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二章 人間での生活
第五話 初の冒険者活動をした件
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「ヒロキさーん。ヒロキさんはいますか」
そんな軽快な声がする。そして俺が呼ばれた方を振り向くとそこには受付譲さんが立っていた。どうやら俺を探して訓練場まで来てくれたようだ。
俺は受付譲さんのところまで行く。
「あの,冒険者証ができました。これをどうぞ」
そう言って弘樹が渡されたのは一枚のカードだった。その大きさは日本で言うナ〇コやクレジットカードの倍くらいの大きさで,材質はおそらく銅等の金属。そして表の真ん中に大きくEランクと書いてあった。
これが冒険者証か。まさにまんまだな。それに最初はEランクからというのもまたいい。これは俺が冒険者無双する日も近いな。
そして俺は受付譲さんに話しかけられる。
「えっと,カウンターまで来てもらっていいかな。冒険者について軽く説明しておきたいんだけど」
なるほど。それは大事だな。きっとランクのあげかたとかルールとかを教えてもらえるんだろう。そして俺は了解の返事をすると受付譲さんについていく。
そう言えばこの人のこと俺受付譲さんて読んでたけど,本当の名前は何だろう。そう思った俺は聞いてみることにした。
「そっか。言ってなかったもんね。私はカウラ。これからよろしくね」
「カウラさんですね。分かりました。よろしくお願いします」
思いのほか親しくなれてよかった。最初はギルドって怖い場所かと思ったけどカウラさんもいて,いい場所だなぁ。
(マスターが他の女になれなれしくしてる。これは私のピンチでは?)
ん? どうしたんだシー。何か言ったか。
(いえ,何も言ってません)
どこまでも鈍感で難聴な弘樹である。
「さて,カウンターまで来ましたね。それでは冒険者について説明させてもらいます」
キタ。冒険者の説明だ。これはラノベによってかなり内容がちがったから真剣に効かないとだな。
「では行きますね。まず,冒険者のやることですが,これは簡単です。ギルドから出された依頼をこなす。それだけです。具体的には,そこに貼ってあるギルドの依頼書を受付にいる人に出し,それが終わったら報告してください。報告する際には,依頼書に書かれている内容の証明するものが必要ですよ。次にランクですが,低ランクのうちは依頼をこなしていけば上がります。それ以外の細かい内容については実践してみて下さい」
あれ,それだけか? もっと詳しくはないのか。いや,きっと今のはただの目次みたいなもののはずだ。
「えっと,それで⋯⋯」
「はい。以上です」
そういうとカウラさんはギルドの奥に行ってしまった。
まじかよ。なるほど。この世界のギルドはあたって砕けろタイプなのか。まあ,悪くないな。それに要は依頼書に書いてある依頼をこなしていけばいいんだな。簡単じゃないか。
(マスター,新しい依頼をこなしてみますか。きっとすぐに終わると思いますが)
それよりも今日の宿屋の手配が優先的かな。それに今日は色々あって疲れた。
(そうですね。よくわからない幹部の方と戦ったり町に侵入したりと大変でした)
だね。じゃあ,今日は豪華なものを食べようか。今日は記念日だしね。ああ,何食べようかな。何気にこの世界に来てから初の食事じゃないか。これは奮発しよう。
だが,このとき俺は重要なことを見逃していた。
(あ,そうだマスター。その食事ってただで食べられるんですか)
え? どうしてそんなことを。
(だって今,一文無しじゃないですか)
あ。
(え? ただでごはんんを得られるなんて人間ってなんて素敵なんでしょう)
いや,その。うん。
(今日は何を食べるんですか。私,味覚共有というものを手に入れましてね,実はすごく楽しみなんですよ)
あ,ちょ。
(? どうしたんですか,マスター)
ごめんなさいー。実はお金がないと食事できないんです。
(へ?)
この後説明するのにかなりの時間がかかったという。
(で,どうします)
ちょっと機嫌が悪いシーを置いて俺は考える。
んー。今から依頼をこなすのもなぁ。
ふと見上げるともう日が沈みそうだった。
(野宿,ですか)
そうだね。野宿になりそうだ。やっぱり俺たちには人間社会デビューはなかなか難しいな。
◇
次の日。
「この依頼を受けてもいいですか」
そんな声がギルドに響き,あちこちから笑い声が聞こえてくる。
「んーとね,ヒロキ。その依頼はBランクの冒険者じゃないと受けられないんだ。ごめんね」
「じゃあ,この依頼はどうですか」
「ごめんね。それはCランクじゃないと受けられないんだ」
「じゃあ,何が受けられますか」
「えっと,今空いているのだと,ゴミ拾いかな」
ヒロキ,久しぶりのごみ拾い決定である。
まさかEランク冒険者のできる依頼がゴミ拾いしかないなんてな。
昨晩,結局弘樹はこの街を出た後,近く森に行き野宿をしていた。ただ,慣れない人形態での野宿によりかなりのストレスを感じていた。それに加え,朝のギルドでのあれである。
まあ,仕方ないか。でも最初からゴミ拾いってかなり厳しいよな。やっぱりラノベみたいにはうまく行かないか。でもこれもしょうがない。社会勉強だと思って頑張るか。
そういって俺は渡されたトングとゴミ袋を握りしめる。
えっと,今回の依頼の目標は,町の汚れを綺麗にして,町にいる五人の冒険者からサインをもらうか,ゴミを十五キロ持って帰ってくる,だったな。地味になかなかつらいじゃねえか。だけど,この場合,達成しやすいのは十五キロの方かな。よし,頑張ろう。
そう思うと俺は軽快に歩き出す。そしてある名案を思い付く。
なあ,シー。ここら一体の地形情報って感知できるか。
(はい,できますよ)
そしたらこの街の空間全部を鑑定してもらってもいいか。
(はい。しましたよ。ですがこれではごみを感知することなどできませんよ)
いや,できる。次にその二つの情報を併せてくれ。そしてこれに俺の熱感知を加えれば。
(そんなスキルどこで覚えたんですか)
結構前だが。いつだったかな。そうそう,でっかいスライムと戦った時だよ。俺も周りを感知できたらいいなと思って。
(そうですか。それはすごいことですね)
で,その情報に俺の熱感知を使えば,この街の無機物の情報が分かる。つまりこれでごみ拾いははかどるのだ。
高性能の無駄遣いである。だが,これには大きな穴があった。
(あの,弘樹。喜んでいるところ大変申し訳ないのですが,それ,無機物の建物にも反応しますよ)
(あ,あ,そっかー)
もう一度いう。なんとも性能の無駄遣いである。
いやぁ,ゴミ拾いってなかなかきついんだな。今はもう三時間くらいしているけど,まだまだ終わりが見えないよ。それにこの街ゴミ少なすぎないか。まったく,なんでこんなにゴミがないんだよ。
それにこんなことしていると,日本の駅とかでごみ拾いしているおじさん方には感謝だな。次あったら缶コーヒーの一つや二つあげてみよう。
あー。それにしてもさっきの能力どこかで有効活用できないかな。例えば誰かを探したり。
(んー。そうですね。例えばですよ,もしこの街の地下に大規模な爆弾があったり,テロを起こそうとしている集団のアジトがあったりしたらさっきの能力を使えば察知できますね)
確かに。それかっこいいね。都合よく起きてないかな。
そう思い,俺は視線を下に向ける。するとそこには
「あ,あった」
(はい?)
そう,下には恐ろしいまでの人の数と日常ではありえないような熱があったのだ。
そんな軽快な声がする。そして俺が呼ばれた方を振り向くとそこには受付譲さんが立っていた。どうやら俺を探して訓練場まで来てくれたようだ。
俺は受付譲さんのところまで行く。
「あの,冒険者証ができました。これをどうぞ」
そう言って弘樹が渡されたのは一枚のカードだった。その大きさは日本で言うナ〇コやクレジットカードの倍くらいの大きさで,材質はおそらく銅等の金属。そして表の真ん中に大きくEランクと書いてあった。
これが冒険者証か。まさにまんまだな。それに最初はEランクからというのもまたいい。これは俺が冒険者無双する日も近いな。
そして俺は受付譲さんに話しかけられる。
「えっと,カウンターまで来てもらっていいかな。冒険者について軽く説明しておきたいんだけど」
なるほど。それは大事だな。きっとランクのあげかたとかルールとかを教えてもらえるんだろう。そして俺は了解の返事をすると受付譲さんについていく。
そう言えばこの人のこと俺受付譲さんて読んでたけど,本当の名前は何だろう。そう思った俺は聞いてみることにした。
「そっか。言ってなかったもんね。私はカウラ。これからよろしくね」
「カウラさんですね。分かりました。よろしくお願いします」
思いのほか親しくなれてよかった。最初はギルドって怖い場所かと思ったけどカウラさんもいて,いい場所だなぁ。
(マスターが他の女になれなれしくしてる。これは私のピンチでは?)
ん? どうしたんだシー。何か言ったか。
(いえ,何も言ってません)
どこまでも鈍感で難聴な弘樹である。
「さて,カウンターまで来ましたね。それでは冒険者について説明させてもらいます」
キタ。冒険者の説明だ。これはラノベによってかなり内容がちがったから真剣に効かないとだな。
「では行きますね。まず,冒険者のやることですが,これは簡単です。ギルドから出された依頼をこなす。それだけです。具体的には,そこに貼ってあるギルドの依頼書を受付にいる人に出し,それが終わったら報告してください。報告する際には,依頼書に書かれている内容の証明するものが必要ですよ。次にランクですが,低ランクのうちは依頼をこなしていけば上がります。それ以外の細かい内容については実践してみて下さい」
あれ,それだけか? もっと詳しくはないのか。いや,きっと今のはただの目次みたいなもののはずだ。
「えっと,それで⋯⋯」
「はい。以上です」
そういうとカウラさんはギルドの奥に行ってしまった。
まじかよ。なるほど。この世界のギルドはあたって砕けろタイプなのか。まあ,悪くないな。それに要は依頼書に書いてある依頼をこなしていけばいいんだな。簡単じゃないか。
(マスター,新しい依頼をこなしてみますか。きっとすぐに終わると思いますが)
それよりも今日の宿屋の手配が優先的かな。それに今日は色々あって疲れた。
(そうですね。よくわからない幹部の方と戦ったり町に侵入したりと大変でした)
だね。じゃあ,今日は豪華なものを食べようか。今日は記念日だしね。ああ,何食べようかな。何気にこの世界に来てから初の食事じゃないか。これは奮発しよう。
だが,このとき俺は重要なことを見逃していた。
(あ,そうだマスター。その食事ってただで食べられるんですか)
え? どうしてそんなことを。
(だって今,一文無しじゃないですか)
あ。
(え? ただでごはんんを得られるなんて人間ってなんて素敵なんでしょう)
いや,その。うん。
(今日は何を食べるんですか。私,味覚共有というものを手に入れましてね,実はすごく楽しみなんですよ)
あ,ちょ。
(? どうしたんですか,マスター)
ごめんなさいー。実はお金がないと食事できないんです。
(へ?)
この後説明するのにかなりの時間がかかったという。
(で,どうします)
ちょっと機嫌が悪いシーを置いて俺は考える。
んー。今から依頼をこなすのもなぁ。
ふと見上げるともう日が沈みそうだった。
(野宿,ですか)
そうだね。野宿になりそうだ。やっぱり俺たちには人間社会デビューはなかなか難しいな。
◇
次の日。
「この依頼を受けてもいいですか」
そんな声がギルドに響き,あちこちから笑い声が聞こえてくる。
「んーとね,ヒロキ。その依頼はBランクの冒険者じゃないと受けられないんだ。ごめんね」
「じゃあ,この依頼はどうですか」
「ごめんね。それはCランクじゃないと受けられないんだ」
「じゃあ,何が受けられますか」
「えっと,今空いているのだと,ゴミ拾いかな」
ヒロキ,久しぶりのごみ拾い決定である。
まさかEランク冒険者のできる依頼がゴミ拾いしかないなんてな。
昨晩,結局弘樹はこの街を出た後,近く森に行き野宿をしていた。ただ,慣れない人形態での野宿によりかなりのストレスを感じていた。それに加え,朝のギルドでのあれである。
まあ,仕方ないか。でも最初からゴミ拾いってかなり厳しいよな。やっぱりラノベみたいにはうまく行かないか。でもこれもしょうがない。社会勉強だと思って頑張るか。
そういって俺は渡されたトングとゴミ袋を握りしめる。
えっと,今回の依頼の目標は,町の汚れを綺麗にして,町にいる五人の冒険者からサインをもらうか,ゴミを十五キロ持って帰ってくる,だったな。地味になかなかつらいじゃねえか。だけど,この場合,達成しやすいのは十五キロの方かな。よし,頑張ろう。
そう思うと俺は軽快に歩き出す。そしてある名案を思い付く。
なあ,シー。ここら一体の地形情報って感知できるか。
(はい,できますよ)
そしたらこの街の空間全部を鑑定してもらってもいいか。
(はい。しましたよ。ですがこれではごみを感知することなどできませんよ)
いや,できる。次にその二つの情報を併せてくれ。そしてこれに俺の熱感知を加えれば。
(そんなスキルどこで覚えたんですか)
結構前だが。いつだったかな。そうそう,でっかいスライムと戦った時だよ。俺も周りを感知できたらいいなと思って。
(そうですか。それはすごいことですね)
で,その情報に俺の熱感知を使えば,この街の無機物の情報が分かる。つまりこれでごみ拾いははかどるのだ。
高性能の無駄遣いである。だが,これには大きな穴があった。
(あの,弘樹。喜んでいるところ大変申し訳ないのですが,それ,無機物の建物にも反応しますよ)
(あ,あ,そっかー)
もう一度いう。なんとも性能の無駄遣いである。
いやぁ,ゴミ拾いってなかなかきついんだな。今はもう三時間くらいしているけど,まだまだ終わりが見えないよ。それにこの街ゴミ少なすぎないか。まったく,なんでこんなにゴミがないんだよ。
それにこんなことしていると,日本の駅とかでごみ拾いしているおじさん方には感謝だな。次あったら缶コーヒーの一つや二つあげてみよう。
あー。それにしてもさっきの能力どこかで有効活用できないかな。例えば誰かを探したり。
(んー。そうですね。例えばですよ,もしこの街の地下に大規模な爆弾があったり,テロを起こそうとしている集団のアジトがあったりしたらさっきの能力を使えば察知できますね)
確かに。それかっこいいね。都合よく起きてないかな。
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