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序章・始まりの冬休み
第5話 夜明けの魔導士のローブ
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正真正銘、シーモンスターを討伐した。魔力を全部持っていかれたし、体中が痛む。五分五分の闘いだった。
シーモンスターが塵と消えていき、それに続いて池の水も干上がっていった。
ダンジョンのギミックだったのか、それともシーモンスターが魔法で作りだしていたものだったのかはわからない。
というかなんでこのダンジョンにシーモンスターがいたのかもわからない。というか今更だけどシーモンスターなら池に居るなよ。
干上がった池の底には宝箱があった。とりあえず水が干上がった時に消えずに残った氷の塊を宝箱に投げつけてみるが、ミミックではないようだ。
そして、その宝箱に歩いていく際に、シーモンスターの胴体からドロップしていたのであろう。魔石を見つけた。
こいつはでかいな。いい値段になるだろう。
さぁ、お楽しみの宝箱を開ける時間だ。よし、オープン!
中に入っていたのは……ローブ?
いかにも魔法使いといった感じのローブだ。ただしところどころに金色の刺繍が入っていたりとかなり厨二チックだ。
【夜明けの魔導士のローブ】
・階級 伝説級
・魔力の自動回復速度を高め、魔法、スキルで消費する魔力の量を減少させる(アイテムの消費量は軽減されない)。
・日光を浴びると魔力を蓄積していく。蓄積した魔力で、魔法を発動する際の一部魔力を補完できる。
伝説級だと。Cクラス上位程度を倒しただけで入手できていいのかこれ。効果も魔法系のスキルを持っているものからするととても強力だ。
俺が入手できたものだ。ありがたく活用させてもらうことにしよう。俺は、探索者初級装備の上から金の刺繍が施されたローブを羽織る。
見た目だけは初心者じゃなくなったんじゃないか?
今回シーモンスターに勝てたのは完全にまぐれなのでまだまだ中身は初心者だが。
そういえばレベルとステータス、確認しておくか。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
名前:瀬戸 奏多
レベル:16
ステータス:攻撃力 444
守備力 436
魔力 430
知力 424
精神力 421
速度 450
スキル:<鑑定_Lv.3>
<成長補正>
<剣聖>
<ランダムブレス>
<??? (Lv.20) >
<??? (Lv.50) >
<??? (Lv.100) >
<??? (Lv.255) >
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
お、いつの間にか鑑定のレベルも上がってるじゃんか。それにしても俺ランダムブレス主体で戦ってはいるが、ステータスは少し物理系よりなんだな。まぁ誤差の範囲か。
しかし目標を大幅に超えて16まで来ることができたか。これは冬休み中にちゃんと20まで到達できそうだな。
しかしレベル20からのスキル解放かなりしんどくなるなぁ。解放される日を楽しみにコツコツ頑張っていくしかないか。
さて、もうこの部屋に用はないし、時間も少し遅くなってしまった。腕時計で時間を確認しようとしてみるが...。
「あーそりゃそうだよなぁ」
べきべきに壊れていた。探索者用の腕時計ではないし、衝撃が加わったらこうもなるだろう。体感そんなに時間が経っていないと思うが、時間が分からないのはあれだしな。
急いでダンジョンを出て、家に帰るとするか。
その後の帰り道では特に何事もなくダンジョンから出ることができた。
何事もないとはいってもバインドスネークが何度か降ってきたんだけどな。
割とビビる。
しかし鑑定にも載っていなかったシーモンスターがこのダンジョンに出てきたのは一体どういうことなんだろうか。
あ、そういえばあの部屋も鑑定できたんじゃないだろうか。鑑定しておくべきだったな。
失敗した。
◆◆◆
「……誰かが攻略した後みたい」
黄金の何かを纏う少女が干上がった池のある空間で呟く。
『儂ら以外にこの地域でBクラスはいたかの?』
黄金を纏う少女の隣にたたずむ銀髪の少女は問う。
「Aクラスの吉野さんと但木さん、それにBクラスの霧島さんたちパーティーは関係ないみたい」
黄金を纏う黒髪の少女は池の周囲の痕跡を見ながら返答する。
『水、氷、雷、風に火。ずいぶんと魔力が入り乱れておる。多数で攻略したのかのう?』
魔力の痕跡について調べる銀髪の少女は驚くべきことに気が付く。
『いや、水以外は魔力波長が同一人物のものじゃな。そしておそらく水の魔力波長はここのボスのものじゃ』
黒髪の少女も同じ結論に到達する。
「足跡とかを見ても、ここに居たのは1人みたい。青森支部になんて報告したらいいんだろう」
『そのままの報告をすればよいのではないか? まぎれもなくある事実じゃろうて』
「討伐依頼受けてここに来てるのになんか倒されてましたじゃ仕事してないと思われるじゃない……」
かの黒髪の少女はランダムボスの発生を察知した協会から討伐依頼を受けてここに来ていた。
『構わんじゃろ。初級の探索者に及ぼされる危険がなくなったことに変わりはないのじゃから』
「それもそうだね。じゃあ帰る」
『了解じゃ。お、そうそう、帰る前にコンビ二に寄りたいのじゃが……』
「はいはいポテチでしょ。仕方ないんだから」
そういってはしゃぎながら少女たちはその場から立ち去った。
シーモンスターが塵と消えていき、それに続いて池の水も干上がっていった。
ダンジョンのギミックだったのか、それともシーモンスターが魔法で作りだしていたものだったのかはわからない。
というかなんでこのダンジョンにシーモンスターがいたのかもわからない。というか今更だけどシーモンスターなら池に居るなよ。
干上がった池の底には宝箱があった。とりあえず水が干上がった時に消えずに残った氷の塊を宝箱に投げつけてみるが、ミミックではないようだ。
そして、その宝箱に歩いていく際に、シーモンスターの胴体からドロップしていたのであろう。魔石を見つけた。
こいつはでかいな。いい値段になるだろう。
さぁ、お楽しみの宝箱を開ける時間だ。よし、オープン!
中に入っていたのは……ローブ?
いかにも魔法使いといった感じのローブだ。ただしところどころに金色の刺繍が入っていたりとかなり厨二チックだ。
【夜明けの魔導士のローブ】
・階級 伝説級
・魔力の自動回復速度を高め、魔法、スキルで消費する魔力の量を減少させる(アイテムの消費量は軽減されない)。
・日光を浴びると魔力を蓄積していく。蓄積した魔力で、魔法を発動する際の一部魔力を補完できる。
伝説級だと。Cクラス上位程度を倒しただけで入手できていいのかこれ。効果も魔法系のスキルを持っているものからするととても強力だ。
俺が入手できたものだ。ありがたく活用させてもらうことにしよう。俺は、探索者初級装備の上から金の刺繍が施されたローブを羽織る。
見た目だけは初心者じゃなくなったんじゃないか?
今回シーモンスターに勝てたのは完全にまぐれなのでまだまだ中身は初心者だが。
そういえばレベルとステータス、確認しておくか。
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名前:瀬戸 奏多
レベル:16
ステータス:攻撃力 444
守備力 436
魔力 430
知力 424
精神力 421
速度 450
スキル:<鑑定_Lv.3>
<成長補正>
<剣聖>
<ランダムブレス>
<??? (Lv.20) >
<??? (Lv.50) >
<??? (Lv.100) >
<??? (Lv.255) >
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
お、いつの間にか鑑定のレベルも上がってるじゃんか。それにしても俺ランダムブレス主体で戦ってはいるが、ステータスは少し物理系よりなんだな。まぁ誤差の範囲か。
しかし目標を大幅に超えて16まで来ることができたか。これは冬休み中にちゃんと20まで到達できそうだな。
しかしレベル20からのスキル解放かなりしんどくなるなぁ。解放される日を楽しみにコツコツ頑張っていくしかないか。
さて、もうこの部屋に用はないし、時間も少し遅くなってしまった。腕時計で時間を確認しようとしてみるが...。
「あーそりゃそうだよなぁ」
べきべきに壊れていた。探索者用の腕時計ではないし、衝撃が加わったらこうもなるだろう。体感そんなに時間が経っていないと思うが、時間が分からないのはあれだしな。
急いでダンジョンを出て、家に帰るとするか。
その後の帰り道では特に何事もなくダンジョンから出ることができた。
何事もないとはいってもバインドスネークが何度か降ってきたんだけどな。
割とビビる。
しかし鑑定にも載っていなかったシーモンスターがこのダンジョンに出てきたのは一体どういうことなんだろうか。
あ、そういえばあの部屋も鑑定できたんじゃないだろうか。鑑定しておくべきだったな。
失敗した。
◆◆◆
「……誰かが攻略した後みたい」
黄金の何かを纏う少女が干上がった池のある空間で呟く。
『儂ら以外にこの地域でBクラスはいたかの?』
黄金を纏う少女の隣にたたずむ銀髪の少女は問う。
「Aクラスの吉野さんと但木さん、それにBクラスの霧島さんたちパーティーは関係ないみたい」
黄金を纏う黒髪の少女は池の周囲の痕跡を見ながら返答する。
『水、氷、雷、風に火。ずいぶんと魔力が入り乱れておる。多数で攻略したのかのう?』
魔力の痕跡について調べる銀髪の少女は驚くべきことに気が付く。
『いや、水以外は魔力波長が同一人物のものじゃな。そしておそらく水の魔力波長はここのボスのものじゃ』
黒髪の少女も同じ結論に到達する。
「足跡とかを見ても、ここに居たのは1人みたい。青森支部になんて報告したらいいんだろう」
『そのままの報告をすればよいのではないか? まぎれもなくある事実じゃろうて』
「討伐依頼受けてここに来てるのになんか倒されてましたじゃ仕事してないと思われるじゃない……」
かの黒髪の少女はランダムボスの発生を察知した協会から討伐依頼を受けてここに来ていた。
『構わんじゃろ。初級の探索者に及ぼされる危険がなくなったことに変わりはないのじゃから』
「それもそうだね。じゃあ帰る」
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