おはようダンジョン こんにちは異世界

rei

文字の大きさ
9 / 15
地獄からの脱出

9日目? 飯ーー

しおりを挟む

 ・・・私たちは91階層に来た。

 「肉だ!!!」

 目に映るのは大きなイノシシ、どうやら、ヘルボアーと言うモンスターらしい。

 ステータス
 名前 [なし]
 種類 [ボア(ヘルボアー)]
 レベル 800
 スキル
 【突進とっしん

 それにしても、美味そうな見た目だ。

 私は、初めて食べられそうなモンスターを前にして興奮していた。

 「テラちゃん!あれ食べてみよう!」

 『わかった!』

 モンスターだろうと関係ない、ダンジョンに来てからの主食は血だけ。
 地球出身の私にとっては、固形物が食べたくて仕方がなかった。

 私は、【覚醒】のスキルを使用して、ヘルボアーの群れに突っ込んだ。

 「肉!、肉!、肉ーー!」

 今の私の目には、ヘルボアーが肉にしか見えていなかった。
 テラちゃんが今の私を見てキョトンとしているのが遠目からでも見える。

 そんな事は気にせずに、私はヘルボアーの頭を次々と切り落とす、どうやら私は自分が思ってるよりも強くなってるらしく、ヘルボアー達が次々と逃げていくのを私は追いかけた。

 「待てコラー、肉ー!」

 ・・・10分後には、ヘルボアーの死体の山が出来上がっていた、その横には魔力がなくなって意識を失った私。

 ・・・『すずちゃん! すずちゃん!』

 「うぅぅぅん」
 私はテラちゃんの声によって目を覚ます。

 「はっ、肉は!」

 私は、ヘルボアーの死体のを見た。

 「良かった、ある!」

 私は早速、ヘルボアー達を捌いていく。

 頭を切って内臓を抜き、血抜きをする。
 皮を剥ぎ、肉の付け根を取り外し肉を切り分けた。
 私は切り分けた肉をマグマの上で焼こうとしても全然焼けなかった
 
 「えっ、この肉焼けないの、、、」

 一方、テラちゃんは、切り分けた生肉をむしゃむしゃと、もう3体分も食べている。

 私はマグマの中に、肉を突っ込む。

 ・・・「さ、流石にこれだったら焼けるよね、、」

 私は、マグマの中から肉を取り出し、マグマで汚れた肉の周りを切り落として肉食べた。

 「うっまーー!!!」

 いや、美味しくはない、でも、肉を全く食べてなかった私にとってはとても美味しく感じた。

 そうして肉を食べてると、私の声に気が付いたのか、テラちゃんがやってきた。

 『すずちゃん!それ、おいしいの?』
 
 テラちゃんが、目を輝かせながら聞いてくる、まるで犬のようだ、狐だけど。

 私は、肉を頬張ほおばりながら、テラちゃんに焼いた肉を渡した。

 テラちゃんはそれを一気に口にくわえた。

 『おいしいー! てんさいだよ!すずちゃん!』

 私は、そうでしょうとそうでしょうと、自慢げな顔をする。

 ・・・それはそうと、テラちゃんの食いっぷりが凄い。
 私も、空腹でいっぱいの腹に肉を詰め込んでも、ヘルボアーの2割も食べられなかったのに、テラちゃんは1時間で12頭も食べている。
 もはや私はテラちゃんのために肉を焼くようになっていた。

 結局テラちゃんが、ヘルボアーの肉を食べ終わったのは、食べ始めて2時間後ぐらい、26頭ものヘルボアーを食べ、なぜ、お腹の形を保っているのかも見当がつかなかった。
 
 「寝てるし、、、」

 お腹パンパンに肉を食べたテラちゃんは、寝ていた。
 お腹を軽く触っても起きない。

 ・・・私は、テラちゃんが寝ている間に2つの宝箱を開けていた。

 [マキュリーの靴]
 品質 夢見級
 足の速さを上げる、風の力を利用し、風が背中を押し出す。

 [アラスの靴]
 品質 夢見級
 足の力を強くし、一時的に足を硬くすることのできる靴。

 「後で、アラスの靴をテラちゃんに渡そう」

 私は、自分のステータスを見る。

 ステータス
 名前 [百合乃 鈴猫ゆりの すずね
 種族 [吸血鬼(純血)]
 レベル 1000
 スキル
 【猛暑耐性Lv8】 【猛毒耐性Lv4】 
【自動再生Lv MAX】 【真眼】 【魔眼】 
【吸血】 【眷属化】 【血肉変化】 【硬質化】 【隠蔽】 【覚醒】 NEW【紅月こうげつ

 ヘルボアー106頭を倒した私はレベル1000になっていた。
 テラちゃんはレベル1000になれなかったのに私はなれた、何か違いがあるか思い出してもよくわからない。
 それよりも、レベル1000になって覚えたスキル【紅月】の方が私は気になっていた。

 【紅月】
 固有災害スキルであり、月をあかき月にし、紅き月の光に当たっている間、魔力が無制限になり全てのスキルが強化される。

 災害スキル。
 明らかにヤバそうなスキルを新たに獲得していた。
 ダンジョン内にいるから使えないが、環境に変化を及ぼすスキルと言うだけあって、能力が他のスキルを超越していた。

 おそらく、テラちゃんがレベル1000になっていないのも、災害スキルを獲得するための何か条件があるからだろう。

 私は、90階層を見る。
 上に続く階段の上に見えるのは巨大な扉、おそらく90階層とでも言うからボスでもいるんだろう。

 私は、明日のための力を蓄えるために、テラちゃんの隣で眠りについた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…

アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。 そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

貞操逆転世界に転生してイチャイチャする話

やまいし
ファンタジー
貞操逆転世界に転生した男が自分の欲望のままに生きる話。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

処理中です...