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地獄からの脱出
9日目? 飯ーー
しおりを挟む・・・私たちは91階層に来た。
「肉だ!!!」
目に映るのは大きなイノシシ、どうやら、ヘルボアーと言うモンスターらしい。
ステータス
名前 [なし]
種類 [ボア(ヘルボアー)]
レベル 800
スキル
【突進】
それにしても、美味そうな見た目だ。
私は、初めて食べられそうなモンスターを前にして興奮していた。
「テラちゃん!あれ食べてみよう!」
『わかった!』
モンスターだろうと関係ない、ダンジョンに来てからの主食は血だけ。
地球出身の私にとっては、固形物が食べたくて仕方がなかった。
私は、【覚醒】のスキルを使用して、ヘルボアーの群れに突っ込んだ。
「肉!、肉!、肉ーー!」
今の私の目には、ヘルボアーが肉にしか見えていなかった。
テラちゃんが今の私を見てキョトンとしているのが遠目からでも見える。
そんな事は気にせずに、私はヘルボアーの頭を次々と切り落とす、どうやら私は自分が思ってるよりも強くなってるらしく、ヘルボアー達が次々と逃げていくのを私は追いかけた。
「待てコラー、肉ー!」
・・・10分後には、ヘルボアーの死体の山が出来上がっていた、その横には魔力がなくなって意識を失った私。
・・・『すずちゃん! すずちゃん!』
「うぅぅぅん」
私はテラちゃんの声によって目を覚ます。
「はっ、肉は!」
私は、ヘルボアーの死体のを見た。
「良かった、ある!」
私は早速、ヘルボアー達を捌いていく。
頭を切って内臓を抜き、血抜きをする。
皮を剥ぎ、肉の付け根を取り外し肉を切り分けた。
私は切り分けた肉をマグマの上で焼こうとしても全然焼けなかった
「えっ、この肉焼けないの、、、」
一方、テラちゃんは、切り分けた生肉をむしゃむしゃと、もう3体分も食べている。
私はマグマの中に、肉を突っ込む。
・・・「さ、流石にこれだったら焼けるよね、、」
私は、マグマの中から肉を取り出し、マグマで汚れた肉の周りを切り落として肉食べた。
「うっまーー!!!」
いや、美味しくはない、でも、肉を全く食べてなかった私にとってはとても美味しく感じた。
そうして肉を食べてると、私の声に気が付いたのか、テラちゃんがやってきた。
『すずちゃん!それ、おいしいの?』
テラちゃんが、目を輝かせながら聞いてくる、まるで犬のようだ、狐だけど。
私は、肉を頬張りながら、テラちゃんに焼いた肉を渡した。
テラちゃんはそれを一気に口にくわえた。
『おいしいー! てんさいだよ!すずちゃん!』
私は、そうでしょうとそうでしょうと、自慢げな顔をする。
・・・それはそうと、テラちゃんの食いっぷりが凄い。
私も、空腹でいっぱいの腹に肉を詰め込んでも、ヘルボアーの2割も食べられなかったのに、テラちゃんは1時間で12頭も食べている。
もはや私はテラちゃんのために肉を焼くようになっていた。
結局テラちゃんが、ヘルボアーの肉を食べ終わったのは、食べ始めて2時間後ぐらい、26頭ものヘルボアーを食べ、なぜ、お腹の形を保っているのかも見当がつかなかった。
「寝てるし、、、」
お腹パンパンに肉を食べたテラちゃんは、寝ていた。
お腹を軽く触っても起きない。
・・・私は、テラちゃんが寝ている間に2つの宝箱を開けていた。
[マキュリーの靴]
品質 夢見級
足の速さを上げる、風の力を利用し、風が背中を押し出す。
[アラスの靴]
品質 夢見級
足の力を強くし、一時的に足を硬くすることのできる靴。
「後で、アラスの靴をテラちゃんに渡そう」
私は、自分のステータスを見る。
ステータス
名前 [百合乃 鈴猫]
種族 [吸血鬼(純血)]
レベル 1000
スキル
【猛暑耐性Lv8】 【猛毒耐性Lv4】
【自動再生Lv MAX】 【真眼】 【魔眼】
【吸血】 【眷属化】 【血肉変化】 【硬質化】 【隠蔽】 【覚醒】 NEW【紅月】
ヘルボアー106頭を倒した私はレベル1000になっていた。
テラちゃんはレベル1000になれなかったのに私はなれた、何か違いがあるか思い出してもよくわからない。
それよりも、レベル1000になって覚えたスキル【紅月】の方が私は気になっていた。
【紅月】
固有災害スキルであり、月を紅き月にし、紅き月の光に当たっている間、魔力が無制限になり全てのスキルが強化される。
災害スキル。
明らかにヤバそうなスキルを新たに獲得していた。
ダンジョン内にいるから使えないが、環境に変化を及ぼすスキルと言うだけあって、能力が他のスキルを超越していた。
おそらく、テラちゃんがレベル1000になっていないのも、災害スキルを獲得するための何か条件があるからだろう。
私は、90階層を見る。
上に続く階段の上に見えるのは巨大な扉、おそらく90階層とでも言うからボスでもいるんだろう。
私は、明日のための力を蓄えるために、テラちゃんの隣で眠りについた。
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