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27.星空ワークショップ・前
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颯真君と話している間に結構部屋が埋まっていた。
違う校区の小学生も来ているみたいだ。
「晴明様は来てる?」
「うん。ここにいるよ」
ハムアキラをポシェットから出す。
「颯真、今日はお誘いありがとうなのじゃ」
小声で話していると、颯真君のお父さんが立ち上がる。
時間になったみたいだ。
「では、時間になりましたので、ワークショップを始めます。プロジェクターを使うから部屋を薄暗くするけど、みんなが寝ないように出来るだけ楽しい授業になるようにしたいと思います。では、まずは星座って何っていうところから話していこうかな」
颯真君のお父さんは部屋を暗くして、説明を始めた。
「星座は、簡単に言うと、夜空の中で目立つ星や星の並びに名前を付けたものなんだ。では、問題です。星座って、一体いつからあると思う? わかる人、答えてみたい人は手を上げて」
何人かが手を上げている。颯真君のお父さんはその中の一人、中学生位の子を指名した。
「えっと、歴史で海を航海するのに星を見ていたって習ったんで、千五百年前位ですか」
「残念だけど、もっと前からあるんだ。でも、星を航海に使っていたなんてよく勉強しているね。もう一人聞いてみようかな」
今度は、私と同じ位の小学生の男の子が指名される。
「はい! 千五百年で駄目だったから、二千年前!」
「積極的な姿勢がいいね。でも、残念だけど、それも違うんだ。答えは、五千年前なんだ」
「えぇ~」っと教室中から声が上がる。
「うん。僕達はすっごく昔から星を見て生きてきたんだ。最初はただ見ていただけかもしれないけど、それが段々、線を繋いだりして物語を作るようになって、星の動きを観察する人が現れ、そうするうちに規則性を見つけ出したんだろうね。長い年月を重ねてちょっとずつ星の動きの知識が増えていって、生活に利用するようになっていったんだ」
颯真君のお父さんの語り口に、みんな引き込まれるように話を聞いている。
「――では、その星座なんだけど、季節にや時間帯によって見える星座は違うんだ。ちょうど僕達がフィールドワークに行く時間帯には、南の空に春の星座が勢ぞろいしている。
まずは、北斗七星を見つけて、そこから春の大曲線や春の大三角と言われる星を見つけると、他の星座が見つけやすいかな。スクリーンに映しながら説明するね」
授業が終わって部屋の中が明るくなると、今まで全然興味がなかったのが嘘みたいに星のことが大好きになっていた。
「では、休憩の時間となりましたので、講義はここまでとなります。次は外で星の観察をするので九時には外に出ていてください」
先生の言葉で、それぞれトイレに行ったり思い思いに行動する。
「颯真君のお父さん、すごいんだね」
「……うん」
ちょっと照れくさそうに颯真君が頷く。
「颯真君はいつもお父さんのワークショップを見に来てるの?」
「小学生でも参加できるやつは行くようにしてるよ」
「じゃ、星座も見つけたことある?」
「うん。流星群が見られる時とかは父さんと一緒に早起きして見に行ったりもした」
「そうなんだ。私、星座を探したことなんかないから、北斗七星、見つけられるかな」
「もしわからなかったら、手伝うよ」
「わしも手伝うのじゃ」
「二人とも、ありがとう。ハムアキラはさっきの星座わかるの?」
「知らぬ星の名もあったが、昔から変わらぬ星はわかるのじゃ」
「僕は、晴明様の時代の星の見方が知りたいです」
「うむ、伝授してしんぜよう」
颯真君のお願いに、ハムアキラは嬉し気に頷いている。
違う校区の小学生も来ているみたいだ。
「晴明様は来てる?」
「うん。ここにいるよ」
ハムアキラをポシェットから出す。
「颯真、今日はお誘いありがとうなのじゃ」
小声で話していると、颯真君のお父さんが立ち上がる。
時間になったみたいだ。
「では、時間になりましたので、ワークショップを始めます。プロジェクターを使うから部屋を薄暗くするけど、みんなが寝ないように出来るだけ楽しい授業になるようにしたいと思います。では、まずは星座って何っていうところから話していこうかな」
颯真君のお父さんは部屋を暗くして、説明を始めた。
「星座は、簡単に言うと、夜空の中で目立つ星や星の並びに名前を付けたものなんだ。では、問題です。星座って、一体いつからあると思う? わかる人、答えてみたい人は手を上げて」
何人かが手を上げている。颯真君のお父さんはその中の一人、中学生位の子を指名した。
「えっと、歴史で海を航海するのに星を見ていたって習ったんで、千五百年前位ですか」
「残念だけど、もっと前からあるんだ。でも、星を航海に使っていたなんてよく勉強しているね。もう一人聞いてみようかな」
今度は、私と同じ位の小学生の男の子が指名される。
「はい! 千五百年で駄目だったから、二千年前!」
「積極的な姿勢がいいね。でも、残念だけど、それも違うんだ。答えは、五千年前なんだ」
「えぇ~」っと教室中から声が上がる。
「うん。僕達はすっごく昔から星を見て生きてきたんだ。最初はただ見ていただけかもしれないけど、それが段々、線を繋いだりして物語を作るようになって、星の動きを観察する人が現れ、そうするうちに規則性を見つけ出したんだろうね。長い年月を重ねてちょっとずつ星の動きの知識が増えていって、生活に利用するようになっていったんだ」
颯真君のお父さんの語り口に、みんな引き込まれるように話を聞いている。
「――では、その星座なんだけど、季節にや時間帯によって見える星座は違うんだ。ちょうど僕達がフィールドワークに行く時間帯には、南の空に春の星座が勢ぞろいしている。
まずは、北斗七星を見つけて、そこから春の大曲線や春の大三角と言われる星を見つけると、他の星座が見つけやすいかな。スクリーンに映しながら説明するね」
授業が終わって部屋の中が明るくなると、今まで全然興味がなかったのが嘘みたいに星のことが大好きになっていた。
「では、休憩の時間となりましたので、講義はここまでとなります。次は外で星の観察をするので九時には外に出ていてください」
先生の言葉で、それぞれトイレに行ったり思い思いに行動する。
「颯真君のお父さん、すごいんだね」
「……うん」
ちょっと照れくさそうに颯真君が頷く。
「颯真君はいつもお父さんのワークショップを見に来てるの?」
「小学生でも参加できるやつは行くようにしてるよ」
「じゃ、星座も見つけたことある?」
「うん。流星群が見られる時とかは父さんと一緒に早起きして見に行ったりもした」
「そうなんだ。私、星座を探したことなんかないから、北斗七星、見つけられるかな」
「もしわからなかったら、手伝うよ」
「わしも手伝うのじゃ」
「二人とも、ありがとう。ハムアキラはさっきの星座わかるの?」
「知らぬ星の名もあったが、昔から変わらぬ星はわかるのじゃ」
「僕は、晴明様の時代の星の見方が知りたいです」
「うむ、伝授してしんぜよう」
颯真君のお願いに、ハムアキラは嬉し気に頷いている。
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