Hold on me〜あなたがいれば

紅 華月

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流水ノ章

28 女の情念と男の静かな決意

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「…お嬢。『ドン』が先程こっちに着いたようです。早速今夜、千歳のホテルで会えないか…と連絡が。」

「おや、もう来ちまったのかい。…『ロシアの闇のドン』と恐れられ歯向かう者すら居やしない人間だってのに、孫娘の事ともなると『只の爺(じじい)』さねぇ…」

「如何致しやす。…そろそろ『北斗』の連中もさすがに気付くでしょう。」

「……。そうだねぇ…もう少し様子を見ておきたい所ではあるけれど、そう呑気もしてはいられないねぇ。ああ見えて『良い男』だけは揃っているから。」

「…若頭の清水と、本部長の霧山…ですか。清水は腕っぷしに長け、霧山は頭脳明晰…」

「そしてどっちも『外面が良い』ときてる…ふふふ。」

「……。お嬢…」

「…フン、冗談じゃないか。アタシはね『北斗聖龍会』なんかどうでも良いんだ。…女の情念ってのは怖いモンなんだよ?」

女は自らが人の妻となっても尚従い付いてきた男『本宮』に流し目を送りそんな事を口にする。だが楽しげなその笑みも、心底からの笑みではなく『冷笑』である事は男にはわかっていた。

…それを証するかのように、女の手にある椿の花はまるで人の頭が落ちるように“パチン!”という音と共にポロリと落ち転がる。

この花は夫が手塩に掛けて育て咲かせる唯一の花…そして自分も好きな花だ。けれど、夫がこの花を大事に懸命に咲かせるその本当の『理由と意味』を知った時…彼女の中でこの花が『大嫌い』になった。

「…さて、面白くなってきた。2つの勢力に挟まれた『北斗聖龍会』はどうするのか?ふっふふふ…」

…図らずも女の心にあるのもまた、『積年の怨みを晴らす』…この一点のみだった。

事態が動いたのは会の面々が集まり会合を開いたその2日後。心配されていた美優の右上半身の検査の結果が『怪我の影響による一過性である』と断定されひと安心した後の事だ。

とはいえ、早く感覚を取り戻す為にはリハビリが必要となり、圭介と南雲は美優を励まして奮起を促した。

「大丈夫ですよ。何事も真面目な美優さんの事だから、すぐ元気になれます。スタッフも共に頑張りますからね。」

「オレも側にいる。…何にもしてやれねぇかもしれねぇが…それでもいるから安心しろ。…な?」

「…はい。ありがとうございます圭介さん、南雲先生。」

美優の頭をワシワシと撫でる圭介の右手ではあるが、その反対ではポケットの中にあるスマホがブルブルと何かを知らせている。

こんな時に限って…と心中チッと舌打ちする彼だが、かと言って美優を優先したくとも出来ないのが今の現状だ。

正に風雲急を告げる今、惚れた女のみならず会の面々をも守るのが若頭たる自分の務めだと自負している。…ここで黙っていては『予測不能男』の名折れではないか。

どんな事にも自らの身体張って、会の頭脳(ブレーン)と言わしめる霧山すら出し抜き、その上を行く…それが『清水圭介』という男なのだから。

その時ノックがされ『失礼します。』とドアが開く。入って来たのは…

「…美優さん。怪我の具合はどう?」

「話を聞いてビックリしちゃったわ。…まだ痛むわよね?」

みずきと翠は僅か遠慮がちにベッド脇へと歩み寄り美優への気遣いを見せ、彼女もまた心配して来てくれた2人に笑みを浮かべる。

「はい…少しだけ。でもだいぶ楽になりました。わざわざありがとうございます。お2人ともお忙しいのに…」

「あらやだ。そんな事言わないで?本当はもっと早く来たかったの。でも…ねぇ?翠ちゃん。」

「えぇ。お見舞いのタイミングを聞く度に『どっかの誰かサン』が『まだ来んじゃねぇ!』ってドヤすんだもの。…どんだけ独り占めしたいのよって話よっ。」

「……あァ?おいコラ翠…てめぇケンカ売ってんのか?」

「あらあら?自分の事だって認識あるの。ちょーっとは『オトナ』になったんでちゅねー♪」

「~~~っだとオラァ!!」

完全に揶揄い、赤ちゃん口調の翠に対して圭介の額には漫画のような青筋がピキ!と浮かぶ。どうにもこの2人は昔からこの調子らしい。

「やぁねぇ、もう…おやめなさいな2人とも。美優さんがビックリしちゃってるじゃないの。…南雲先生も笑ってないでっ、『昔の杵柄』で止めて下さいな。」

「あっはは!…って、またそれ?だから俺はもう足洗った『堅気サン』!…嫌んなっちゃうなぁ~…嫁に離婚申し渡されたら取り成してくれるの?みずきさんっ。」

「……?…えっと…?」

「あー…ママとはオレが族の頃に知り合ったってのは知ってるよな?この腹立つ女もそうなんだ…『一応』な。」

「ちょっと言い方っ!…酷いんじゃないの?」

「ノンノン。翠…圭介は『元々』こういう奴さ。けれど美優さんに『だけ』甘々なんだ。…どうやらコイツ…女にマジになると『溺愛気質』みたいでねぇ♪」

「あら~♪そうなの?しーくんっ。まぁお店での貴方を見てて、もしかしたら?とは思っていたんだけど。うふふ♪」

「……何なんだ…今日はオレの厄日か?」

「いいじゃない別に。女が男に甘えるだけじゃなく、男が女に甘えたって。…年下男だからとか、年上女だから甘えられないとか…偏見も良いところ。」


「……。」

「お互いが好きなら甘え合えばいいのっ。…そう思わない?」

「…。やっぱ翠…一時期イタリアに住んでただけあって、思考も『イタリア』だなぁ…」

「まぁね!『恋の伝道師』とお呼びなさい!」

「……。美優、こんな『イタリア気触(かぶ)れ』とは服の事以外では付き合い持つな。いいな?女の話し相手ならママがいるし、あかりもいるからよ。」

「…?」

「ちょっとっ、清水圭介!私をハブらないで!私も美優さんと仲良くなりたいのぉ!」

美優から翠を遠ざけようとする圭介に縋る彼女を笑った所で、彼は南雲をチラリと見やる。その視線の『意味』に気付いた南雲に影のある薄い笑みが浮かんだ。

「せっかく来たんだ、後は女同士で楽しんでくれ。…美優、オレはちょっと外に出て来る。幹哉を置いてくから何かあったらすぐに呼ぶんだぞ。」

「…はい。でも…早く戻って来て下さいね、圭介さん。」

「……。あぁ…戻って来る、…必ず…いつだってオレが戻る場所は、お前の所だけだからな…、…美優…」

「……?」

『例え何があろうと…這ってでも、死んででも帰って来る。』…そんな言葉が過った圭介だったが、それを彼に言わせなかったのは何も知らずに『早く戻って来て』と言って見せてくれた笑みが余りに綺麗だったからだ。

…そんな顔を見せられては、離れたくないという欲が出てくる。

だがそれらを言えない代わりにそっと抱きしめ、その温もりを自らの『エネルギー』とした彼はやがて離すと傍らにいるみずきと翠に託して病室を南雲と共に出て行く。

「……兄貴。」

「悪りぃが幹哉…お前はここに残ってくれ。美優だけじゃねぇ…みずきも翠もいる、それに…『奴ら』が分散してこっちに来る可能性も捨て切れねぇ。」

「……。」

「…そん時ゃ迷わず3人連れて、奴ら撒いてここから逃げろ。…逃げ先はお前に任せる。」

「ですが…」

「幹哉。病院の事なら心配しなくていいよ。看護士長である俺の嫁と弟に話してある。こっちはこっちで手は打ってあるから…今、重要なのは3人の命さ。」

「……。…頼んだぜ。」

そう言って肩を叩き、幹哉を残して歩いていく2人の男の背を見送る。

「…南雲、お前いいのか?志穂に後になって離婚だって騒がれてたってオレはマジで知らねぇぞ。…抜けるんなら『今』しかねぇぜ?」

「あのなぁ圭介…族の頃ならまだしもだ、足洗って医者稼業の堅気でありながら『極道』のお前とこれまで通りの付き合いしてる時点で、いつかこんな日が来るってハナっからわかりきってんだよ。志穂や健には一から十まで全部話してある…それでもアイツがそうやって言うのは『冗談』みたいなモンだ。」

「……。」

「…流平も、ある意味では『幸せ』を掴んだ…惚れた女と一緒に死んだ事で。俺だって志穂と知り合って、族上がりだって知っても結婚してくれて…ある意味『幸せ』掴んださ。…後は圭介、お前が美優さんと幸せ掴む番なんだぜ。」

「……。昨夜…流平が死んで初めてオレの夢に出て来た。『美優さんと幸せになりたかったらな…圭介、死ぬ気で頑張れ!お前なら絶対勝てっから!』って…、…何で流平が美優の事知ってんだ?って思って不思議だったんだけどよ…あぁ、アイツが美優を助けてくれたんだな…ってな。」

「…ははっ…流平のヤツ、マジで人懐っこいっつうか…明るい優しいヤツだったからなぁ…困ってる美優さん、ほっとけなかったんだろうな…」

「………。」

「…何だよ、怖気付いてんのか?『北斗聖龍会』の若頭がよ…」

「…いや…こんな事になんなら、美優に堅気の『全部』を捨てさせたのは…間違いだったかと思って、な…」

「ッ…バカ野郎ッ、妙な腹積もりなんかすんじゃねぇッ。…何の為に俺が行くと思ってんだ…何があったってお前は死なせやしねぇ…流平だって力貸してくれるさ…」

ポン!とその背を叩き、2人の男は『後で会おう。』と別れる。…だが南雲は僅かな会話で垣間見せた圭介の『影のある表情』と、珍しく口にした『後ろめいた言葉』が妙に引っかかりその背をいつまでも見ていた。

そんな圭介が病院を出て、ひとまず戻ったのが自宅マンションだ。今や彼を出迎えてくれる愛しい女(ひと)がいないこの部屋も、すっかり寂しく寒々しいものだ。

たったの数ヶ月でこうも変わっちまうのか…と、圭介は自虐するかのようにクッと冷めた笑いを浮かべる。

(……美優の存在は…でけぇなぁ…デカ過ぎんぜ…)

果たしてこの虚空感は、あと僅か我慢すれば終わるのか…それとも、永遠に続く地獄となるのか…

「………。」

静かに閉じていたその両眼がゆるりと開かれ…キッと特徴のある吊り目に力が入る。それは在りし日、初めて出逢った美優に向けた『情欲』の込もったそれにも似ていた。

そうして圭介は儀式かのようにシャワー浴び、それまで愛着してきた派手なジャージからワイシャツからスーツまで全てを『黒』で統一して着替える。

ワイシャツを着る前の素肌の腹部には晒(さらし)を巻きつける。…族の頃からの習慣とも言えるこの行動だが、彼の『生』へのしがみつきが僅かながら見えた。

だがそれも様々な意味で美優を奪われてしまってはまるで意味がない…命が助かったとしても『生きる屍(しかばね)』と成り果てるだろう。

圭介は全てにおいて覚悟を決め、腹を据えてこれからに立ち向かう。盃を交わした司と将也、幹哉の3人の舎弟が暮らすマンションの家賃の2年分を先払いで払い込み、3人それぞれの名義で作った銀行口座通帳と印鑑をリビングのガラステーブルの上に並べ置く。

…先払いを『2年』としたのは、自分に何かあったとしてもその間に自らの手で稼ぎを得られるだろうという『信頼の証』。そして銀行口座にはそれぞれ2千万円という大金が入っている。

かつて舎弟だった自分が、その手を離れ自活して会の『若頭』となると決まった時…舎兄たる笛木がそうしてくれたように。

こんなに早くアイツらに渡す事になっちまうなんてな…と、僅か感慨深くそれらを見下ろす。本当なら自分の手を離れていくその時に、美優と2人で笑いながら叩きつけて渡してやりたかったモノだった。

「……やっぱオレは…真っ直ぐ、とはいかねぇみてぇだぜ…流平…、けどよ…お前が言ったあの言葉の意味…今んなって痛ぇくれぇよくわかる……アイツの、美優の為なら…この身体張って『死ねる』ぜ。…そん時ゃ悪りぃけど…ちょっくら迎えに来てくれや…な?流平…」

今や亡き友流平へのそんな呟きに『なぁに言ってやがんだ!勝てるって言ってんだろッ、圭介のスカポンタン!』…と、にゃはは♪と独特な笑顔で笑う彼の姿と声を聞いたような気がした。

「………。」

無言で部屋を出た圭介が向かったのは、別で借りているマンションのガレージ。ガラガラと開いたその奥にあるのは…10年前、仲間と共に地元を捨てこの地に来た頃から大事にしてきた相棒とも言える改造バイクだ。

手間暇を惜しまず手入れがされてきたそれは、見た目も機械部分たる中身も新品に等しく輝きを放っている。

「…久々だな…美優の為にちょっくら付き合ってくれな…」

ボディーをポン!と叩き、鍵を回してエンジンを掛けた彼に『ドゥルルン!!』と応えたバイクは、主の指示に従って走り出す。

…『予測不能男』清水圭介が…動き出した…
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