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Mission:白の慟哭
第174話:子供 ~危ない橋は渡れない~
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背伸びした先が覚醒剤ならまだわかる。しかし、あんなに覚醒剤を当たり前のように使う彼女が酒を求める、というのがどうにも春日とは相性が悪かったらしい。
「俺はロリコンやないんでね」
「ロリコンはもっと幼い子供相手のような気がするがなぁ」
「でも好みは好みなんですもん」
「……それにしても理由が雑すぎるよ」
パソコンのキーボードを叩きながら章が苦笑した。
「仕事だから手を出さないとか、アイドルだから手を出したらまずいとかの理由かと思ったら、好みから外れてるから? いつか痛い目みるぞ」
既に何度か痛い目みてますというと三嶋に嫌われそうなので春日は微笑で誤魔化した。そもそも章だって情報課のメンバーの中では遊ぶ方の人間である。
「まあ仕事のことを忘れとったわけちゃいますよ」
春日は分かりやすく拗ねる。
「酒を飲むかもしれんからレストランの日は拮抗薬入れとらんかったんですよね。もし彼女が薬使いたいって言いだしたらヤバかったんですよ。せやから言われる前に酒入れて潰しはしましたけど、何もしてませんよ」
「未成年に?」
春日と同時に、三嶋が眉間に皺を寄せて頷いた。全て知っているぞ、とそういうことらしい。
「やっぱ若い子は慣れてませんね、一瞬で潰れましたよ。ほんまおもんないよなぁ、未成年ってやつは」
直接的に違法行為を肯定しているわけではないが、やりすぎである。
「じゃあ、もし彼女が異常に強くてなかなか潰れなかったりしたらどうしたんだ? それで一緒に薬使おうって言われたら、お前断れたのかよ」
「その時は……その時やなぁ」
「……いくら何でも危ない橋を渡りすぎですよ!」
思わず多賀は叫んだ。
「春日さん、なんでそんなことするんですか?」
「なんでって……。そうでもせな、捕まえられへんやん」
ついさっきまで、自分が被っていたリスクがいかに高いか自慢していたのに、今度は不思議そうな顔になる。
「でも、僕だったら諦めますよ。そんなことをしないと捕まえられない相手なんて……」
「多賀、俺がなんで情報課に来ぃひんくなったかわかる?」
「……いえ」
多賀は恐る恐る首を振った。恐縮する多賀とは対照的に、春日は表情を緩めて、どさりと背もたれに体重をかけた。
「あの時の章さんの言葉、俺に響いてなぁ……」
「え?」
どきりと肩を震わせたのは、急に自分の名前を出された章だった。
「そりゃ俺も、ほんまに覚醒剤打つときにはめっちゃ気を付けたで? そんな簡単に人生を棒に振るのなんかごめんやからな。でもやっぱ、リスクが高いのは確かや。そう考えたら、俺は章さんの言う通り、自殺行為してただけなんかと思ってなぁ」
「いや、あらかじめ対策をしてたと知っていれば、あんな言葉は……」
章はしどろもどろに言い訳をする。
「……ごめん、言い過ぎた」
「いやぁ、言い過ぎなんてとんでもない。俺が別の手段を取るべきやったんは確かですやん?」
「じゃあ、なんで拮抗薬を使うなんて手段を……」
「だって、覚醒剤を使えるんですよ?」
笑ってそう答える春日の顔を見て、章は固まった。隣の裕は、自分の目の前に言っている人間がただの役者ではないことにその時気が付いた。
「彼女がやっつけで作った薬自体は、そりゃあハイリスクですよ。でも、トータルで見たら、単純に覚醒剤を使うのと比べたらめっちゃローリスクやないですか。こんなローリスクで薬使える機会なんかそうそうないですよ。俺やったら喜んで使います。人生経験としてね。俺の興味、ただそれだけです」
悪魔は美しい顔をしているというが、目の前の男がまさにそうなのではないかとすら思った。
「俺はロリコンやないんでね」
「ロリコンはもっと幼い子供相手のような気がするがなぁ」
「でも好みは好みなんですもん」
「……それにしても理由が雑すぎるよ」
パソコンのキーボードを叩きながら章が苦笑した。
「仕事だから手を出さないとか、アイドルだから手を出したらまずいとかの理由かと思ったら、好みから外れてるから? いつか痛い目みるぞ」
既に何度か痛い目みてますというと三嶋に嫌われそうなので春日は微笑で誤魔化した。そもそも章だって情報課のメンバーの中では遊ぶ方の人間である。
「まあ仕事のことを忘れとったわけちゃいますよ」
春日は分かりやすく拗ねる。
「酒を飲むかもしれんからレストランの日は拮抗薬入れとらんかったんですよね。もし彼女が薬使いたいって言いだしたらヤバかったんですよ。せやから言われる前に酒入れて潰しはしましたけど、何もしてませんよ」
「未成年に?」
春日と同時に、三嶋が眉間に皺を寄せて頷いた。全て知っているぞ、とそういうことらしい。
「やっぱ若い子は慣れてませんね、一瞬で潰れましたよ。ほんまおもんないよなぁ、未成年ってやつは」
直接的に違法行為を肯定しているわけではないが、やりすぎである。
「じゃあ、もし彼女が異常に強くてなかなか潰れなかったりしたらどうしたんだ? それで一緒に薬使おうって言われたら、お前断れたのかよ」
「その時は……その時やなぁ」
「……いくら何でも危ない橋を渡りすぎですよ!」
思わず多賀は叫んだ。
「春日さん、なんでそんなことするんですか?」
「なんでって……。そうでもせな、捕まえられへんやん」
ついさっきまで、自分が被っていたリスクがいかに高いか自慢していたのに、今度は不思議そうな顔になる。
「でも、僕だったら諦めますよ。そんなことをしないと捕まえられない相手なんて……」
「多賀、俺がなんで情報課に来ぃひんくなったかわかる?」
「……いえ」
多賀は恐る恐る首を振った。恐縮する多賀とは対照的に、春日は表情を緩めて、どさりと背もたれに体重をかけた。
「あの時の章さんの言葉、俺に響いてなぁ……」
「え?」
どきりと肩を震わせたのは、急に自分の名前を出された章だった。
「そりゃ俺も、ほんまに覚醒剤打つときにはめっちゃ気を付けたで? そんな簡単に人生を棒に振るのなんかごめんやからな。でもやっぱ、リスクが高いのは確かや。そう考えたら、俺は章さんの言う通り、自殺行為してただけなんかと思ってなぁ」
「いや、あらかじめ対策をしてたと知っていれば、あんな言葉は……」
章はしどろもどろに言い訳をする。
「……ごめん、言い過ぎた」
「いやぁ、言い過ぎなんてとんでもない。俺が別の手段を取るべきやったんは確かですやん?」
「じゃあ、なんで拮抗薬を使うなんて手段を……」
「だって、覚醒剤を使えるんですよ?」
笑ってそう答える春日の顔を見て、章は固まった。隣の裕は、自分の目の前に言っている人間がただの役者ではないことにその時気が付いた。
「彼女がやっつけで作った薬自体は、そりゃあハイリスクですよ。でも、トータルで見たら、単純に覚醒剤を使うのと比べたらめっちゃローリスクやないですか。こんなローリスクで薬使える機会なんかそうそうないですよ。俺やったら喜んで使います。人生経験としてね。俺の興味、ただそれだけです」
悪魔は美しい顔をしているというが、目の前の男がまさにそうなのではないかとすら思った。
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