24 / 27
-23-
しおりを挟む
……
痛すぎるし、動くと他の人とぶつかりそうだし、無様な姿をさらしてしまっている。
小さなざわつきが聞こえてくる。今期売り出す予定の布地にカイお姉様のデザイン、一流のパートナー達で目だっていたのが悪かった。
悔しい。
痛みからなのか、悔しさからなのか、目頭が熱くなってきた。
泣くな。
このままでは公爵家のお父様達とカイ様に迷惑をかけてしまう。
考えろ。
ざわめきがやけに大きく聞こえてくる。
笑え。
突然、フワリと足元に暖かい風が舞ったかと思うと、足が床から離れ、続きのダンスが始まった。
目の前には青い目の青年が手を取ってくれていた。
魔法?足が浮いていて、ステップを踏む必要もないため痛みが少し和らぐ。
「曲が終わるまで続けられますか?」
優しく声をかけてくれる。途中で止めるわけにはいかないので、好意に甘えて最後までお願いすることにした。
「はい。ありがとうございます。助かりました」
ようやく曲が終わり、カイお姉様の所まで連れて行って貰おうとすると、あっという間に横抱きされていて、青年が足速に会場を後にする。
え、
これは夢にまで見たお姫様抱っこと言うやつではと、ちょっと現実逃避しそうになったところでハッとして声をかける「あの、どこへ」
「大丈夫ですよ。お連れの方もすぐに来ますから」
随分、奥まった部屋にまで運ばれてしまったような気がするんだけど。大丈夫なのかな?痛みが酷くなってきたし、考えることを放棄した。
気づくとソファにそっと下ろされていた。
「医者を呼んで来ますから」
そう青年が言ってドアに手をかけると、バンとドアが開いてカイお姉様が入ってきた。
「助けてくれてありがとう。後は大丈夫だから、出ていってくれるかしら」
青年はカイお姉様に押されお辞儀(ボウ・アンド・スクレープ)をすると出ていってしまう。
「あ、お名前を聞くのを忘れてしまいました」
「いいのよ。名前なんか知らなくても。勝手に部屋に連れ込んだんだから」
「助けてくれて、お医者様を呼びに行ってくれようとしていたんですよ」
「それでも、エリカちゃんに悪い噂が立つような真似をしたからダメ」
「それよりもごめん。あそこまでダメな男だったなんて。ダンスを受けるんじゃなかったわ」
「私もびっくり。ホント助けて貰って良かった」
青年が呼んでくれたのだろう。医者がすぐにやって来て、骨には異常はないと思うけど、しばらく安静にと言われ、足を固定されてしまった。思っていたよりも重症だったみたい。
店に帰っても世話をしてくれる人もいないし、どうしようかと思っていたら、王家の使いの人がやって来て、治るまで王宮に滞在するように言われてしまい、カイお姉様もそうしなさいと言って、さっさとお姫様抱っこをされて他の部屋へ運ばれてしまった。
居心地が悪いから帰りたいって言ってはダメかな?
なんだか、物凄い高待遇を受けていて、困ってしまった。
黒バラ姫様が連れて帰ると言っているのと、治るまでここでと言い争っているのを聞きながら、薬が聞いたのか寝てしまう、結構図太いエリカ17歳だった。
痛すぎるし、動くと他の人とぶつかりそうだし、無様な姿をさらしてしまっている。
小さなざわつきが聞こえてくる。今期売り出す予定の布地にカイお姉様のデザイン、一流のパートナー達で目だっていたのが悪かった。
悔しい。
痛みからなのか、悔しさからなのか、目頭が熱くなってきた。
泣くな。
このままでは公爵家のお父様達とカイ様に迷惑をかけてしまう。
考えろ。
ざわめきがやけに大きく聞こえてくる。
笑え。
突然、フワリと足元に暖かい風が舞ったかと思うと、足が床から離れ、続きのダンスが始まった。
目の前には青い目の青年が手を取ってくれていた。
魔法?足が浮いていて、ステップを踏む必要もないため痛みが少し和らぐ。
「曲が終わるまで続けられますか?」
優しく声をかけてくれる。途中で止めるわけにはいかないので、好意に甘えて最後までお願いすることにした。
「はい。ありがとうございます。助かりました」
ようやく曲が終わり、カイお姉様の所まで連れて行って貰おうとすると、あっという間に横抱きされていて、青年が足速に会場を後にする。
え、
これは夢にまで見たお姫様抱っこと言うやつではと、ちょっと現実逃避しそうになったところでハッとして声をかける「あの、どこへ」
「大丈夫ですよ。お連れの方もすぐに来ますから」
随分、奥まった部屋にまで運ばれてしまったような気がするんだけど。大丈夫なのかな?痛みが酷くなってきたし、考えることを放棄した。
気づくとソファにそっと下ろされていた。
「医者を呼んで来ますから」
そう青年が言ってドアに手をかけると、バンとドアが開いてカイお姉様が入ってきた。
「助けてくれてありがとう。後は大丈夫だから、出ていってくれるかしら」
青年はカイお姉様に押されお辞儀(ボウ・アンド・スクレープ)をすると出ていってしまう。
「あ、お名前を聞くのを忘れてしまいました」
「いいのよ。名前なんか知らなくても。勝手に部屋に連れ込んだんだから」
「助けてくれて、お医者様を呼びに行ってくれようとしていたんですよ」
「それでも、エリカちゃんに悪い噂が立つような真似をしたからダメ」
「それよりもごめん。あそこまでダメな男だったなんて。ダンスを受けるんじゃなかったわ」
「私もびっくり。ホント助けて貰って良かった」
青年が呼んでくれたのだろう。医者がすぐにやって来て、骨には異常はないと思うけど、しばらく安静にと言われ、足を固定されてしまった。思っていたよりも重症だったみたい。
店に帰っても世話をしてくれる人もいないし、どうしようかと思っていたら、王家の使いの人がやって来て、治るまで王宮に滞在するように言われてしまい、カイお姉様もそうしなさいと言って、さっさとお姫様抱っこをされて他の部屋へ運ばれてしまった。
居心地が悪いから帰りたいって言ってはダメかな?
なんだか、物凄い高待遇を受けていて、困ってしまった。
黒バラ姫様が連れて帰ると言っているのと、治るまでここでと言い争っているのを聞きながら、薬が聞いたのか寝てしまう、結構図太いエリカ17歳だった。
1
あなたにおすすめの小説
私、お母様の言うとおりにお見合いをしただけですわ。
いさき遊雨
恋愛
お母様にお見合いの定石?を教わり、初めてのお見合いに臨んだ私にその方は言いました。
「僕には想い合う相手いる!」
初めてのお見合いのお相手には、真実に愛する人がいるそうです。
小説家になろうさまにも登録しています。
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
あっ、追放されちゃった…。
satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。
母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。
ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。
そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。
精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。
幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。
灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。
曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。
婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。
前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。
嘘コクのゆくえ
キムラましゅろう
恋愛
アニーは奨学金とバイトで稼いだお金で魔法学校に通う苦学生。
生活は困窮、他の学生みたいに愛だの恋だのに現を抜かしている暇などない生活を送っていた。
そんな中、とある教授の研究室で何らかの罰としてアニー=メイスンに告白して来いと教授が学生に命じているのを偶然耳にしてしまう。
アニーとは自分のこと、そして告白するように言われていた学生は密かに思いを寄せる同級生のロンド=ハミルトンで……
次の日、さっそくその命令に従ってアニーに嘘の告白、嘘コクをしてきたロンドにアニーは……
完全ご都合主義、ノーリアリティノークオリティのお話です。
誤字脱字が罠のように点在するお話です。菩薩の如き広いお心でお読みいただけますと幸いです。
作者は元サヤハピエン主義を掲げております。
アンチ元サヤの方は回れ右をお勧めいたします。
小説家になろうさんにも時差投稿します。
王妃ですが都からの追放を言い渡されたので、田舎暮らしを楽しみます!
藤野ひま
ファンタジー
わたくし王妃の身でありながら、夫から婚姻破棄と王都から出て行く事を言い渡されました。
初めての田舎暮らしは……楽しいのですが?!
夫や、かの女性は王城でお元気かしら?
わたくしは元気にしておりますので、ご心配御無用です!
〔『仮面の王と風吹く国の姫君』の続編となります。できるだけこちらだけでわかるようにしています。が、気になったら前作にも立ち寄っていただけると嬉しいです〕〔ただ、ネタバレ的要素がありますのでご了承ください〕
心が折れた日に神の声を聞く
木嶋うめ香
ファンタジー
ある日目を覚ましたアンカーは、自分が何度も何度も自分に生まれ変わり、父と義母と義妹に虐げられ冤罪で処刑された人生を送っていたと気が付く。
どうして何度も生まれ変わっているの、もう繰り返したくない、生まれ変わりたくなんてない。
何度生まれ変わりを繰り返しても、苦しい人生を送った末に処刑される。
絶望のあまり、アンカーは自ら命を断とうとした瞬間、神の声を聞く。
没ネタ供養、第二弾の短編です。
いや、無理。 (本編完結)
詩海猫(8/29書籍発売)
恋愛
細かいことは気にせずお読みください。
一旦完結にしましたが、他者視点を随時更新の間連載中に戻します。
もはや定番となった卒業パーティー、急に冷たくなって公の場にエスコートすらしなくなった婚約者に身に覚えのない言い掛かりをつけられ、婚約破棄を突きつけられるーーからの新しい婚約者の紹介へ移るという、公式行事の私物化も甚だしい一連の行動に、私は冷めた瞳をむけていたーー目の前の男は言い訳が終わると、
「わかってくれるだろう?ミーナ」
と手を差し伸べた。
だから私はこう答えた。
「いや、無理」
と。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる