神のマジシャン〜魔法はやはり便利です!〜

重曹ミックス

文字の大きさ
35 / 64
第3章 校外学習で色々稼ごう

33.五階層の魔物

しおりを挟む
「左から魔物が来る。今までよりも少し大きな反応ではあるが5匹だけのようだ」

「私が魔物を倒す番でしたね。頑張ってきます!」

 なぜかティアナはさっきボスを倒したばかりだと言うのに逆に元気になっているようだ。まあボスとは言うものの苦戦もせずに、あの訓練で対策済みということもあり、普通にダンジョンを徘徊しているような魔物と同じくらいの疲労しか溜まっていない。
 しかも、みんな当初よりも大分レベルも上がり、ダンジョンに慣れてきている。

 だからティアナをはじめ、他の2人も元気なのかもしれない。

 魔物5匹の反応がちょうど俺たちが見えない辺りで止まっている。
 これは待ち伏せをしているつもりなのだろう。無駄だというのに可哀想。

「あれ?全然来ませんね。どうしたのでしょうか?」

 炎を纏わせた剣を構えながら、ティアナが魔物がなかなか来ないことに対し不思議そうな様子でいる。

「そのことなら、ボクが思うに待ち伏せをしているんじゃないか?強さもティアナなら処理しきれるくらいだからそのまま突っ込んで行っても蹴散らせると思う」

「待ち伏せをしているのですか、教えてくれてありがとうございます!」

 待ち伏せをしていることを知るとさっき俺に教えてもらったところまでやや小走りで向かう。


 ティアナが魔物が待ち伏せしている地点に着くとやはり、横から5匹が地面を蹴り飛び掛かる。
 しかし、そんな行動も全て無駄となる。

 何故なら、ティアナが予めそのことを知っていたということもあり準備万端の状態だったので、炎に包まれた剣に触れた魔物からどんどん黒い霧となりあえなく、滅せられてしまう。炎の剣はこの魔物にはとても相性がよさそうである。
 たとえ待ち伏せに気付かずに行っていたとしてもティアナの技量を持ってすれば即座に対応され遅かれ早かれ倒されていただろうが。


 ◇

 今、俺にはダンジョンを徘徊している中で1番強い反応があった。強さとしては一階層のフロアボスより若干強い反応だ。
 しかし、これは魔力量の大きさなので必ずしも強さに比例するとは言えない。あくまでもこれは1つの目安に過ぎないので、許容範囲はある程度あるが良くも悪くも対峙してみないと分からないということだ。

 そんな訳で、俺はそのことをみんなに伝える。主にエンセリアだがな。

「この通りを300メートルほど進んだところに2体の魔物の反応がある。ただ、反応の強さからすると1、2階層のフロアボス並みと侮れないやつの可能性が高いから気を付けろよ、エンセリア」

「殺り応えのありそうな相手で寧ろ楽しみなくらいだぞ」

 エンセリアはといえば、フロアボスレベルを1人で倒せることを知ると凄い嬉しそうにしている。

 段々と遠くに何かある程度しか分からなかった魔物の姿が近づいたことによって全体像がよく見えてきた。

 2匹とも3メートルくらいの獅子のような魔物だった。

 それを見つけたエンセリアは「久しぶりに精神魔法で殺し合わせて倒すか」などと物騒なことを呟いている。

 魔物の方はこちらに流石に気付いたようだが悠然とこちらに向かってくる。
 エンセリアもそれに対し小走り気味で歩いている。

 俺たちはそれと何かあってもギリギリ援護出来るくらいから見守る。


 遂に獅子の魔物がエンセリアに牙を剥き出しにして、噛み殺そうと飛び掛かる。

 しかし結果は予想通りにエンセリアに触れた瞬間に敵意をお互いに向けあっている。


 次第に首や腹の辺りなどを攻撃をし合い一方が黒い霧と化する。

 エンセリアはそれを近くで、子供のじゃれ合いでも見ているかのように平然とその光景を見ていた。

 しかし、今回はエンセリア自らの手で一匹となっても殺そうとはせずにただ見ているだけだった。

 何故かというと、獅子の魔物は狂ったように自身の身体を噛み千切り10秒も経たないうちにそちらも黒い霧となってしまった。

「エンセリア、今何をしたんだ?いつも最後は自分で狩っているのに」

 さっきのことが気になりエンセリアに俺は訪ねてみた。

「それはだな、〔互いに殺し合い、そして最後は自害しろ〕と命令したからだぞ。でもそれをやるのに魔力を使いすぎてもう戦えないぞー」

 随分と恐ろしい命令を出すものだ。しかも、フロアボスクラスなのに。

 1つだけ魔石がドロップしたのだがそれはやはり一階層のフロアボスと同じくらいの魔石だった。

「今日のダンジョンは次のブルーストさんが魔物を倒し終えたら終わりにしましょう」

 今日はカリスが倒したら終わりだそうだ。




「魔物の反応があった。今回は五階層の最初に出てきた魔物くらいの強さが15匹程いるなー。カリス、よろしくな」

「あー、やっぱりあれ魔物だったんだ」

「カリス。あれが肉眼で見えるのか?」

 カリスが500メートルくらい先にいるのを見えていることを不思議に思い訊いてみる。魔物は周囲の景色と一体化してしまっているので、もし肉眼で見えるとなれば、アフリカの方で狩猟やっていて視力が凄い人たちくらいだろう。

「それ?ちょっと前に私って遠距離からもっと支援できるようにって思って遠くがよく見えるようになる強化スキル取得したからなんだよね!あ、そうだここからあの魔物全部倒してみよう!」

 カリスはそういうと、プラズマを自身の周囲に発生させながら魔物に標準を合わせるようにじっと前を見ている。

「多分これで倒せるから見ててね」

 周囲にあったプラズマは、魔物に向かって急激に加速していき数秒程でダンジョンが壊れそうな勢いの轟音が起こる。

 魔物はというと、砂埃が晴れる頃には既に魔石となり地面に転がっていた。

 勿論、魔法を使ってどうなったか見たけどね。

「ここから魔物を倒すなんて凄いなー」

「私も今それ思った!自分でやったのにこう言うのは可笑しいとは思うけどスキルって凄い便利なんだね」

「ブルートスさんはとても魔物を倒すのが上手くなってますね。魔物を倒し終えたことなので魔石を回収して地上に戻りましょうか。ジェネレーティさんは今回も転移魔法をお願いできますか?」

「あ、大丈夫ですよ」

 魔力も余裕が全然あるので俺は転移魔法で地上に戻ることを快諾する。




 地上に出てきた俺たちはベゼーヌ先生と別れ、買い取り店に今いる。

「おばさーん!今日もたくさん売りに来たよー」

 カリスが元気に買い取り店のおばさんに話し掛ける。
 ここ一ヶ月の間で距離も大分縮まったのだ。

「いらっしゃい。今日はどんなものが出てきたんだい?」

「今日は四階層のフロアボスを倒してだな、見ての通りプレートアーマーがドロップして来たんだよ」

 俺は空間収納エア・ボックスから四階層のフロアボスが着ていたプレートアーマーと思われる、ドロップしたものを取り出し見せながら言う。

「ほんとに、学院生なのか疑いたくなるスピードだね。しかも、四階層のフロアボスからプレートアーマーがドロップなんて数ヶ月に一度しか見ないよ。どれどれ、見せてみなさい」

 俺は手に持っていたプレートアーマーをカウンターに乗せる。

「目立った傷も無いみたいだね。これなら、耐久力もあるから10,000ゴールドで買い取るよ。ほら、他のものも見ていくからどんどん乗せていって」

 みんな、魔石やら魔物からドロップしてきた素材を置いていく。

 それを一つ一つ丁寧に見ていき電卓に多分買い取り価格を打ち込んでいる。
 魔石は秤に乗せて重さも基準の一つとして量っている。

「今日は25,000ゴールドだね。遂にここまで稼げるようになるとは驚きもあるが、ここまでの早さでダンジョンを攻略できるということはそれなりの実力が無いとできないことだから、納得の方が大きいよ。それよりも、クラスの中でもうダンジョンから戻ってきている人もいるだろうから行ってきなさい。はい、25,000ゴールドのお金ね」

 俺たちは、買い取り店のおばさんに促された通りにお金を受けとると軽く挨拶をしてレーリット先生のもとへ向かう。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。 しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。 彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。 一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!

レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)

荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」 俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」 ハーデス 「では……」 俺 「だが断る!」 ハーデス 「むっ、今何と?」 俺 「断ると言ったんだ」 ハーデス 「なぜだ?」 俺 「……俺のレベルだ」 ハーデス 「……は?」 俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」 ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」 俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」 ハーデス 「……正気……なのか?」 俺 「もちろん」 異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。 たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  お気に入り・感想、宜しくお願いします。

処理中です...