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一章
002 剣と魔法のファンタジーな世界らしい
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「慶太さんに行ってもらう世界はアーセリウスという、なんと魔法が使えちゃう世界です!」
「おお~!」
「異なる世界による言語の壁は、ギフトという恩恵を授ける事によって解決します。――ですので慶太さんは何も気にする事無く、現地で普通に会話ができちゃいますよっ!」
「おお~!!」
「そして更に! 今回はおまけで現地の一般成人が持つ基礎的な知識と、共通言語の読み書きも付けちゃいましょう!」
「おお~!!!」
「後は……、本来ならば言語とは別にもう1つギフトを授けてあげられるのですが、先ほど慶太さんは徳の殆どを使ってしまわれたので、慶太さんが思い描くような 『チート?』 な権能は残念ながら与える事ができませんっ」
「おお~ん……」
チート無いのかぁ……。
世の中そんなに甘くないのは分かっていても、いい歳してちょっと期待しちゃってた自分がいる。
「――という事で、今回慶太さんには私の独断と偏見で 【虫の知らせ】 というギフトを授けましょう。――本来慶太さんの世界での虫の知らせというのは、守護霊などが事前に危機などを知らせてくれるものですが、アーセリウスには慶太さんに所縁のある霊的な存在を連れて行く事ができませんので、それを補う形です。これがある事により慶太さんが生きていく上で、と~っても役に立ってくれるはずですよ!」
ううーん……、女神様ニコニコ顔で説明してくれるけど、ちょっと地味すぎなギフトじゃありません?
でもまあ、事前に危機を察知できたりする直感が手に入ると考えれば……まあいっか。魔法もあることだしな。
……いや、ちょっとまって。魔法のある世界なのは分かったが、俺自身は魔法を使う事ができるのだろうか?
「あの~女神様、魔法は自分も使えるようになるんですか?」
「もちろん使えますよ! 慶太さんの元々の体は既に火葬されてありませんので、私がちゃんと魔法の使える体を造って差し上げますのでご安心を。――と言いますか、魔法の源となる魔力が行使できないと、これから行ってもらうアーセリウスでは生きていけません。アーセリウスは魔物とよばれる凶悪な存在が跋扈する世界なので、人の種がそれらに打ち勝ち文明を築くには、そういった力がないと無理なんですよー」
よかった、俺も魔法が使える!
これはちょっと楽しみになってきたな。なんかオラわくわくしてきたゾ!
ただ、非常に危険な世界であることも理解できてしまった。
そりゃそうだよなあ。漫画やゲームじゃないんだから何か特別な力でもないと、魔物どころか虎や熊ですら、どんなに鍛えても勝てやしない。
「ただ、慶太さんはアーセリウスで生まれ幼少より生活をされた経験がありませんので、最初の内は魔力を行使するのはちょっと苦労するかもしれませんね。――その辺に関しては、あちらの世界にある冒険者ギルドを頼ると良いでしょう。魔法をはじめ、様々な講習を行っていたはずです。きっと慶太さんのお役に立つと思いますよっ」
「おぉ! 異世界お約束の冒険者ギルドがあるんですね!?」
「はい! バッチリありますよ! ですので慶太さんはあちらへ着いたら最初に、冒険者ギルドで冒険者の登録をすることをお勧めします。――まずはその辺りから生活の基盤を固めて行けば良いんじゃないですかね」
あっ、そうか……、そうだよな。
異世界で残りの人生を過ごせると期待を膨らませていたが、生きるためには稼がないといけない。当たり前な事だけど。
冒険者か……。チートも貰えなかった俺が、果たして生活できるだけ稼ぐ事ができるのだろうか。
正直不安だが、行くと決めたんだ。やるしかない。
「なるほどわかりました。――正直どこまでやれるかわかりませんが、この延長していただいた人生、精一杯頑張ってみます!」
「はい! 私も陰ながら応援しておりますね。――それで……慶太さんには1つお願いがあるのですが……」
「お願いですか? なんでしょう?」
なんだろう。これから何も知らない世界へ旅立つ俺に、できる事なんてあるのかな?
「実は……次の世界でもとある少女を一人、助けてあげて欲しいのです」
「少女……ですか」
「はい。どの子がそうかは、これから差し上げる 【虫の知らせ】 のギフトで分かるようにしておきますので、お願い……聞いて頂けませんか?」
「もちろん良いですよ。徳を積むための延長人生ですしね」
「さっすが慶太さん! お礼にこれを授けましょう!」
女神様がそう言うやいなや、手に何かを持っている事に気が付く。
……なんだこれ。どうやらさつまいもの蔓っぽいんだが。
「それは慶太さんが大好きな人参芋の切り苗ですよ!――冒険者ギルドで冒険者の登録をした時にでも、家庭菜園できる宿があるか聞いてみるとよいでしょう」
「えっ、これ人参芋!? やった、ありがとうございます!」
まさかもう一度人参芋が食べれられるなんて嬉しすぎる。
俺、人参芋大好きなんだよねえ。焼き芋にしたら本当に甘くて美味しくて最高なんですよ。
沢山育てる事ができたら、干し芋でも作っちゃおっかなー。
これから向かう異世界について、女神さまからひとしきり説明を受けたわけだが……、ふと、気が付いてしまった事があった。
「あの女神様……、もしかして女神様の本当の目的ってその少女を助ける事だったりしません?」
女神様はぎくりとした後、ちょっとばつの悪そうな顔をされると、 「実は……」 と白状された。
「……仰る通りです。正直に申し上げますと、その少女を助けてあげる事ができる存在を探しておりました。慶太さんにはできたらその子に手を差し伸べ、家族のように共に歩んで頂きたいと思っていたのですが、――もしかして気が変わってしまいました?」
「いえいえっ、そんな事ありません大丈夫です。――ただ……、なんとなく不思議に思ったんです。ほんのちょっとの間でも何千何万と命が生き死にしているはずなのに、なぜ女神様は俺を見出し、これだけ時間を割いてくれたのかな……と。むしろ自分を選んで頂きありがとうございます。――天命、しかと承りました!」
久々にする敬礼をして、俺の決意をはっきりと伝える。
女神様、本当に俺を選んでくれてありがとうございます。
すると、女神様は花が綻ぶように笑顔となり、とても喜んでくれた。
「はい、よろしくお願いしますね! 助けて欲しい少女は、時が来れば自ずと巡り合うようになっております。慶太さんとの縁に歪みが生じるといけませんので、今は少女について詳しくお伝えする事はできませんが、必ず巡り合います。それまで慶太さんは冒険者となり、しっかりと生きる術を身につけておいてください」
「分かりました」
「それではそろそろ慶太さんをアーセリウスへ送りたいと思います。座標はその少女がいる都近くの転移の門。――それでは慶太さんお元気で。 『情けは人の為ならず』 ですよっ! きっとあなたに良い事があります!」
「はい! 女神さまもお元気で! ――頑張ってきます!」
にこやかに手を振る女神様に見送られ、俺の姿は次第に掻き消えていく。
そして俺は、アーセリウスに旅立った。
「おお~!」
「異なる世界による言語の壁は、ギフトという恩恵を授ける事によって解決します。――ですので慶太さんは何も気にする事無く、現地で普通に会話ができちゃいますよっ!」
「おお~!!」
「そして更に! 今回はおまけで現地の一般成人が持つ基礎的な知識と、共通言語の読み書きも付けちゃいましょう!」
「おお~!!!」
「後は……、本来ならば言語とは別にもう1つギフトを授けてあげられるのですが、先ほど慶太さんは徳の殆どを使ってしまわれたので、慶太さんが思い描くような 『チート?』 な権能は残念ながら与える事ができませんっ」
「おお~ん……」
チート無いのかぁ……。
世の中そんなに甘くないのは分かっていても、いい歳してちょっと期待しちゃってた自分がいる。
「――という事で、今回慶太さんには私の独断と偏見で 【虫の知らせ】 というギフトを授けましょう。――本来慶太さんの世界での虫の知らせというのは、守護霊などが事前に危機などを知らせてくれるものですが、アーセリウスには慶太さんに所縁のある霊的な存在を連れて行く事ができませんので、それを補う形です。これがある事により慶太さんが生きていく上で、と~っても役に立ってくれるはずですよ!」
ううーん……、女神様ニコニコ顔で説明してくれるけど、ちょっと地味すぎなギフトじゃありません?
でもまあ、事前に危機を察知できたりする直感が手に入ると考えれば……まあいっか。魔法もあることだしな。
……いや、ちょっとまって。魔法のある世界なのは分かったが、俺自身は魔法を使う事ができるのだろうか?
「あの~女神様、魔法は自分も使えるようになるんですか?」
「もちろん使えますよ! 慶太さんの元々の体は既に火葬されてありませんので、私がちゃんと魔法の使える体を造って差し上げますのでご安心を。――と言いますか、魔法の源となる魔力が行使できないと、これから行ってもらうアーセリウスでは生きていけません。アーセリウスは魔物とよばれる凶悪な存在が跋扈する世界なので、人の種がそれらに打ち勝ち文明を築くには、そういった力がないと無理なんですよー」
よかった、俺も魔法が使える!
これはちょっと楽しみになってきたな。なんかオラわくわくしてきたゾ!
ただ、非常に危険な世界であることも理解できてしまった。
そりゃそうだよなあ。漫画やゲームじゃないんだから何か特別な力でもないと、魔物どころか虎や熊ですら、どんなに鍛えても勝てやしない。
「ただ、慶太さんはアーセリウスで生まれ幼少より生活をされた経験がありませんので、最初の内は魔力を行使するのはちょっと苦労するかもしれませんね。――その辺に関しては、あちらの世界にある冒険者ギルドを頼ると良いでしょう。魔法をはじめ、様々な講習を行っていたはずです。きっと慶太さんのお役に立つと思いますよっ」
「おぉ! 異世界お約束の冒険者ギルドがあるんですね!?」
「はい! バッチリありますよ! ですので慶太さんはあちらへ着いたら最初に、冒険者ギルドで冒険者の登録をすることをお勧めします。――まずはその辺りから生活の基盤を固めて行けば良いんじゃないですかね」
あっ、そうか……、そうだよな。
異世界で残りの人生を過ごせると期待を膨らませていたが、生きるためには稼がないといけない。当たり前な事だけど。
冒険者か……。チートも貰えなかった俺が、果たして生活できるだけ稼ぐ事ができるのだろうか。
正直不安だが、行くと決めたんだ。やるしかない。
「なるほどわかりました。――正直どこまでやれるかわかりませんが、この延長していただいた人生、精一杯頑張ってみます!」
「はい! 私も陰ながら応援しておりますね。――それで……慶太さんには1つお願いがあるのですが……」
「お願いですか? なんでしょう?」
なんだろう。これから何も知らない世界へ旅立つ俺に、できる事なんてあるのかな?
「実は……次の世界でもとある少女を一人、助けてあげて欲しいのです」
「少女……ですか」
「はい。どの子がそうかは、これから差し上げる 【虫の知らせ】 のギフトで分かるようにしておきますので、お願い……聞いて頂けませんか?」
「もちろん良いですよ。徳を積むための延長人生ですしね」
「さっすが慶太さん! お礼にこれを授けましょう!」
女神様がそう言うやいなや、手に何かを持っている事に気が付く。
……なんだこれ。どうやらさつまいもの蔓っぽいんだが。
「それは慶太さんが大好きな人参芋の切り苗ですよ!――冒険者ギルドで冒険者の登録をした時にでも、家庭菜園できる宿があるか聞いてみるとよいでしょう」
「えっ、これ人参芋!? やった、ありがとうございます!」
まさかもう一度人参芋が食べれられるなんて嬉しすぎる。
俺、人参芋大好きなんだよねえ。焼き芋にしたら本当に甘くて美味しくて最高なんですよ。
沢山育てる事ができたら、干し芋でも作っちゃおっかなー。
これから向かう異世界について、女神さまからひとしきり説明を受けたわけだが……、ふと、気が付いてしまった事があった。
「あの女神様……、もしかして女神様の本当の目的ってその少女を助ける事だったりしません?」
女神様はぎくりとした後、ちょっとばつの悪そうな顔をされると、 「実は……」 と白状された。
「……仰る通りです。正直に申し上げますと、その少女を助けてあげる事ができる存在を探しておりました。慶太さんにはできたらその子に手を差し伸べ、家族のように共に歩んで頂きたいと思っていたのですが、――もしかして気が変わってしまいました?」
「いえいえっ、そんな事ありません大丈夫です。――ただ……、なんとなく不思議に思ったんです。ほんのちょっとの間でも何千何万と命が生き死にしているはずなのに、なぜ女神様は俺を見出し、これだけ時間を割いてくれたのかな……と。むしろ自分を選んで頂きありがとうございます。――天命、しかと承りました!」
久々にする敬礼をして、俺の決意をはっきりと伝える。
女神様、本当に俺を選んでくれてありがとうございます。
すると、女神様は花が綻ぶように笑顔となり、とても喜んでくれた。
「はい、よろしくお願いしますね! 助けて欲しい少女は、時が来れば自ずと巡り合うようになっております。慶太さんとの縁に歪みが生じるといけませんので、今は少女について詳しくお伝えする事はできませんが、必ず巡り合います。それまで慶太さんは冒険者となり、しっかりと生きる術を身につけておいてください」
「分かりました」
「それではそろそろ慶太さんをアーセリウスへ送りたいと思います。座標はその少女がいる都近くの転移の門。――それでは慶太さんお元気で。 『情けは人の為ならず』 ですよっ! きっとあなたに良い事があります!」
「はい! 女神さまもお元気で! ――頑張ってきます!」
にこやかに手を振る女神様に見送られ、俺の姿は次第に掻き消えていく。
そして俺は、アーセリウスに旅立った。
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