ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ

高遠まもる

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第1章

第30話

『アジリティの指輪……所持することでおよそ2割ほど敏捷性を向上させる。必ずしも指にめる必要は無い』

『持久力向上剤………凡そ1割ほど、永続的に持久力が向上する。身体的な見た目に変化は起きない』

『パリィアミュレット……使用者に受け流しの技を与える護符。身に付けている間のみ、スキル【パリィ】を取得した状態となる』

『盛運の腕輪……盛運に恵まれ続け、不運がおのずと遠ざかる。およそ3割強の期待値。必ずしも腕に嵌める必要は無い』

『ポテンシャルキャンディ……潜在的身体能力を僅かに拡大。成長限界に寄与する。効果(僅少きんしょう)。決して噛んではいけない』

 どうやら、概ね当たりのアイテムが多いようだ。
 もちろん全て持ち帰ることを即決したのは言うまでもない。

 あまり父達を待たせるわけにもいかないので、心持ち急ぎ足でつい先程来た道を戻っていく。
 到着してすぐ分配会議。

 結論を述べると……
 盛運の腕輪は、パーティリーダーを努める兄かオレが探索時に交代で所持。所有権はオレ。
 そして、効果の重なるラックの指輪は、父か妻が交代で所持。所有権は変わらずオレ。
 オレか兄が単独で探索する場合は、両方をダメ元で併用してみることになった。

 アジリティの指輪も、ラックの指輪と同様の運用。父と妻の探索行が重なる場合は、妻が優先使用。
 パリィアミュレットも全く同じ運用。

 持久力向上剤は迷わず父に。頑張って貰うためには必要な投資だ。

 ポテンシャルキャンディはオレの物に。
 早速舐めてみたが、いつものクセで危うく噛みそうになった。
 オレンジ味。
 効果は……正直、すぐには分からないものなのだろう。
 いつか実感に繋がる……と良いなぁ。

 そして……今日、一番の収穫はスキルブックだ。
 スキル内容は既に『照会』を試して判明している。
【危機察知】だ。
 少し揉めるかと思ったのだが、わりと世間的に出回っているスキルだったので、再度の獲得を期待できるという判断から、発見者のオレが使用することになった。

 出掛ける3人を息子や義姉達と見送り、今日の午後は留守番だ。

 たまの見回りの他は、すっかり日課になっている武器や防具の点検、手入れや、外に出れなくなってブーたれている子供達の遊び相手をしながら、テレビでの情報収集をして過ごす。
 大半は嫌なニュースばかりなのだが、ニュースを読み上げるアナウンサーが、思わず愁眉を開くような朗報も有った。
 去年だとか一昨年だとか、近々に引退したばかりのかつてのトップ探索者達が、世界各国でまるで示し合っていたかのように一斉に立ち上がり、逆襲を開始しているというニュースだ。
 日本でも民間トップと言われていた探索者のパーティが復帰。
 さっそくワイバーンを撃ち落として復活の狼煙のろしを上げた。

 ただオレには、他に気になったニュースが有る。
 各地でのモンスターの出現頻度が、徐々に上がっているのではないかというのだ。
 さらには出現するモンスターが、ジワジワと強いものになりつつあるともいう。
 イビルバット、ゴブリン、ジャイアントリーチ、スライム。
 今日の見回り中に、兄とオレが倒したモンスターだ。
 その強さこそ、さほどでもないが頻度は確かに、昨日、一昨日より上がっているような気がする。
 二階堂さんにも無理はしないよう伝えておいたのだが、昨日オークを見たせいか素直に頷いてくれていた。

 午後の留守番は長いなぁ。
 ダンジョンに行った妻達は心配だが、息子達を置いて、ここを離れるわけにもいかない。
 やきもきしながら待つこと数時間、妻達は意気揚々と帰ってきた。

 取り越し苦労だったようで何よりだ。
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