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プロローグ
しおりを挟む────おぉ…そこの人間。…そうだ、そなたのことじゃ。ワシのことが見えるのかぇ?ならば良かった、なかなかワシの波長が、人間の夢の波長と合わなくてのぉ。
──ふむ…これならば、実行出来るやもしれぬな。…なに、こちらの話じゃ。単刀直入に聞くが、そなたは〝雪〟は好きかね?…あぁ──そう渋い顔をしなさんな。
確かにアレは体温を奪い、悪戯にそなた達の足を取るが、あやつらはそうワルイヤツらではない。ワシの孫娘達だからのぉ。
…そんな事を態々言いに来たのか、という顔をしておるな?フォッフォッフォ……そう訝しむな、ワシはこれでも天界業務中でな。
暫しそなたの事を観察させて貰いたい。
なぜ、と?決まっておろう、可愛い孫娘達が毎年冬に巡り逢うであろう〝人間〟の事は、ワシも把握しておくに限る。
────おっと、もう時間じゃ。さて…ワシは戻るとしよう。そなたに告げる事はまだあったのだが…孫娘達の点呼の時間であるからな。ワシの戯言は聞き流して、忘れたまえ?
では、良い眠りをな。────
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