幽々として誘う

舞台譲

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第五夜 潜入

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 ポケットから鍵を取り出し、蓮司は玄関の扉を開いた。

 金属を擦り合わせたような音の後、見慣れた靴の置かれた玄関が現れる。

 一応外から確かめてはいたが、いつも家族が使っている外出用の靴がないことに安心する。

 念のため、人の気配がないことを確認したあと、自分たちの靴を靴箱の下に寄せて、蓮司は紫堂誘と六倉綾人を家に入れた。

 家出をしてから約半日。まさか一日も経たずに、自宅に帰ってくるとは思わなかった。

 しかもほぼ初対面の相手、自身を呪術師と自称する怪しい連中を連れてだ。

 どうしてこんなことにと思いながら、蓮司は靴を脱ぎ、家に上がった。その時、視界の端に、家族全員が家のソファでくつろいでいる写真が見えた。その中には彩の姿もある。本来は存在しない筈の写真だ。そのことに多少の不安感を抱きながら、蓮司はリビングへ歩いた。

 リビングに来ると、綾人は「とうっ!」と叫び、真っ先にソファへダイブした。初めて来る他人の家に、その行動はどうかと注意しようとしたが、それより先に誘が彼をソファから引きずり降ろし蓮司に謝罪した。そのあと、彼女はリビングを眺めて感心したように言った。

「へぇ。ここが蓮司君の家ですか、外からだと小さく見えましたけど、中は意外と広いですね」

 リビングの端には液晶テレビがあり、その前には、唐草模様の赤いカーペットとその上に載せられたソファがある。台所はリビングと地続きになっており、家族で囲む食卓は、その途中にゆったりと腰を据えていた。

 蓮司の自宅は西新宿の住宅街にある。都庁から新宿中央公園を挟んだこの区域は、新宿という賑やかなイメージとは裏腹に閑静な住宅街として都市のなかに佇んでいた。公園が近いこともあり、小さな子供のいる家にとっては、割合良い立地だろう。

 リビングのなかを自由に歩き回り、台所にまで来た綾人に、蓮司は言った。

「どうだ。なにかわかりそうか。六倉、呪術師なんだろ?」

 呪術師、というものが具体的にどんな能力を持つか、蓮司はまだ知らない。ここに来るまでに誘に説明を受けたが、細かく分ければ陰陽師だのイタコだの風水師だの色々あるらしい。それら東洋の奇跡を扱う者たちを総称して、呪術師と呼ぶそうだ。

 綾人は一般の学校ではなく、大教院という呪術師専門の学び舎で呪術を学んでいるとのことだ。立場としてはまだ学生だが、本人は「もう大人顔負け。ぼくって天才だからね」などと宣っていた。眉唾なことこの上ない。灯籠堂でアルバイトをしているのも、学校の授業だけでは物足りなくなり、実践で力をつけたくなったという理由があるらしい。

 綾人は服の胸元をぱたぱたと扇ぎながら冷蔵庫に手をかけ、許可もしてないのに開いた。

「まだ入って数分だよ。そんなすぐにわからないって。ま、変な霊気を感じるのは確かだけど。あ、お茶飲んでいいかな。暑いから喉乾いちゃって」

「別に良いけど。頼むんなら冷蔵庫を開ける前にしろよ」

 綾人は「おっと失礼」と言うと、台所の水切りからコップをひとつ取り、冷蔵庫の麦茶をコップに注いだ。それをごくごくと飲み干したあと、気持ち良さそうな声を出す。

「さ、お茶も飲んだし、調査始めよっか。蓮司君、墨使うけど、驚かないでね」

「は? 墨って……」

 質問より先に、リビングの中心に来た綾人は、その場にしゃがみ、両手を床についた。

 その瞬間、綾人の手を通じて、半径一メートルほどの範囲に墨の文様が広がった。墨の文様は形を変え、数秒足らずでイモリや蛇の絵となった。よく見ると、綾人の両腕には地面に広が
ったのと似たような墨の文様が浮かび上がり、その文様を通して墨絵を描いているようだった。

 精巧な墨絵は立体化して三次元の形を得ると、自由にリビングを動き回り始めた。

 綾人が行った一連の呪術に、蓮司は思わず変な声を上げてしまった。今に至るまで呪術師と
いう存在を訝しんでいたが、さすがに目の前でその力を使われると信じざるを得なかった。

「だから驚かないでって言ったのに」

「いやこんなの驚くに決まってんだろ。ってか、大丈夫なのか。この墨絵。跡とかつかない?」

 部屋を汚したくないというのもあるが、家族に申告してないとはいえ、一応、家出中の身だ。出来れば証拠は残したくない。

「問題ないよ。イモリとかが動いた場所、全然汚れてないでしょ。ほら、ここは墨絵たちに任せて、他の部屋に行こうよ」

 綾人に促され、蓮司は家のなかの案内を続けた。両親の寝室からトイレや浴室に至るまで、隅々部屋を案内した。しかし、誘や綾人の反応は期待していたよりも薄いものだった。トイレや浴室はわかるのだが、彩が生活する両親の寝室でまで二人の反応がないことには、少なくない落胆を抱くことになった。一階の調査が終わり、蓮司と啓の自室のある二階にまで上がると、蓮司はその思いを吐露した。

「思ってたより上手く行かないな。呪術ならもっと手早く調べられるかと思ったけど」

「一応、この家に発生してる霊気は感知してるんです。ただ、それが他の怪異の例に比べたら微弱すぎて、なんとも判断がし辛いんですよね」

「都会だと怪異か霊気の乱れかを判断するのって、大変な場合もあるんだよね。田舎は人が少ないからわりと発見は楽なんだけど、都会は異常が生まれやすい環境だから、怪異の発生件数も自然と多くなって見逃しがちになっちゃうんだ」

「聞いてて心配になるな。大丈夫なのか、東京の治安」

「そこはご安心を。ほとんどは害のないものですし、あったとしてもたいていは不安症になるくらいのもの。わかりやすい実害のあるものは、力が強いのですぐに発見されて修祓されちゃいます。この家の怪異が蓮司君の話通りのものなら、わりと早く原因はわかると思いますよ。実体を持つほどの怪異なら相当の力がありますからね」

 誘の言葉に期待しつつ、蓮司は自分の部屋を通り過ぎて啓の部屋へと入った。

 勉強机にベッドに、漫画やCDを入れる本棚に使わなくなった物を入れる押し入れ。何処の家でも見られる大学生の一室だ。少し違うのは、恐らく、他の学生よりも表彰状やトロフィーの数が多いことと、本棚に詰められたアルバムジャケットの多様さくらいのものだろう。

 部屋に入ると、綾人は感嘆の声を上げた。

「へぇ、これ全部蓮司君が獲ったの。もしかして蓮司君、見かけに寄らずわりと優秀?」

「見かけにって、お前俺をどういう風に見てんだよ。あとこれ、俺のじゃなくて兄貴のだよ。ここは兄貴の部屋だからな」

 いつ来ても、兄の部屋の功績の数々は悔しく思う。この部屋と比べると、トロフィーや賞状
がほとんどない自分の部屋は、酷くくすんで見えてしまう。啓は自分のような特異な眼があるわけでもないのに、自分よりもずっと上の成果を叩き出して、先を歩み続けているのだ。

 綾人は本棚に置かれたトロフィーの列を見ながら「ふぅん」と返事をした。

「ってことはさっき素通りしたのが君の部屋か。……なんで素通り?」

「きっとわかりやすい所にエロ本とか置いてあるからですよ。あとで調べてあげましょう」

「やめろよ。絶対にやめろよ」

 誘は「それは探せと言うことですねー」と笑いながら洋楽のジャケットがある棚へと歩いた。

「今風のものから洋楽にクラシックまで、色々ありますね。あ、ビートルズのジャケットもある。ホワイトアルバム、一条さんも好きなんですよねー」

「兄貴が特に気に入ってた奴だな。大学入ってから、何故か音楽に嵌り出したんだよ。それより調査の方はどうなんだ。この部屋、なんか変わってるか」

「うーん。残念ながら、下と特に変わらないんですよね。場所じゃなくて人に手を加えられてるのか、それとも巧妙に隠しているのか。後者なら少し面倒ですね。どちらにしても、一度蓮司君の家の人たちに会ってみないと判断しかねます」

「なら折りを見て会うしかないか。俺は家出中だし、一回外出た方が良いよな」

「いや、普通にここにいたらどうですか。まだ一日しか経ってないんですし」

「あ、それなら丁度良いんじゃないかな。蓮司君のお兄さん、今階段上がって来てるし」

 言われたことの意味がわからず、真顔で綾人を凝視してしまう。誘も予想外だったのか、驚いた顔で綾人を見た。綾人は自分が注目された理由がわからないのか、蓮司と誘を交互に見た。

「なんでもっと早く言わなんだよ! 家出中なんだぞ、俺!」

「え、だって、どうせ一日でしょ。蓮司君が怒られるだけだし、まぁ良いかなって」

「良くねえよ! 兄貴の財布から金くすねたから、今は確実に面倒なことになるんだよ!」

「うわぁ渋ってたのはそれでですか。理由としては下の下ですねぇ」

「し、仕方ないだろ。金なかったんだし、それにほら、取った金は軍資金として兄貴の命のために使うんだから。ってこんなことしてる場合じゃねえ。隠れるぞ」

 隠れられる場所はないか探した結果、押し入れに入ることになった。暗くて狭い密室のなかに三人も入ったせいで、まともな体勢になれずぎゅうぎゅう詰めの状態になった。全員が隠れ切ると、綾人がすぐさまポケットから札を出し、押し入れの戸に張り付けた。

「よし。これで防音完了。もう普通に喋って問題ないよ。余程派手に音を立てない限りはお兄さんも気づかないから」

「くそ。なんで自分の家で隠れなきゃならないんだよ」

「蓮司君がお金くすねたせいですよ。というか、なんか臭くないですか、この押し入れ」

「あー多分、兄貴が昔使ってた剣道具だ。やらなくなる前に干したりはしてたけど、面とか小
手って中々臭い落ちないんだよな。剣道場とかも汗が染み込んでてやたら臭うし」

「うげ。つまりこれはお兄さんの汗やその他諸々が混ざった臭いと。乙女的にあまり宜しくない環境ですね。その口ぶりだと、もしかして蓮司君も昔は剣道やってた口ですか」

「もうやめちまったけどな」

 剣道を止めたのは去年の冬の頃だった。幼い頃から続けてきたが、大学に入り兄が剣道を止
めてしまったせいか、蓮司も目標を見失い、やる気を失くしてしまったのだ。幽霊部員なのでまだ完全に止めたとは言いがたいが、それでもほとんど止めたようなものだろう。

「うちの爺さんが古風な考えの人でさ、男なら武道の一つや二つ嗜んでおけって俺と兄貴に剣道やらせたんだ。爺さん自身も剣道やってたから、俺も兄貴も昔はよくしごかれたな」

 恐らく、その頃からだろう。兄に対して対抗心を抱くようになったのは。自分と違い、兄はよく祖父に褒められていた。それが羨ましくて、何かと啓に張り合っていたように思う。

「そんな剣道少年も、今ではお金をくすねるクソガキに。お爺さん報われませんね。よよよ」

「やかましい」

「というか玄関に靴置きっぱなしだったよね。もしかしてバレてるんじゃないの?」

 蓮司は慌てて襖の隙間から部屋を覗いた。兄の啓は本棚に置いたオーディオから洋楽を流すと、ベッドに寝転び漫画を読み始めた。自分たちが家にいると気づいた気配は微塵もない。

「よし馬鹿だ。バレてない。念のため靴箱の下に隠しといて良かったぜ」

「あれはこういう時のためだったんですか。さすが。姑息ですね」

「なんかお前、俺への当たり強くなってないか」

「気のせいです。それより綾人君、どうやって此所を出ましょう。さすがに一日中は嫌ですよ」

「んーそうだなぁ。じゃあ取り敢えず、二人とも服脱いでくれるかな」

 容赦ない蹴りが誘から飛んだ。哀れ、綾人は顔面を蹴られた上に後頭部を壁に打ち付けた。

 あまりに音が大きいので、蓮司は襖から啓がこちらに気づいてないか確認してしまった。

「アホなんですか? 蹴られたいんですか?」

「ぼぅ蹴っでる……」可哀想なことに綾人は鼻から血を垂れ流していた。

「ってかなんでそんな馬鹿な提案したんだよ」

「み、耳無し芳一の人間版みたいなことやろうかなって。体中に字書くから……」

「それ以外にしてください。まったく只でさえ和泉ちゃんが喜びそうな状況だというのに」

「そ、そうする」綾人はティッシュを鼻に詰めると、ポケットから出したメモ帳に指で墨の絵を描き始めた。「あ、そうだ。誘ちゃん、今の内にお兄さん見ておいたら」

 スカートのポケットをごそごそといじっていた誘が「そうですね」と応えた後、そこから饅頭を出し、蓮司と綾人に手渡した。

「はいどうぞ。丁度三人分ありました。綾人くんにも蹴ったお詫びに」

「や、別に良いけど、なんで押し入れで?」

「臭い消しです。甘い香りで、お兄さんの汗臭さを相殺しようかと。では、失礼しますね」

 そう言うと、誘は蓮司に覆い被さるようにして襖の隙間から部屋を覗こうとした。女の子独特の甘い香りとともに、ほとんど目の前に誘の胸がぶらさがり、蓮司は戸惑った。

「な、なあ。もうちょっとマシな体勢になれないのかよ。ってか、俺の上で饅頭食うな」

 饅頭を呑み込むと、誘は「すいません」と答えて、襖から部屋を覗き込んだ。上から饅頭の
欠片が僅かに落ち、女の子の香りが饅頭の香りに置換された辺りで、なんだかやるせない気持ちになってきた。饅頭を食べ切った誘は、まだ満足していないのか饅頭が入っていた袋から残り香を嗅いでいる。彼女に緊張していた自分が馬鹿らしく感じた。

 他にすることもないので、蓮司も袋を開けて饅頭を食べることにした。口のなかに餡子の柔らかい甘さが広がる。饅頭を食べながら、襖から部屋を覗くと、ベッドに寝転がる啓が体勢を変え、こちらに体を向けているのがわかった。

 啓の腹部には、何かに貫かれたような傷痕と血痕がある。蓮司にしか視れない死の予兆。これまで死相の視えた人間は、あの傷痕通りに死ぬわけではなかったが、二週間以内に必ず死ん
でいる。啓が死ぬまであと一週間、自分は兄を助けることが出来るのだろうか。

 ふと、頭上に視線を向けると、誘がそれまでにない無表情になっていることに気づいた。

「どうした。兄貴に何かあったのか?」

「あ、いえ。特に何も。それより綾人君、準備は出来ましたか」

「うん、ばっちり」

 綾人はメモ帳に描いたイモリの墨絵を見せてきた。その精巧なイモリの墨絵の背には、これまでと違い、なにやら古めかしい文字も描かれていた。綾人はその絵を具現化すると、襖の隙間から啓のもとまで向かわせた。イモリは啓の首もとに張り付くと、解けるようにただの絵に戻った。啓の首もとには、背に文字を書いたイモリの墨絵が宿っていた。

 墨絵の効果か、啓はおもむろに立ち上がったかと思うと、部屋を出てしまった。

「よし、暗示成功。しばらくは外に出たまま帰って来ないよ」
 
 それから蓮司たちは、怪異の調査を続けたあと、成瀬家を後にした。誘が啓に向けていた無表情に疑問を感じたが、彼女はその理由を決して応えようとはしなかった。
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