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第3章 校外学習で色々稼ごう

56.噂の学生さん

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 ◇

「それでどうだったんだ?」

「可能だとよ」

 その結果を報告すると安堵と嬉しさが混ざったような感じになる。

「――しかし、だ。条件が発生する」

 そう言葉を続け始めると、思わず『え?』と声を上げる程では無いものの驚いたようである。

「請けた依頼の数だけ依頼を失敗したときの負担が跳ね上がる、といったものだ。具体的には、2個請けると失敗したときの違約金の発生する金額は2倍、3個請けて失敗したときの違約金は3倍と言ったようなものだ」

 まあ、単純なのだが改めて自分の口から言うとよく出来てるよな。細かいことはまだあるだろうけどね。

「なんだ、重複して請けるとこちらに損しか無いとか言い出すと思った……」

「いやいや、ギルドもそこまで1つずつに拘る必要なんて無いだろ?」

 あくまでも俺の予想だから本当の拘らない理由なんて知らないが、概ねこんなところだろうか。

「それはセシリアの言い方が悪いからだぞ」

「……え? ちょっと今聞き取れなかったからもう一度お願いしたい」

 今、俺が悪いと言われたような……。

「なんでもないぞ」

 茶化されたなこりゃ。

「それよりも早く依頼の紙を取って受付に出さないと集合時間に間に合わなくなりそうですよ」

 ティアナの冷静な指摘によって、俺たちはハッとする。

「そうだな、早く掲示板に貼られてる紙を取りに行こうか」

 そして、さっきいたダンジョンの依頼が貼られた掲示板に急ぐ。

 ◇

「おはようございます。あ、君達が噂の推薦で冒険者になった学生さん達ね」

 今日の受付の人は初めての人だった。
 あと噂の君達ってなんだよ。悪い噂なら勘弁して欲しいところだが、この人を見る限りウェルカムという感じだからそれは無いとは思うのだがな。

「今日はここにある依頼をお願いします」

 1.5キロ分の依頼をする。
 Eランク向けの依頼は山ほどあったのだ。最低ランクであるEランクの人はDランク推奨の依頼も請けられるのでみんなそっちに流れたようだったからである。

 斯く言う俺たちもDランクの依頼を取ってきたのだがな。本当にEランクの依頼ギリギリの人達の分を独り占めするのはいくらなんでも非常識だと思ったからだ。
 ちなみにDランクは1キロまであり、今回の俺らは1キロの依頼と500グラムの2つの依頼を請けることにした。


「Dランクの依頼ですが大丈夫ですか? それを2つですけれど……」

 2日目でこれは少し調子に乗り過ぎだったかな……?

「はい、大丈夫です」

「分かりました。では、手続きを済ませておきますね」


 こうして無事、依頼を請けてからダンジョンの集合できたのだった。
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