人の味

よっしー

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はちみつ①

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①ハチミツ

人の味はどんな、か。味って言っても調理過程なしっていうことは…
「生まれてから元々あるナチュラルな人の味はどんなものかってことかな?で、それを美味しく出来たりするのかってこと?」
「そうね、イメージ的にはそんなかんじ。」
お互い議題の共有は出来たみたいだ。さて、人を美味しくか。どんなやり方があるだろうか。食べ物、食べ物、今日の弁当はそういえば…。
「変な話でアレなんだけど、例えば生まれてからこれまでずっと、はちみつの風呂に入り続けた人が居たとしよう。そしたらその人は甘い味がするんじゃないかな。」
「ああ、それはあるかも。」
今日食べた酢豚から得た着想。彼女的にもこのアイデアはアリなようだ。
「でもそれってチートじゃないかしら。だって確認しようがないじゃない。」
訂正訂正。こやつ、本末転倒なことをさらっと言いやがった。そりゃそうだろ、そんなハチミツ漬けの人生なんて送ってたまるか。もう少し現実的なアイデアは無いか…

「なら、これはどうだろう。例えばある女性が大のはちみつ好きだったとしよう。」
「はちみつ、好きなの?」
しまった、思わずハチミツを連続させてしまった。
「ま、まあまあかな。兎に角そんな女性が居たとして、ある時妊娠したとしよう。子供のために糖分を控えようとはしても、大好物のためにはちみつ断ちが出来ない。結局妊娠中も彼女ははちみつを取り続けた。」
「不思議だわ、頭の中に黄色いクマが浮かんだわ。」
華麗にスルーした。いや俺そんなの知らないし、人と仲良しのクマとか知らないし。
「で、栄養価ははちみつ成分多めで彼女のおなかの子供にも送られる。これならそのお腹の子の味は、ほかの子に比べて甘かったりするんじゃないかな。」
生後でなく、生前のプロセスで攻めてみた。これなら少しはリアリティがあるんじゃないか。検証も、難しいだろうが決して不可能じゃない。
「なるほど、お母さんの影響ということね。確かに親子で好みの味とか、赤ん坊の頃でも似てたりするものね。」
お、納得してくれているぞ、手応えアリか!今までここまで早く議題を解決できたことがあっただろうか。今日の僕はかなり冴えているぞ!不覚にも高校2年生にもなって軽くスキップをとっていた。
が、しかしそんな僕に彼女は一閃を引いてきた。
「でも違うわ。それは絶対にない。」
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