のんびりダンジョン経営してたら億万長者になりました。

こたつぬこ

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025.せっかちじゃないはず。

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 薬を買って雑貨屋、月のねこじゃらしを出ようとしたときの事だった。

「あ、ちょっと待った、ムサシ君」

 と、ルーゼルさんに呼び止められる。
 なんだろうと思ってるとルーゼルさんはカミーフィルさん、ルナフィ、僕と目線を向け小さく首を振った。

「ごめんごめん、引き留めて。特に用事はないんだ。できたら、またうちに来て欲しいなと思って」

「はい、勿論いいですよ。僕、あまり知らないとこに行くの得意じゃないんで」

「そうか、ほらっ、ご挨拶」

 ルーゼルさんはルナフィの背中を軽く押してそう言った。

「う、うん。じゃあ、ムサシ君。また必ず来てね~、ありがとうございました~」

「また来ます」

 手を振ってくる三人に手を振り返して、僕は雑貨屋を後にした。
 カランカランと音を奏でる鳴子も何だか心地よくて、良いひと時を過ごせたかなと感じる。

(ちょっと視線は気になったような気がしたけどね)

 ただそれも悪意とかそういった類ではないような。単純に僕という人物を見定めている。そんな雰囲気。

「そういえば、ピュイ後半は喋らなかったね」

「ピュイが喋れるのは珍しいのです! あまり公にしないほうがいいと思って寝たふりをしていたのです!」

 それを聞いて意外と考えてるんだなぁと思いつつ、

「ええと、これからどうするのがいい? 冒険者ギルドに行くべき?」

「ご主人様は意外とせっかちなのです! のんびりしていても、ダンジョンはお金が入って成長させられるのです!」

(ぼ、僕がせっかち……?)

 今まで生きてきてそんなことを言われたことはない。そうだと思ったこともない。
 むしろ引っ込み思案で奥手で、のんびりしていると思っていた。

 別にその性格が変わったとも思えない。
 ただ、ダンジョンをもっともっと成長させたいとは感じている。

(僕は焦っているんだろうか)

 いや、そうじゃない。
 小説の話で言うならば異世界はどんな危険が待ち構えているか分からない、日本とはまるで違う危険な世界。

 弱い状態で危機的状況に陥れば、周りの人はともかくとして、自分自身すら守れない。
 ピュイは僕の護衛で強いと言っていた。だからと言ってそれに頼り切りでは駄目だろう。

 それでも、そんな世界でも日本にいた時よりよっぽど生きてる心地がある。
 心が弾む感覚がある。

(ワクワクしている自分がいる)

 決して焦りではない。ただただ、僕は前に進みたいだけだ。
 勿論、無鉄砲に生きたいわけじゃない。むしろ、慎重に進めたい。折角貰ったこの状況、生かせるだけ生かすべきなのだから。

(一度、ダンジョンを成長させるか)

 そう考えダンジョンへと戻ることにした。

『名無しのダンジョン』
『マスター』         「相川武蔵」
『レベル』          「5」
『ランク』          「G」
『部屋数』          「4」
『評価値』          「72」
『保有ダンジョンポイント』  「1」
『入場者数』         「36」
『入ダンジョン料』      「2000」
『入場料蓄積額』       「40000」
『使用者の意見』
「入場料がいきなり上がった!」「でも、これで妥当じゃないかしら?」「まだ安いだろうよ」「グランボア倒せないと損するんだぜ」
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