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第5章
第263話
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『ウニャ? 主様、あそこ。あそこに印が有るのですニャー』
「印? あぁ、例のヤツか」
印、例のヤツとはつまり『ケット・シーの爪跡』のことだ。
トム曰く、ケット・シーの爪がいくら鋭くとも、迷宮の壁に傷を残すことは決して出来ないのだから、隠し部屋の印のことを『ケットシーの爪跡』とは呼ばないで欲しいということらしい。
なんだか妙に気恥ずかしい気持ちになってしまうのだという。
「トムちゃん、えらいね~」
亜衣がトムの頭を撫でくり回している。
……出遅れた。
公然とトムをナデゴロするチャンスだったというのに。
「それにしても……随分と変なところに有るわね。天井だなんて」
トリアが呆れたように呟く。
確かに隠し部屋の入り口が天井に有ったことは今までに無かった。
それを言ったら階層ボスの部屋に『ケット・シーの爪跡』が有ったことも、これまでには無かったことなのだが……。
「でもさ……あれ、どうやって開けるの? まさか空を飛ぶわけにもいかないし」
亜衣の懸念は尤もなところだ。
このダンジョンの天井は今までで最も高い位置にある。
もちろんド田舎ダンジョンや、スーパー跡のダンジョンのような、天井そのものが視認すら出来ない造りのダンジョンを除けば……だが。
さすがにドラゴンが自在に飛び回れるほど高くは無いが、低空飛行しながら移動するぐらいは造作も無いぐらいには高い。
トムも、よく見つけることが出来たものだ。
「うーん、中身がハズレだったら魔力が勿体ない気もするけど、あそこまで階段状に防壁の魔法を伸ばすことは可能だと思うわよ? 私、やろうか?」
「なるほど、確かに……。じゃあ、オレが先に【遠隔視】で中身を見てみるよ」
「そうね、それなら無駄が無いわね」
『我輩が思うに、きっと素晴らしい物が見つかる筈なのですニャ』
「トムちゃん、分かるの?」
『ニャニャ。勘なのですニャー』
ちなみにトムの勘は、あまり当たらない。
いわゆるスカの時でも、大当たりの時でも、大抵いつもこんな感じだ。
そのため、過度の期待はしないように心掛けているが……見つかった場所が場所だけに、弥が上にも期待が高まる。
そして……今回は、どうやら大当たり中の大当たりだったようだ。
非常に見覚えの有る光沢。
形状こそ違うが、オレが切り札にしているアダマントの杭剣と、恐らくは素材を同じくしている武具だ。
しかもサイズは特大クラス。
タワーシールド。
そう呼ぶべき形状の盾だった。
「トム、お手柄だぞ。【鑑定】する必要は有るけど、多分アダマント製のタワーシールドだ」
『それみたことかーなのですニャ』
目の前に、後ろ脚で立ち上がって得意げに胸をそびやかすネコがいる。
たまらずアゴと腹とを盛大にワシャワシャしてやると、何やら悶えながら堪えきれずノドを鳴らし始めるトム。
途中から亜衣も参戦して、揉みくちゃにされたトムは、僅かに毛を逆立たせてテンパりながらも、いまだにノドをゴロゴロ鳴らしている。
「……そろそろ良い? 壁、出すわよ?」
独り冷静なトリアの声で我に返ったオレは、トリアの出してくれた数段の防壁魔法の上を、跳び跳ねながら天井に肉薄していく。
トムが指し示し、オレが【遠隔視】で事前に中身を確認しているため、到達さえ出来れば回収は容易い。
首尾よく重厚な造りのタワーシールドを手に入れたオレは、引き返そうと下を見て思わず絶句した。
……下から見上げていたより遥かに高く感じる。
何度もパラシュート無しのスカイダイビングみたいな真似をしておいて、何を今さら……と思われるかもしれないが、戦闘中に必要に迫られてしたことだ。
その時は戦闘の高揚感が上回り、恐怖感など殆ど正常に機能していない。
怖がっているのを気付かれないように、出来るだけ登って来た時と同じペースで降りていったが、トリアには勘づかれたようだった。
意味ありげな美女の微笑み。
こんな状況でも無ければ見とれてしまうかもしれないが、さすがに今はそんな気分にはなれない。
「しかし……盾、か。このまま使うには少し大きいし、どうしたもんかな」
だいたい皆、両手持ちの武器が得物だったり、カタリナに至っては二刀流だったりする。
唯一の例外はマチェット(山刀)を得物にしているマチルダだが、マチルダにしてもスピードで翻弄するタイプだし、盾とは無縁だ。
しかも強敵相手にはマチェットより、むしろ弓矢をメインに戦っている。
性能的には申し分無いのだろうが……少しばかり扱いに困りそうだ。
「思い切って柏木さんに解体して貰う? このサイズの盾なら、皆の武器を強くする素材としては十分なんじゃない?」
少しばかり惜しい気もするが……それしか無い、か。
「問題は加工が間に合うかどうか、かな。オリハルコン以上に扱いが難しいらしいし……」
『それでも、あの御仁ならば、やり遂げてくれる筈なのですニャー』
トムの柏木さんに対する信頼度は異常に高い。
グリフォンの変異種を倒す際に失ったトムの変わり種の武器の数々(鎖鎌のような武器や、ソードブレイカーなど)を、柏木さんが事も無げに作成してのけた一件が理由なのだろう。
もちろん、オレにしても亜衣にしても、柏木さんの腕前には深い信頼を寄せている。
せっかくの完成品の盾だが、ここはベクトルを180度変えて、オレ達の武器の素材になって貰うとしよう。
肝の冷える思いをして手に入れたのだし、使うか使わないか不明瞭なタワーシールドの状態のまま、オレの『空間庫』の肥やしにしておくよりはよほど有意義な筈だ。
トリアも、先ほどの意味ありげな微笑みを引っ込めて頷いてくれていた。
「印? あぁ、例のヤツか」
印、例のヤツとはつまり『ケット・シーの爪跡』のことだ。
トム曰く、ケット・シーの爪がいくら鋭くとも、迷宮の壁に傷を残すことは決して出来ないのだから、隠し部屋の印のことを『ケットシーの爪跡』とは呼ばないで欲しいということらしい。
なんだか妙に気恥ずかしい気持ちになってしまうのだという。
「トムちゃん、えらいね~」
亜衣がトムの頭を撫でくり回している。
……出遅れた。
公然とトムをナデゴロするチャンスだったというのに。
「それにしても……随分と変なところに有るわね。天井だなんて」
トリアが呆れたように呟く。
確かに隠し部屋の入り口が天井に有ったことは今までに無かった。
それを言ったら階層ボスの部屋に『ケット・シーの爪跡』が有ったことも、これまでには無かったことなのだが……。
「でもさ……あれ、どうやって開けるの? まさか空を飛ぶわけにもいかないし」
亜衣の懸念は尤もなところだ。
このダンジョンの天井は今までで最も高い位置にある。
もちろんド田舎ダンジョンや、スーパー跡のダンジョンのような、天井そのものが視認すら出来ない造りのダンジョンを除けば……だが。
さすがにドラゴンが自在に飛び回れるほど高くは無いが、低空飛行しながら移動するぐらいは造作も無いぐらいには高い。
トムも、よく見つけることが出来たものだ。
「うーん、中身がハズレだったら魔力が勿体ない気もするけど、あそこまで階段状に防壁の魔法を伸ばすことは可能だと思うわよ? 私、やろうか?」
「なるほど、確かに……。じゃあ、オレが先に【遠隔視】で中身を見てみるよ」
「そうね、それなら無駄が無いわね」
『我輩が思うに、きっと素晴らしい物が見つかる筈なのですニャ』
「トムちゃん、分かるの?」
『ニャニャ。勘なのですニャー』
ちなみにトムの勘は、あまり当たらない。
いわゆるスカの時でも、大当たりの時でも、大抵いつもこんな感じだ。
そのため、過度の期待はしないように心掛けているが……見つかった場所が場所だけに、弥が上にも期待が高まる。
そして……今回は、どうやら大当たり中の大当たりだったようだ。
非常に見覚えの有る光沢。
形状こそ違うが、オレが切り札にしているアダマントの杭剣と、恐らくは素材を同じくしている武具だ。
しかもサイズは特大クラス。
タワーシールド。
そう呼ぶべき形状の盾だった。
「トム、お手柄だぞ。【鑑定】する必要は有るけど、多分アダマント製のタワーシールドだ」
『それみたことかーなのですニャ』
目の前に、後ろ脚で立ち上がって得意げに胸をそびやかすネコがいる。
たまらずアゴと腹とを盛大にワシャワシャしてやると、何やら悶えながら堪えきれずノドを鳴らし始めるトム。
途中から亜衣も参戦して、揉みくちゃにされたトムは、僅かに毛を逆立たせてテンパりながらも、いまだにノドをゴロゴロ鳴らしている。
「……そろそろ良い? 壁、出すわよ?」
独り冷静なトリアの声で我に返ったオレは、トリアの出してくれた数段の防壁魔法の上を、跳び跳ねながら天井に肉薄していく。
トムが指し示し、オレが【遠隔視】で事前に中身を確認しているため、到達さえ出来れば回収は容易い。
首尾よく重厚な造りのタワーシールドを手に入れたオレは、引き返そうと下を見て思わず絶句した。
……下から見上げていたより遥かに高く感じる。
何度もパラシュート無しのスカイダイビングみたいな真似をしておいて、何を今さら……と思われるかもしれないが、戦闘中に必要に迫られてしたことだ。
その時は戦闘の高揚感が上回り、恐怖感など殆ど正常に機能していない。
怖がっているのを気付かれないように、出来るだけ登って来た時と同じペースで降りていったが、トリアには勘づかれたようだった。
意味ありげな美女の微笑み。
こんな状況でも無ければ見とれてしまうかもしれないが、さすがに今はそんな気分にはなれない。
「しかし……盾、か。このまま使うには少し大きいし、どうしたもんかな」
だいたい皆、両手持ちの武器が得物だったり、カタリナに至っては二刀流だったりする。
唯一の例外はマチェット(山刀)を得物にしているマチルダだが、マチルダにしてもスピードで翻弄するタイプだし、盾とは無縁だ。
しかも強敵相手にはマチェットより、むしろ弓矢をメインに戦っている。
性能的には申し分無いのだろうが……少しばかり扱いに困りそうだ。
「思い切って柏木さんに解体して貰う? このサイズの盾なら、皆の武器を強くする素材としては十分なんじゃない?」
少しばかり惜しい気もするが……それしか無い、か。
「問題は加工が間に合うかどうか、かな。オリハルコン以上に扱いが難しいらしいし……」
『それでも、あの御仁ならば、やり遂げてくれる筈なのですニャー』
トムの柏木さんに対する信頼度は異常に高い。
グリフォンの変異種を倒す際に失ったトムの変わり種の武器の数々(鎖鎌のような武器や、ソードブレイカーなど)を、柏木さんが事も無げに作成してのけた一件が理由なのだろう。
もちろん、オレにしても亜衣にしても、柏木さんの腕前には深い信頼を寄せている。
せっかくの完成品の盾だが、ここはベクトルを180度変えて、オレ達の武器の素材になって貰うとしよう。
肝の冷える思いをして手に入れたのだし、使うか使わないか不明瞭なタワーシールドの状態のまま、オレの『空間庫』の肥やしにしておくよりはよほど有意義な筈だ。
トリアも、先ほどの意味ありげな微笑みを引っ込めて頷いてくれていた。
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