50 / 97
番外編 本部長霧山悠斗の恋
蓋を開けてみれば
しおりを挟む挙式もなく、披露宴やパーティーもない。祝いの言葉は笛木やみずきそして真次からのみ。写真すら撮る事なく互いにいられればそれで良いと始まった夫婦としての生活。…その幸せは僅か2日目にしてストップが掛かってしまった。
「…はいそのようです。調べた所、その貸倉庫は佐野組の本宮が手配したようで…、…」
午後に情報屋からの連絡を受け、霧山は即座に動き会長に知らせると共にその後の指示を仰ぐ。
「…承知しました。皆に場所を知らせると共に召集を掛けます。集合は会長の邸宅で宜しいですか?…、…はい、では失礼します。」
電話を切るや、すぐさま事前に用意していたメール文に必要情報と会長の邸宅に集まるようにと加えて一斉送信した。
「…、……」
一瞬何かを言いかけた霧山だが、言うでもなく椅子を立ち着替えに向かう。そしてその後ろをいつものようにほのかも付いて行く。今やお決まりのこんな姿も、この日はどこか翳りがあり寂しさが滲み出る。
「…楽しくて“良い”時間はホントあっという間だな。けど…一時止まるだけで、またすぐに始まる…」
「……っ…」
「…。心配すんな。蓋開けてみたら、案外チャチャッと終わっちまうかもしれねぇし。」
そう言いながら次々と着替え、いつもの縦縞スーツに黒ワイシャツとネクタイをした彼は、ふと何かを考えるかのように動きを止めたが…やがて『あ゛ァーッ!』と声にならない声を上げ叫ぶ。
「元々の俺はな!こんなっ…他人はおろか、近しい身内にすら甘えたり『素』を晒す真似なんかしねぇんだ!学生の頃だって向こうから擦り寄って来るクセに『つまんない』言われてフラれるのが毎度のオチだったんだ!」
「…え、それヒドいっ…」
「…。けど…けどな、お前だけは違った…こっちは極道だっつってんのにグイグイ迫ってくるし…誰彼構わず斜めに抜けた事言いやがるしっ…」
「…。それって…遠回しに『足りないコ』だって言ってる?もしかして…むぅ。」
「ほっとけねぇってんだ!そこらのガキみてぇに何考えて何やらかすか、わかったモンじゃねぇッ。」
「信用、まるでナシ…わぷ?!」
「…。いいか…大人しくココにいるって約束しろ…何があっても外に出るなっ。隣市でドンパチやり合うっつったってな、何がどうなってこっちになだれ込む事になるかわからねぇんだっ…だからっ…ここで待っててくれっ…」
「……。ココで、待ってたら…ちゃんと『帰って』来てくれる?悠斗さん…」
「…あぁ、帰って来る…」
「…。ホントに帰って来る?…私を1人にしない?」
「しねぇよ。這ってでも帰って来る…殺られたとしても、幽霊になって帰って来る…」
「え。幽霊な悠斗さんはヤダ…怖いもん…」
「オイ。そこは『幽霊でもいい。』って言えや。」
「……。」
「…。」
束の間の別れを惜しむ甘い雰囲気も、たった今の言葉で見事に霧散してしまう。代わりに漂うのは、何とも言えない微妙な空気だ。こんな中でまだ言いたい事があった霧山だったが…シュンと引っ込んでしまう。
「……行って来る。お互い、約束は守ろうな。」
「…。行ってらっしゃい、悠斗さん。」
「……。おう…」
いつもの笑顔を見せてくれるほのかに『チュッ』とデコチューを落とし、霧山は切り換えるかのような足取りで歩き出て行く。
その背を見送り、あまつ手まで振っていた彼女だったが…
「…っ、…っう…っ、ふぇっ…」
力なくダランと手が落ちその場に崩れ落ちると、嗚咽と共に大粒の涙が溢れ伝った。
「…っうっ…悠斗、さんっ…っ、…っ悠斗さんっ…ひぅっ…」
笑って見せたのも、斜めに抜けた事を言ったのも…全ては霧山に心置きなく、会の為そして若頭の為に行って欲しいというほのかにとって最大の『出来る事』だった。
…ついさっきまでこの耳で聞いた彼の鼓動は今でもありありと残っていて…それが止まってしまうかもしれないなんて考えたくもないほのかは、温もりが残る霧山のシャツをギュッと抱き締めた。
そんなほのかを残して、霧山がまず向かうのは会の事務所だ。足早に入り自らのデスクの引き出しを開けると鍵を取り出して会長室へと入る。
開錠し中から出した物を車に全て積み込むと、颯爽と集合場所である会長の邸宅へと向かった。
着いた頃には既に半数近くが集まっており、若衆数人を捕まえると持って来た物をドン!と置き、場に広げ見せた。
「オイ!好きなモン持ってきな!」
…霧山が事務所から持ち出したのは大量の『銃』だ。本部長として一切の管理を行う彼ではあるが、こんな日こそが使い時と判断…会の皆に携帯する事を許可する。
「うぉい!マジかっ。随分と気合入ってんなぁ~本部長!」
「みすみす大事な会員を死なす訳にゃいかねぇからな。ただし!使い所を間違えんなや?そして発砲許可は会長がされる!それまでは使うな!…後で面倒起きた時、『人身御供』を出さなきゃなんなくなるからよ!」
霧山の言葉を受け、場に「わっははは!」と笑いが立つ。そしてそれに調子付いたか更なるツッコミという文句が入る。
「でもなぁ~、なんか許可を待つとか…軍隊かサツみてえだな。俺たちゃ任侠、泣く子も恐れる『極道』だぜ?」
「…あ?文句あんなら1番に取ったソイツを返せ。東雲さんよぉ…」
「うわぁ、す、すまんっ、悪かったっ!」
そんなやり取りに更にドッと笑いながらも、皆は好きな銃を各々選び出す。霧山はそれを尻目に会長へと歩み寄った。
「…会長。ちょっと勝手が過ぎましたか。」
「いいんじゃないですか。お前がやらずとも私が持って来るように言ってましたよ。」
「…恐れ入ります。」
「霧山…『帰るから』と、言ってやりましたか?私の可愛い“義娘”に。」
「…。とりあえずは。死んだら幽霊になって帰って来るっつったら…『幽霊は怖いからヤダ。』言われちまいましたが。」
「あっははは!こんな時でもそんな事を言いますかっ。…案外、肝が据わっているのかもしれないですね。」
「さぁ…強がるトコがあるヤツなんで判断しかねます。」
そうしている内にも会の面々は次々と集まり…残るは若頭の清水のみとなる。だが…
「…。時間になりました会長。しかし若頭がまだ…」
「嫌な予感がしますねぇ…」
場には清水の舎弟である司と将也がいる。珍しくも『別行動』をしているその意図は…
「…。まさかと思いますが…」
「ふむ。向こうに『いる』可能性が非常に高い。…あの単細胞がっ…」
「…っ…」
「会長!圭介来てますか?!」
「…いえ。どうやらしてやられましたよ…」
「うわ…最悪だっ。やっぱ付いてけば良かったっ、クソッ!」
慌てて駆け寄って来た南雲によると、午前中までは一緒にいたらしい。美優と3人で話をして、見舞いと称して来てくれたみずきと翠に彼女を託した後、一度マンションに戻ると言って帰ったようだ。
「その時…なんか嫌な感じしたんだ。夢に流平が出てきたとか、美優さんに堅気さんとしての全部を捨てさせた事を悔やんでみたり。」
「……。」
「やれやれですねぇ…どいつもこいつも死ぬ事ばかり考えて。そうと決まった訳でもなし、死ぬ時ゃ誰だって死ぬんです。…それが『いつ、どうやって』かがわからないだけで。」
「……。」
「か、会長?…どいつはわかりますけどね、こいつが誰の事なのかさっぱり…」
「さて。そうなるとこうはしていられませんよ。…霧山。」
「…はい。オイてめぇら!行くぞ!!」
『うす!!』
かくして『北斗聖龍会』の面々に南雲と真次が加わった一行は、進路を隣市にと向けて黒塗り高級車に分乗し走り出す。
前から3台目には会長と南雲、霧山と運転手として小田切が乗り込んだ。
「…ったく、圭介のヤツ…事のデカさわかってるのか?」
「仕方ないでしょう。何せ『予測不能男』なんですから。」
「……はぁ…」
後部座席の2人がそんな会話をする一方で、助手席の霧山はただただ流れていく車窓からの景色を眺め見ていた。
こんな風に車に乗っていると、ほのかと出逢い付き合い出したばかりの頃の束の間のドライブを思い出させた。これが無事に終わったら何処かに連れてってやろうと思った時…彼は気付いた。
「……。」
視線の先にあるのは、自分の左手薬指にピッタリ嵌り輝く『結婚指輪』。籍を入れたその足でショップに入り既製品を購入したのだが、それにすら文句を言う事なく嬉しそうに笑っていたほのかの顔が浮かぶ。
会長にも自分で言ったように、ほのかはどこかで強がり自らの感情を隠す傾向がある。それは霧山自身も似た所があるがゆえに気付いた事。だからそれが溜まるとドカンと爆発してとんでもない事をやらかしたりするのだ。
そんな彼女をわかってやれるのは自分『だけ』…その自負が、霧山を動かした。
スマホを取り出してラインを開くとメッセージを打ち込み送信した。…それは別れ際にほのかに伝えたかった言葉…
『愛してるぜ、俺の可愛い嫁さん。必ず帰るから、帰ったらお前を抱かせてくれ。』
果たしてこれを読んだほのかがどんな反応するのか…そんな事を考えたらフッと顔が緩んでしまった。
「…ん?霧山くん…今笑った?ねぇ笑ったよね?何ナニ?何か楽しい事あるのかな?」
「お前、もしかして暴れるのが楽しみとか思ってませんか?それとも…ほのかさんの事でも考えてましたか。」
「わあい、こんな時にカノジョの事考えてるぅ~。後で圭介にバラしてやろうっと!アイツのネチネチはしつっこいゾォー♪たぶん美優さんもツラい思いしてると思うんだなー♪」
「…。何の話すか。てか逸れてません?話。」
「わははは!若頭もそうですけど、キリさんもこんな涼しい風でいてSっ気たっぷりですからねー。何せ欲しい情報吐かせる為ならあのテこのテでっ…もうアクセル全開ですから!あの可愛い彼女さんも…可哀想にっ。」
「だから!何の話だってんだよ!それに俺のセックスは『ノーマル』だ!若頭と一緒にして勝手な想像すな!」
「「わっははは!」」
「…。何なんですかねぇ…ウチの人間はいざ鉄火場となるとこのテの話題が必ず出てきます…」
…こんな笑い話を隠れ蓑に、霧山はひっそりと左手の指輪を外しズボンのポケットにギュムと押し込むのだった。
やがて着いたのが隣市にある貸倉庫群。港のすぐ側とあってもろに浜風が吹き抜けていく。
車から降りた霧山がまずしたのは…若頭清水の所在地探しだ。陽が落ち始め薄暗い中を目を凝らして辺りを見回す。
「なさそうだな、圭介の車…」
「…はい。」
「どうやって来たんだ?アイツ。実は来てなかったりして!」
「…。それはあり得ません。」
「……ダヨネー…」
「霧山…例の場所は?」
「右から3番目です。…っ?!…開いてる?」
「…行きますか。」
こうしてようやく場に駆けつけた時…中では既に若頭清水は暴れまくっていた。多勢に無勢の中にも関わらず、その大半が伸されそこらに倒れ伏している惨状にどんだけだとドン引きしながらも、南雲がいの一番に声を掛けたのだ。
…『待たせたな!』と。
そんな南雲に清水は『げ!』と言わんばかりの表情を見せた。…本当に来るとは思わなかったようだ。そこには族から足を洗って堅気となった南雲を思っての事である。
だが結局は会全員が乱闘に参じ…驚く事にその場に美優やみずきらまでもが姿を現して、ロシアのドン『ミハエル・ロゼーニョ』と対峙し…一連の事件の黒幕である笛木の妻紫乃とも決着が付いた。
…全てが終わった時、外はすっかり陽が落ち…誰の死人も出る事もなく、携えてきた銃も使う事なく。多少の怪我人が出たくらいで済んだのだった。
「しかし…拍子抜けですね。さすがは若頭!ってトコでしょうか。」
「そりゃしーくんは、族の頃に『特攻隊長』やってたんだから…あんなの造作もないわよっ。ねぇ会長?」
「けれど説教です。あんな事されたら何の為の会合ですっ…ったく。」
「そうよ笛木さん!アイツちょっと締め上げて下さいよ!」
「…あ、そうそうキリさん!私の可愛い娘ちゃんは元気?」
「え、あ…はい、い、一応?」
「…。泣かせてないでしょうね?」
「っ?!だ、大丈夫す…たぶん。」
「…。その『たぶん』ってのがちょっと気になるけど…まぁいいわ。よろしく伝えてねっ、ママが心配してたって♪お店にも連れて来てね?会いたいわー。」
「…あ、あの…みずきさん?さっきから『娘ちゃん』って…いつ子供産んだんですかっ?!」
「え?いやね、産んでないわよっ。諸々あってある子の『ママ』になったの。義理…って言うか養育者?ってヤツね。ちなみにパパは会長よ。」
「パパですよ♪」
「えー…その子って、どんな曰くの子なんですか?何歳なの?」
「曰く…。言っちゃっていい?キリさん。」
「…、…」
「お返事なし!という訳で言っちゃう!その子はねー…何と!キリさんの『奥さん』なのよー♪」
「うっそ!!ち、ちょっとキリさん!どういう事か一から説明しなさいっ。」
「あ、あれっ?!キリさんっ…いつの間に結婚したんですか?!」
「ま、マジで言っちまったよこのヒト…」
「あはは…悪いな霧山。本当の娘みてぇに思えて可愛いんだよ、みずきはよ…」
「…はぁ…」
「ちょっとー!霧山悠斗ー!聞いてんのヒトの話ー!」
「酔っ払いか!てめぇはっ。」
僅かぽけっとしてる間にみずきにバラされてしまった霧山は、札幌に帰り着くまでの車中で延々とほのかの事を根掘り葉掘りと質問攻めに遭うも、頑なに口を割る事なくやり過ごしたのだった。
持ち出した物を元に戻し、会長との話を終え帰宅の途に着いたのは夜10時近く。マンションの玄関前まで来た霧山だったが…そこから一歩も動けずにいた。かれこれ10分近くこうして突っ立っている。何故なら…
(…。は、入りづれぇ…)
どこぞのサラリーマンのお父さんのような事を思う彼の気持ちもわからなくもない。まさか本当にこんなにアッサリと片が付くとは思っていなかったのだ。しかも死人も出る事なく。
霧山がやった事と言えば、会長に近寄ってきた相手の何人かを『ふざけんなや。』と足蹴に蹴っ倒したくらいなもの。…あれだけ大騒ぎし、壮大な覚悟を決めたというのに肩透かしも良い所だ。
もはやこうなると事務所で寝て、明日の朝イチで帰って来た方が…なんぞと考えてしまう。だがしかし…
(…。一人寝は…もう無理だ、出来ねぇ…)
ほのかが入院していた時に強いられた、一人寝の寂しさと虚しさを再び、と考えるとちょっと…いや『かなり』無理だった。
「…。ふぅ…入るか。」
『自分ちなんだから、何の遠慮がある!』と、ある意味で斜めに開き直った霧山。ガチャリと鍵を開け中へ入って行くと…
「…。何だ…アレ。」
ベッドの上にはこんもりと丸まった『固まり』があり…ふるふると震えていた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】少年の懺悔、少女の願い
干野ワニ
恋愛
伯爵家の嫡男に生まれたフェルナンには、ロズリーヌという幼い頃からの『親友』がいた。「気取ったご令嬢なんかと結婚するくらいならロズがいい」というフェルナンの希望で、二人は一年後に婚約することになったのだが……伯爵夫人となるべく王都での行儀見習いを終えた『親友』は、すっかり別人の『ご令嬢』となっていた。
そんな彼女に置いて行かれたと感じたフェルナンは、思わず「奔放な義妹の方が良い」などと言ってしまい――
なぜあの時、本当の気持ちを伝えておかなかったのか。
後悔しても、もう遅いのだ。
※本編が全7話で悲恋、後日談が全2話でハッピーエンド予定です。
※長編のスピンオフですが、単体で読めます。
【完結】家族に愛されなかった辺境伯の娘は、敵国の堅物公爵閣下に攫われ真実の愛を知る
水月音子
恋愛
辺境を守るティフマ城の城主の娘であるマリアーナは、戦の代償として隣国の敵将アルベルトにその身を差し出した。
婚約者である第四王子と、父親である城主が犯した国境侵犯という罪を、自分の命でもって償うためだ。
だが――
「マリアーナ嬢を我が国に迎え入れ、現国王の甥である私、アルベルト・ルーベンソンの妻とする」
そう宣言されてマリアーナは隣国へと攫われる。
しかし、ルーベンソン公爵邸にて差し出された婚約契約書にある一文に疑念を覚える。
『婚約期間中あるいは婚姻後、子をもうけた場合、性別を問わず健康な子であれば、婚約もしくは結婚の継続の自由を委ねる』
さらには家庭教師から“精霊姫”の話を聞き、アルベルトの側近であるフランからも詳細を聞き出すと、自分の置かれた状況を理解する。
かつて自国が攫った“精霊姫”の血を継ぐマリアーナ。
そのマリアーナが子供を産めば、自分はもうこの国にとって必要ない存在のだ、と。
そうであれば、早く子を産んで身を引こう――。
そんなマリアーナの思いに気づかないアルベルトは、「婚約中に子を産み、自国へ戻りたい。結婚して公爵様の経歴に傷をつける必要はない」との彼女の言葉に激昂する。
アルベルトはアルベルトで、マリアーナの知らないところで実はずっと昔から、彼女を妻にすると決めていた。
ふたりは互いの立場からすれ違いつつも、少しずつ心を通わせていく。
社員旅行は、秘密の恋が始まる
狭山雪菜
恋愛
沖田瑠璃は、生まれて初めて2泊3日の社員旅行へと出かけた。
バスの座席を決めるクジで引いたのは、男性社員の憧れの40代の芝田部長の横で、話した事なかった部長との時間は楽しいものになっていって………
全編甘々を目指してます。
こちらの作品は「小説家になろう・カクヨム」にも掲載されてます。
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
騎士団寮のシングルマザー
古森きり
恋愛
夫と離婚し、実家へ帰る駅への道。
突然突っ込んできた車に死を覚悟した歩美。
しかし、目を覚ますとそこは森の中。
異世界に聖女として召喚された幼い娘、真美の為に、歩美の奮闘が今、始まる!
……と、意気込んだものの全く家事が出来ない歩美の明日はどっちだ!?
※ノベルアップ+様(読み直し改稿ナッシング先行公開)にも掲載しましたが、カクヨムさん(は改稿・完結済みです)、小説家になろうさん、アルファポリスさんは改稿したものを掲載しています。
※割と鬱展開多いのでご注意ください。作者はあんまり鬱展開だと思ってませんけども。
王宮に薬を届けに行ったなら
佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。
カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。
この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。
慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。
弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。
「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」
驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。
「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」
※ベリーズカフェにも掲載中です。そちらではラナの設定が変わっています。内容も少し変更しておりますので、あわせてお楽しみください。
27歳女子が婚活してみたけど何か質問ある?
藍沢咲良
恋愛
一色唯(Ishiki Yui )、最近ちょっと苛々しがちの27歳。
結婚適齢期だなんて言葉、誰が作った?彼氏がいなきゃ寂しい女確定なの?
もう、みんな、うるさい!
私は私。好きに生きさせてよね。
この世のしがらみというものは、20代後半女子であっても放っておいてはくれないものだ。
彼氏なんていなくても。結婚なんてしてなくても。楽しければいいじゃない。仕事が楽しくて趣味も充実してればそれで私の人生は満足だった。
私の人生に彩りをくれる、その人。
その人に、私はどうやら巡り合わないといけないらしい。
⭐︎素敵な表紙は仲良しの漫画家さんに描いて頂きました。著作権保護の為、無断転載はご遠慮ください。
⭐︎この作品はエブリスタでも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる