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21.土御門君の家
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後援から歩いて五分。土御門君の家は、立派な家が建ち並ぶ住宅街の一角にあった。
「ここだよ」
そう言って土御門君が指さしたのは、純和風なお家で他の家よりも広いみたい。お屋敷という感じだ。
「ただいま」
「お邪魔します」
「まぁいらっしゃい」
からりと引き戸を開け、土御門君の後をついて行くと、奥から上品な感じのお婆さんが出てくる。
「藤崎さん、家のことをしてくれてる絹代さんだよ」
お婆ちゃんかと思ったけど、どうやらお手伝いさんみたい。
「はじめまして。あの、こちら、母からです。今日はお邪魔します」
「まぁ、ありがとうございます。かわいらしいお嬢さん、はじめまして」
なんだか照れてしまう。
「絹代さん、こちら、同じクラスの藤崎さん」
「ゆっくりしていってくださいね」
「ありがとうございます」
「楓の間を使いますが、僕達のことは気にしないでください」
「はい、わかりました。ですが、お飲み物とお菓子は持ってまいりますね。麦茶でよろしいですか?」
土御門君に「大丈夫?」と聞かれ頷いた後に、土御門君は絹代さんに「お願いします」と返事をした。
絹代さんは、にこにこと私と土御門君を見て、お屋敷の奥へと戻っていった。
「じゃ、僕達も行こう。こっちだよ」
土御門君の案内でお屋敷の廊下を進む。割と入り口から近いところに『楓の間』はあった。
畳の部屋で、大きな窓には御簾みたいな感じのカーテンが掛けられていて、障子が空け放されている。窓の外には、部屋の名になったと思われる楓の木が見えていた。
「藤崎さんはそっちに座って」
ふかふかの座布団が二つある方に座るよう促されて、素直に腰を下ろした。
「別に正座じゃなくていいから」
「わかった」
正座、慣れてないから大丈夫かなと思っていたのが顔に出ていたのかな。土御門君の言葉はありがたかった。
そんなやり取りをしていると、「失礼しますね」と絹代さんの声がして、土御門君の返事の後にふすまが開く。
「お菓子と、麦茶をお持ちしました」
「ありがとうございます」
ガラスのグラスに麦茶が前に置かれて、たくさんの種類のお菓子が綺麗に並べられた器が二つ置かれる。一つにはクッキーやチョコレートが美しく並べられていて、とてもかわいい。もう一方には、私もよく食べるおかきや、ポテチやといったお菓子も乗っている。どれも美味しそうで、食べてみたい。
「好きな物を召し上がってくださいね」
「わぁ! ありがとうございます」
お礼を言うと、絹代さんは微笑んだ。
絹代さんの足音が遠ざかってから、ハムアキラを座卓の上に乗せる。
「うきゅぅ……お腹が減ったのじゃ」
「ハムアキラ、大丈夫?」
「藤崎さんと、その、占い師さんもどうぞ」
「かたじけない。ありがたくいただくのじゃ」
ハムアキラが好きなポテチを取ってあげると、ハムアキラはカリカリと齧り始めた。
「ここだよ」
そう言って土御門君が指さしたのは、純和風なお家で他の家よりも広いみたい。お屋敷という感じだ。
「ただいま」
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「藤崎さん、家のことをしてくれてる絹代さんだよ」
お婆ちゃんかと思ったけど、どうやらお手伝いさんみたい。
「はじめまして。あの、こちら、母からです。今日はお邪魔します」
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なんだか照れてしまう。
「絹代さん、こちら、同じクラスの藤崎さん」
「ゆっくりしていってくださいね」
「ありがとうございます」
「楓の間を使いますが、僕達のことは気にしないでください」
「はい、わかりました。ですが、お飲み物とお菓子は持ってまいりますね。麦茶でよろしいですか?」
土御門君に「大丈夫?」と聞かれ頷いた後に、土御門君は絹代さんに「お願いします」と返事をした。
絹代さんは、にこにこと私と土御門君を見て、お屋敷の奥へと戻っていった。
「じゃ、僕達も行こう。こっちだよ」
土御門君の案内でお屋敷の廊下を進む。割と入り口から近いところに『楓の間』はあった。
畳の部屋で、大きな窓には御簾みたいな感じのカーテンが掛けられていて、障子が空け放されている。窓の外には、部屋の名になったと思われる楓の木が見えていた。
「藤崎さんはそっちに座って」
ふかふかの座布団が二つある方に座るよう促されて、素直に腰を下ろした。
「別に正座じゃなくていいから」
「わかった」
正座、慣れてないから大丈夫かなと思っていたのが顔に出ていたのかな。土御門君の言葉はありがたかった。
そんなやり取りをしていると、「失礼しますね」と絹代さんの声がして、土御門君の返事の後にふすまが開く。
「お菓子と、麦茶をお持ちしました」
「ありがとうございます」
ガラスのグラスに麦茶が前に置かれて、たくさんの種類のお菓子が綺麗に並べられた器が二つ置かれる。一つにはクッキーやチョコレートが美しく並べられていて、とてもかわいい。もう一方には、私もよく食べるおかきや、ポテチやといったお菓子も乗っている。どれも美味しそうで、食べてみたい。
「好きな物を召し上がってくださいね」
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