じた。とにかく良い子に。素直で誰からも好かれる女の子を演じ続けた。
トオルさんの前でもその姿は崩さない。
整形してる秘密だけは知られたくないけれど。
季節は夏になり、あたしたちは夏休みに入った。
みなみは計画を立てた。
広い我が家に理奈とトオルさんを招待して、本命じゃないけど賢太郎くんでも呼んでパーティーをしようと。
「お父さん、お母さん、来週の日曜日にお友達を呼んで小さなパーティーを開きたいの。いい?」
優雅にお茶を楽しむ両親に、許可を取る。
「もちろんだよ。みなみは友達が多いからな。だが、友達は選んだ方が良いぞ。何事も友達から学んだり影響を受ける事があるからな」
「ありがとうございます。友達は皆良い人よ。お父さんやお母さんが心配する様な方達とはお付き合いしていないから、大丈夫」
ニッコリ笑顔で「良い子供」を演じる。
正直、早く大人になって家を出たかった。
トオルさんの大事な人になりたかった。
取り敢えず理奈に賢太郎くんを返して、あたしはトオルさんと急接近するのが目標だった。
けど…。
この計画で何かが「サカサマ」になるとは、みなみは思っていなかった。
でも、いくら可愛くても好きな人に振り向いてもらえないんじゃ意味がない。
だから理奈を陥れるというか、理奈から大事なものを奪ってやろうと考えた。
いちばんやりやすかったのは、理奈の好きな人を横取りする事だった。
「みなみー!また失恋したよう」
そうやって泣きついてくるのは全部、あたしが仕掛けた恋のワナだって事を理奈は知らない。
「大丈夫だよ。また良い人現れるって!」
次も頂きますけれど。ふふっ。
あたしがどうしてここまで理奈から男を奪えるか分かる?
それはね、うちがお金持ちだからなんだ。
そしてこの顔も本当はそこまで可愛くないの。
まぶたを二重にして鼻も少し高くしてある。
これ、秘密だよ。両親は「みなみが可愛くなりたいなら協力するわ」と言ってお金を出してくれた。
親がくれるお金と社長の娘という立場を利用しないなんて勿体ない!
あたしは性格の悪さをサカサマに演じた。とにかく良い子に。素直で誰からも好かれる女の子を演じ続けた。
トオルさんの前でもその姿は崩さない。
整形してる秘密だけは知られたくないけれど。
季節は夏になり、あたしたちは夏休みに入った。
みなみは計画を立てた。
広い我が家に理奈とトオルさんを招待して、本命じゃないけど賢太郎くんでも呼んでパーティーをしようと。
「お父さん、お母さん、来週の日曜日にお友達を呼んで小さなパーティーを開きたいの。いい?」
優雅にお茶を楽しむ両親に、許可を取る。
「もちろんだよ。みなみは友達が多いからな。だが、友達は選んだ方が良いぞ。何事も友達から学んだり影響を受ける事があるからな」
「ありがとうございます。友達は皆良い人よ。お父さんやお母さんが心配する様な方達とはお付き合いしていないから、大丈夫」
ニッコリ笑顔で「良い子供」を演じる。
正直、早く大人になって家を出たかった。
トオルさんの大事な人になりたかった。
取り敢えず理奈に賢太郎くんを返して、あたしはトオルさんと急接近するのが目標だった。
けど…。
この計画で何かが「サカサマ」になるとは、みなみは思っていなかった。
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