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第3章 校外学習で色々稼ごう

54.聞き込み

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 さて、誰に訊こうか。

 先ず、高ランク向けの依頼が貼ってあるところに行こう。そうすれば、多分その情報が手に入ると思う。

 そんな訳で移動をしてきた。

 それで依頼を重複して請けれるのかということを訊く相手は誰にするかだが、ちょうど俺たちの目の前の掲示板の前でとても楽しそうな雰囲気で会話をしていた男2人の女1人の3人のパーティーに声をかけることにする。男の1人は半竜族リザードマンだったか?トカゲのような顔でとても硬そうな鱗に包まれた姿をしている。もう1人の男はパッと見ただけであるが、俺やカリスと同じ人間族ヒューマンだと思う。
 女性の方は妖精族エルフだ。後で一杯なんてどうですか?―― ってそれをするために来たわけじゃないし、今の俺は女性だ。いや、そっちもありかもしれ……逸れるな、逸れるな。

「すいません、少しお時間いただいてもいいですか?私は、セシリア・ジェネレーティと言います」

 ここはいつものボクっ娘設定を破棄して、一応俺が働いていた頃の感じにする。
 とは言っても接客は滅多にしないポジションだったので、実のところ俺の専売特許どころか不安さえあるものだ。しかし、文句を言っていても始まらないのでこのくらいにしておこう。

「はい、構いませんよ――っ!! なぜ美少女達がここに!」


 勢いが凄い……。というか男性たちを完全にこの勢いにはついて行けてなさそう。でも、さっき話していたときはここまで勢いは無かった……というかいつもこのペースだったらこの男性達、只者では無い。

「私は、このパーティーのリーダーのアリシア。私たちに何か用が会ってきたんだよね?」

 女性の名前はアリシアというらしい。カリスやティアナ、エンセリアは少し離れたところで待ってもらっている。この時間帯は混んでいるから掲示板の前にあまり集まるのは良くないと思ってのことだ。

「はい、そうです。依頼は同時に幾つか請けることは可能であるかということを訊きに来ました」

「それか! 確かによく分からないよね。関係ないけど、身長的にまだ学院とか通ってる?」

「はい、フルメラ魔法学院に通ってます」

 そう、俺達の通う地域はフルメラという割と大きな都市でありその地名を取っているのだ。

「私もその学院出身だよ! この人達と出会ったのも学院だしね」

 どうやら俺たちの先輩あたる人物のようだ。
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