君を映して

えんじぇる

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『あ』

「あ」

いつもと同じ景色。

いつも見ているアスファルト。

少し斜め上を見ると、眩しく照りつける太陽と、ちょっと涼し気な風が揺らめいている。

『れちゃんはよ』

「れちゃん呼ぶな」

『‪‪‪w‪w‪w』

何気ない日常、変哲もない平凡な俺ら。

ただの友達で、強いて言えば幼なじみぎりぎり。

俺とこいつが違うのは、モテるやつかモテないやつかなだけだ。

「あ、あのっ……!!玲生れおくん、ですか?」

「ん?うん、そーだけど」

『(あ、まただ)』

顔を赤らめた女の子に話しかけられても、つんけな態度で対応するれちゃん。

玲生って名前だけど、それは似合いすぎてむかつくので、れちゃんと呼んでいた。

「あの、今って時間」

「わり、これから高校だから」

俺の手を掴んで女の子の前で申し訳なさそうなジェスチャーをする。

えなになに俺刺される?睨まれた気がする怖いね。

『や、べつにはなせば』

「わりー、じゃあな」

ぐいっと引き寄せられ早々と歩いていくれちゃん。

女の子も呆気にとられていて、何が何だかよく分かんなさそうだった。

てか、あの子。





『(胸でかかったな…………)』

あくまで男子高校生だから仕方ない。

そういうもんだ、たぶん。






陽向ひなたさっきお前おっぱい見てたろ」

『おお友よ』

「脚派だから」

『俺の美脚を…………』

「見せんな見せんなw」

けらけらと笑ってるその横顔は確かに彫刻のようで、惚れ惚れするのも納得がいく。

男が見てもイケメンなんだもん、そりゃもてる。

しかもこの性格。おちゃらけてやがんのに全部真面目に取り組むあほ、天性の愛され性格。

『お前に勝てる未来みえねぇよ…』

「え、ゲームしてねえよ俺」

『知ってるわ!』

2人で空を背景にしながら大笑い。そしてたまに泥が跳ねたり、猫が乗っかってきたり、ハプニングも起きながら。

俺らは日常を歩む。ゆっくりと、毎日少しずつ。

時が流れてく度に、俺は思う。

こいつとは上手くやれてる気がする、と。


「んだよ寄りかかんな!w」

『俺の体積すら愛せよ!』




その背中は、まるでお互いに寄り添う親友のようであった。
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