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Mission:大地に光を
第57話:困難 ~研修はたぶん終わらない~
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大きく揺さぶられて目が覚めた。入信して一週間、慣れないことの連続で寝ても寝ても睡眠は足りない。三嶋の名前を呼ぶ静かな声は亮成の声だ。起き上がると、やはり二段ベッドの梯子から亮成の顔が覗いている。時計を見ると時刻は朝の六時、普段の起床時刻より一時間も早い。
「……おはよう」
亮成に礼を言って三嶋は梯子を降りる。
「お話の会、遅れるで」
三嶋は眠い目をこすりながら記憶をたぐる。お話の会、そういえば一昨日にそんな話を聞いた気がする。富士が一般人(ここでは現世の人などと呼ばれているが)相手に演説をする会で、一般人のお悩み相談会も行う。信者にとっては利他行為であり、修行を行う場として重要らしい。三嶋には関係ないが。
眠い目を擦りながら無理やり食事をとり、慌ただしく準備をして玄関口に集まる。
「博実は亮成車の第一便ね」
アイドルみたいな可愛らしい顔の男が三嶋の肩を叩く。知らない人間だ。彼は集合場所だといって右方向を指をさしたので、三嶋はとりあえず頷いて集合場所とやらに向かった。
そこに車を回してきたのは亮成だった。伊勢自動車のオフロードカー、ルーフキャリアつき。こんなアウトドアな車の主がまさか亮成だとは。三嶋は思いもしなかった。
「亮ちゃん、いつもありがとうな。今日はよろしくお願いします」
辻は深い感謝を捧げて亮成車に乗り込む。
「まあ、車の中で説明するから、まずは乗って乗って」
三嶋は辻と同様に亮成に感謝しつつ、おずおずと乗り込むほかない。下界への道中に、辻が段取りを話し始める。
「前にも言うたんやけど、今日はお話の会の手伝いをしてほしいねん」
寝そうになる三嶋だが、運転者の亮成の手前、また辻の手前、寝る訳にはいかない。三嶋はあくびを噛み殺す。
「僕は何をすればいいの?」
「いろいろあるけど、メインは直接現世の方からお話を聞き取ることやね。でも、勧誘もしてもらわなあかんよ」
早くも辻は裏の事情を三嶋にばらした。それだけで幹部候補生という立場の重さがわかる。
「勧誘?」
三嶋が尋ねたが、辻は当然のような顔をして頷く。三嶋としてはそのあたりの事情は知っていても勧誘に参加するのは嫌だ。
「勧誘って、一般人を?」
「現世の人、ね」
三嶋は不快そうな感情を顔に出さないように必死である。驚いた顔を上から貼り付けてごまかす。
「ぼ、僕には無理だよ」
気弱そうな声を出して斜め下を向いた三嶋の肩をがしりと辻が掴んだ。
「幹部候補生の子には、必ずやってもらう研修なんよ」
なぜか辻は得意げだ。
「誰か一人入信させるまで終わらんよ」
一般人相手に、宗教団体に興味を持たせるどころか入信までもっていくことの難易度をわかっているのだろうか。いや、わかっているからこそ、やらせるのだろうか。
しかしまあ、とんでもない無茶を言う。口角からよだれが流れ落ちそうになり、三嶋は口を開けたままズルズルとすすり上げた。
「……おはよう」
亮成に礼を言って三嶋は梯子を降りる。
「お話の会、遅れるで」
三嶋は眠い目をこすりながら記憶をたぐる。お話の会、そういえば一昨日にそんな話を聞いた気がする。富士が一般人(ここでは現世の人などと呼ばれているが)相手に演説をする会で、一般人のお悩み相談会も行う。信者にとっては利他行為であり、修行を行う場として重要らしい。三嶋には関係ないが。
眠い目を擦りながら無理やり食事をとり、慌ただしく準備をして玄関口に集まる。
「博実は亮成車の第一便ね」
アイドルみたいな可愛らしい顔の男が三嶋の肩を叩く。知らない人間だ。彼は集合場所だといって右方向を指をさしたので、三嶋はとりあえず頷いて集合場所とやらに向かった。
そこに車を回してきたのは亮成だった。伊勢自動車のオフロードカー、ルーフキャリアつき。こんなアウトドアな車の主がまさか亮成だとは。三嶋は思いもしなかった。
「亮ちゃん、いつもありがとうな。今日はよろしくお願いします」
辻は深い感謝を捧げて亮成車に乗り込む。
「まあ、車の中で説明するから、まずは乗って乗って」
三嶋は辻と同様に亮成に感謝しつつ、おずおずと乗り込むほかない。下界への道中に、辻が段取りを話し始める。
「前にも言うたんやけど、今日はお話の会の手伝いをしてほしいねん」
寝そうになる三嶋だが、運転者の亮成の手前、また辻の手前、寝る訳にはいかない。三嶋はあくびを噛み殺す。
「僕は何をすればいいの?」
「いろいろあるけど、メインは直接現世の方からお話を聞き取ることやね。でも、勧誘もしてもらわなあかんよ」
早くも辻は裏の事情を三嶋にばらした。それだけで幹部候補生という立場の重さがわかる。
「勧誘?」
三嶋が尋ねたが、辻は当然のような顔をして頷く。三嶋としてはそのあたりの事情は知っていても勧誘に参加するのは嫌だ。
「勧誘って、一般人を?」
「現世の人、ね」
三嶋は不快そうな感情を顔に出さないように必死である。驚いた顔を上から貼り付けてごまかす。
「ぼ、僕には無理だよ」
気弱そうな声を出して斜め下を向いた三嶋の肩をがしりと辻が掴んだ。
「幹部候補生の子には、必ずやってもらう研修なんよ」
なぜか辻は得意げだ。
「誰か一人入信させるまで終わらんよ」
一般人相手に、宗教団体に興味を持たせるどころか入信までもっていくことの難易度をわかっているのだろうか。いや、わかっているからこそ、やらせるのだろうか。
しかしまあ、とんでもない無茶を言う。口角からよだれが流れ落ちそうになり、三嶋は口を開けたままズルズルとすすり上げた。
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