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Mission:消えるカジノ
第117話:両立 ~予想はすんなり当たらない~
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宗教法人「大地の光」で人知れず苦労している三嶋と違い、諏訪はとんとん拍子に捜査を進めている。
カジノに潜入することができた今、次の目標は、オーナーの特定である。
「オーナー候補者リストとかないんすかねぇ」
「以前、うちじゃなくて県警が捜査を担当していた頃の資料は残っていたはずやで」
諏訪の机に乱雑に積まれた資料を春日がひっくり返す。多賀がいれば率先してやってくれるだろうが、今、多賀は諏訪に命じられた捜査に忙しい。
「あ、あった。これやと思うんやけど……」
春日はホッチキス留めされた資料を引っ張り出した。それが随分と分厚いのを見て、春日と諏訪双方に嫌な予感が走る。
「数百人単位でおるやないか」
春日はため息をつきながら、ぱらぱらと資料をめくった。
「こんなん、関係者全員のリストやん。前の捜査担当が相当無能やったか」
「あるいは、オーナーの特定がそれだけ難しいということか」
どちらにせよ、今回の事件で最も厳しいのはオーナーの特定である。逆に言えば、オーナーの身元を把握してしまえば逮捕状を請求して芋づる式に逮捕できるし、そうすればカジノは完全に潰せる。
「片方だけ逮捕するのは簡単なんやけどなぁ」
「そうか? 狙うなら、支配人だっていう玉村えなだろうけど、本名がわからないし、玉村を逮捕しても結局は別の人間が代理で立てられるだけでカジノは消えない。オーナーだけ逮捕できても、スタッフ全員が残っていれば細々と続けることだって可能だ」
「……じゃあ、両方一気に逮捕? そんなん可能なんかねぇ」
いずれにせよ、オーナーの正体と玉村たちスタッフの本名を調べなければどうしようもない。
「そういや、初めてカジノの存在が判明したのは、客に警察官がいたからなんやろ? その警察官にオーナーの名前聞けば全部解決するんちゃうの」
「客じゃオーナーの氏名はわからんだろ」
諏訪は低い声で答える。それは諏訪にも言えることだ。客として潜り込んだはいいが、それだけではオーナーの情報は手に入らない。
「ま、そこは俺にはどうにもならんし、諏訪の力の見せ所や。頑張ってな」
「そういうとこだぞ。いちいち口に出すなよ、こっちのやる気が削がれる」
諏訪が呟くと、春日が首を傾げる。演技だ。
「なんで? 事実やん」
「…………」
春日が相手を見て言っているのはわかっている。思ったことを全部直接言っても、諏訪は絶対に許してくれるという確信が春日にはある。手のひらの上で踊っているような気がしてならない。
「じゃあ、俺は二時からストーカー被害に遭ってる女の子の話を聞きにいかなあかんから、行ってくるわ」
「お前、ほんと女の子が絡むとやる気出すんだな」
「仕事に一生懸命なだけやて」
春日は首をすくめて逃げる。入れ替わるように入ってきたのは多賀だ。
「諏訪さん、とりあえず簡単に調べてきました」
「お、おう」
「諏訪さん、どうかしましたか?」
「いや、なんでもないから結果を教えて」
「名刺は本物でした」
「ん?」
多賀の報告は諏訪の予想とは違っていた。多賀はビニール袋に入れられた一枚の紙を差し出す。調べていた名刺だ。それは南雲が諏訪に渡したものである。
カジノに潜入することができた今、次の目標は、オーナーの特定である。
「オーナー候補者リストとかないんすかねぇ」
「以前、うちじゃなくて県警が捜査を担当していた頃の資料は残っていたはずやで」
諏訪の机に乱雑に積まれた資料を春日がひっくり返す。多賀がいれば率先してやってくれるだろうが、今、多賀は諏訪に命じられた捜査に忙しい。
「あ、あった。これやと思うんやけど……」
春日はホッチキス留めされた資料を引っ張り出した。それが随分と分厚いのを見て、春日と諏訪双方に嫌な予感が走る。
「数百人単位でおるやないか」
春日はため息をつきながら、ぱらぱらと資料をめくった。
「こんなん、関係者全員のリストやん。前の捜査担当が相当無能やったか」
「あるいは、オーナーの特定がそれだけ難しいということか」
どちらにせよ、今回の事件で最も厳しいのはオーナーの特定である。逆に言えば、オーナーの身元を把握してしまえば逮捕状を請求して芋づる式に逮捕できるし、そうすればカジノは完全に潰せる。
「片方だけ逮捕するのは簡単なんやけどなぁ」
「そうか? 狙うなら、支配人だっていう玉村えなだろうけど、本名がわからないし、玉村を逮捕しても結局は別の人間が代理で立てられるだけでカジノは消えない。オーナーだけ逮捕できても、スタッフ全員が残っていれば細々と続けることだって可能だ」
「……じゃあ、両方一気に逮捕? そんなん可能なんかねぇ」
いずれにせよ、オーナーの正体と玉村たちスタッフの本名を調べなければどうしようもない。
「そういや、初めてカジノの存在が判明したのは、客に警察官がいたからなんやろ? その警察官にオーナーの名前聞けば全部解決するんちゃうの」
「客じゃオーナーの氏名はわからんだろ」
諏訪は低い声で答える。それは諏訪にも言えることだ。客として潜り込んだはいいが、それだけではオーナーの情報は手に入らない。
「ま、そこは俺にはどうにもならんし、諏訪の力の見せ所や。頑張ってな」
「そういうとこだぞ。いちいち口に出すなよ、こっちのやる気が削がれる」
諏訪が呟くと、春日が首を傾げる。演技だ。
「なんで? 事実やん」
「…………」
春日が相手を見て言っているのはわかっている。思ったことを全部直接言っても、諏訪は絶対に許してくれるという確信が春日にはある。手のひらの上で踊っているような気がしてならない。
「じゃあ、俺は二時からストーカー被害に遭ってる女の子の話を聞きにいかなあかんから、行ってくるわ」
「お前、ほんと女の子が絡むとやる気出すんだな」
「仕事に一生懸命なだけやて」
春日は首をすくめて逃げる。入れ替わるように入ってきたのは多賀だ。
「諏訪さん、とりあえず簡単に調べてきました」
「お、おう」
「諏訪さん、どうかしましたか?」
「いや、なんでもないから結果を教えて」
「名刺は本物でした」
「ん?」
多賀の報告は諏訪の予想とは違っていた。多賀はビニール袋に入れられた一枚の紙を差し出す。調べていた名刺だ。それは南雲が諏訪に渡したものである。
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