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将来の夢と約束
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雪野まどか、15歳。
家庭は比較的裕福なのに、なのに!
あの言葉、私はまだ信じられない。
馬鹿みたいだ。
「まどかは、そういえば父さんに料理を作ってくれた事がないな」
「アラ、だってまどかは家事が出来ないんですものね」
「お前が教えなかったんじゃないか」
トゲ、トゲ、突き刺さる言葉のやり取り。
確かに。私が料理も家事も出来ないこと、未来の旦那さま(はぁと)にバレてしまったらにゲンメツされて終わりだわ。
そんな時、妹のしずかが「お姉ちゃん家政婦の専門学校にでも行ったら?」なんて言い出した。
「しずか、そんな学校あるの?」
私はきょとんとしながら妹の顔を覗き込んだ。
「あるよ。紅メイド養成専門学校だって。ハイこれパンフー」
手渡されたのはオールカラーでお嬢様とメイドさんがツーショットで表紙を飾ってる小冊子だった。
「あなた、何処でこんなシロモノを手に入れてきたの?」
母がすかさず取り上げる。
「ポストに入ってたんだよ。でも不思議よね。うちのマンションは富裕層の多い家庭が多いのに」
そこに妹の注釈が入る。
「この専門学校は、なんでも庶民を対象としていなくて、なんていうか…露骨な表現だけどお金持ちで気品と落ち着いたお嬢さんをメイドさんに育て上げるのがモットーらしいよ」
「え、私落ち着いてないし、気品なんてないよ(汗)」
そこは大丈夫!と両親はウインクする。
「まさか、お金積んだりしないよね…」
「そんなゲスな事しないわよ。菓子折り持ってくだけだから安心して!」
ちょっとちょっと、それって…。
「ていうか私は皆みたいに高校に進学しなくて良いの?」
「この専門学校は名門なのよ。ね、お母様」
しずかがトドメを刺しにかかってる。
「うん?とりあえず家事の一切とコミュニケーションスキルを身に着けて、立派な大人になるのよ。まどかの事、応援してる!」
そこまで言われたら…。
「分かりました。紅メイド養成専門学校を受けます!」
腹をくくるか。
家庭は比較的裕福なのに、なのに!
あの言葉、私はまだ信じられない。
馬鹿みたいだ。
「まどかは、そういえば父さんに料理を作ってくれた事がないな」
「アラ、だってまどかは家事が出来ないんですものね」
「お前が教えなかったんじゃないか」
トゲ、トゲ、突き刺さる言葉のやり取り。
確かに。私が料理も家事も出来ないこと、未来の旦那さま(はぁと)にバレてしまったらにゲンメツされて終わりだわ。
そんな時、妹のしずかが「お姉ちゃん家政婦の専門学校にでも行ったら?」なんて言い出した。
「しずか、そんな学校あるの?」
私はきょとんとしながら妹の顔を覗き込んだ。
「あるよ。紅メイド養成専門学校だって。ハイこれパンフー」
手渡されたのはオールカラーでお嬢様とメイドさんがツーショットで表紙を飾ってる小冊子だった。
「あなた、何処でこんなシロモノを手に入れてきたの?」
母がすかさず取り上げる。
「ポストに入ってたんだよ。でも不思議よね。うちのマンションは富裕層の多い家庭が多いのに」
そこに妹の注釈が入る。
「この専門学校は、なんでも庶民を対象としていなくて、なんていうか…露骨な表現だけどお金持ちで気品と落ち着いたお嬢さんをメイドさんに育て上げるのがモットーらしいよ」
「え、私落ち着いてないし、気品なんてないよ(汗)」
そこは大丈夫!と両親はウインクする。
「まさか、お金積んだりしないよね…」
「そんなゲスな事しないわよ。菓子折り持ってくだけだから安心して!」
ちょっとちょっと、それって…。
「ていうか私は皆みたいに高校に進学しなくて良いの?」
「この専門学校は名門なのよ。ね、お母様」
しずかがトドメを刺しにかかってる。
「うん?とりあえず家事の一切とコミュニケーションスキルを身に着けて、立派な大人になるのよ。まどかの事、応援してる!」
そこまで言われたら…。
「分かりました。紅メイド養成専門学校を受けます!」
腹をくくるか。
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