4 / 12
Episode 4
涼介はまた変わっていった。
数日後、その答えは突然届いた。
涼介のSNSには、見知らぬ女と密着する写真が投稿されていた。
《#楽しい夜 #可愛い子と》
そして、私のスマホにはいつものように女の子と行為をしてる動画を送りつけてくる。
私にしてるかのように甘く優しいセックスだ。
今回の子は部下の若い女の子。
浮気相手の甘い声。·
「あんっんんっ······そこばっかりダメ······」
「可愛いな·····萌········」
嫉妬を煽るような行動に桃子はいつも胸が締め付けられる。
仕事に忙殺される日々の中で、彼に対する愛情と恐怖が複雑に絡み合い、自分でも感情を整理できなくなっていた。
幾度となく別れを告げるが、
「お前は、俺から離れられないよ。」
その言葉を、桃子はもう何度聞いたかわからない。
涼介との関係は、かつての甘く楽しいものから、徐々に息苦しい檻へと変わっていった。
桃子は、少しでも涼介との距離を置こうと仕事に打ち込んでいた。
外資系企業での毎日は相変わらず忙しい。けれど、その喧騒だけが、彼の存在を忘れさせてくれる唯一の時間だった。
「最近、大丈夫?」
昼休みに同期の佐伯がそっと声をかけてくれる。
「うん……なんとか。」
笑って返すが、視線は自然とスマートフォンに向かった。そこには未読のメッセージが何件も並ぶ。
浮気してる動画を送りつけてきた後なのに、何事もなかったようにメッセージを送ってくる。
「今日は何時に帰る?」
「会社の前で待ってるよ」
「また男と一緒?」
彼の言葉は、いつも疑いに満ちている。
「何か、困ってるなら言えよ。」
佐伯の言葉に、一瞬心が揺らぐ。
「……ありがとう。でも、大丈夫。」
優しさにすがりたくなる自分が怖かった。
もし涼介に知られたら、何をするか分からない。
その日も、会社を出ると冷たい空気が肌を刺した。
辺りを見回すと、街灯の下に長身の影があった。
「桃子。」
「涼介……なんでここに?」
「迎えに来たんだよ。」
彼は微笑みながら手を伸ばす。拒むことは許されない雰囲気だった。
帰り道、無理に明るく振る舞う涼介に違和感を覚える。
「最近、忙しそうだな。」
「うん……プロジェクトが佳境で。」
「でも、俺のことは忘れてないよな?」
「うん、もうあんな動画を送りつけてこないで。」
「それは桃子がいけないんだろ。俺の会社に就職しないし、ピルは飲んでしるな。」
「涼介の会社に行けば浮気相手の子がいるでしょう。」
「嫉妬してくれてるの? 嬉しいな。泣き顔も可愛いな。桃子が言う事を聞けば浮気もしないよ。」
「浮気したいなら別れたほうがいい」
「はぁ? 何だって?」
この話しをするといつも目つきが変わる。
「何度も言ってるだろ。俺からは離れられないって。結婚して子供作ろう。いいだろ?」
「待って、萌さんや彩乃さんや他の女性はどうするの?」
「興味ないよ。」
「どうして関係を持つのよ。」
「それは桃子のせいだろ。俺を怒らすから。」
「怒らしてない。」
「桃子は自分をわかってないよ。俺が牽制して邪魔者を排除しないと男はみんな桃子を狙ってる。桃子の名前の通りで桃のような胸にお尻。みんな見てるんだ。こんなタイトスカートを履いて、誰に見せてる」
「痛い! そんなにお尻を掴まないで。このスーツは涼介が選んでくれたんでしょう。」
「ごめん。そうだったな。我慢が出来ない。早く入れたい。ピルはもう飲むなよ。」
彼の声が一瞬だけ低くなる。その問いかけに、桃子はうなずくしかなかった。
部屋に着くと、彼はため息をつきながら桃子を抱きしめた。
「離れるなよ、絶対に。」
その腕の強さが、まるで彼女を所有物にしようとしているようだった。
それから涼介は甘い優しい愛撫を繰り返して、私の中で何度も欲を吐いた。
本当にもう逃げられない。
あなたにおすすめの小説
義姉と押し入れに隠れたら、止まれなくなった
くろがねや
恋愛
父の再婚で、義姉ができた。
血は繋がっていない。でも——家族だ。そう言い聞かせながら、涼介はずっと沙耶から距離を取ってきた。
夏休み。田舎への帰省。甥っ子にせがまれて始まったかくれんぼ。急いで飛び込んだ押し入れの中に、先客がいた。
「……涼介くん」
薄い水色の浴衣。下ろした髪。橙色の光に染まった、沙耶の顔。
逃げ場のない暗闇の中で、二人分の体温が混ざり合う。
夜、来て。
その一言が——涼介の、全部を壊した。
甘くて、苦しくて、止まれない。
これは、ある夏の、秘密の話。