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大地の章
壱、清源妙道真君・ヤンジン
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大地の章
壱、「清源妙道真君・ヤンジン」
奇貨居くべし。他部族への警戒心が強い地平龍人族の本拠地で、清源妙道真君ヤンジンと出逢えた手を利用しない訳が無い。むしろ有効活用すべきだ。なぜならヤンジンもロンらを利用する気満々だからだとロンは考えている。
ヤンジンに連れてこられたのは地平龍王の居城である高麗城の一角――ヤンジンの部屋だった。切り出した石を組み合わせた石城内で最も日当たりのよい南の部屋だ。岩肌にもたれかかるように立つ三十階層の最上階である。広さも王の居室と並ぶ広さのはずだ。二間続きの中央の部屋で、ヤンジンは粗末な藁座を二枚、床に投げたかと思うと自身はふっかりとした長椅子に腰かけて「で?」と不遜の極みの態度でロン達に問うてくる。
ロンとエイルはしぶしぶ藁座に正座し、荷物を置く。
燦々と入ってくる陽光、窓を開ければ見渡す限りの緑の絨毯が広がる。緑の所々に羊や牛、馬が居て非常に牧歌的な風景である。
「師匠は地上の出身でいらっしゃいましたね。もしかせずとも、地上に来られる度に地平龍王の客体を利用して遊んでいらしたとお見受けしますが、如何?」
「……てめえはどこまでも口が減らねえな。その無駄に回転のいい頭は別のことに使えと何度も言ってんだろ。たまには師匠の言葉におとなしく従ったらどうだ?」
「あいにく師匠の言葉に大人しく従ったら碌なことがないとは、仙界留学した一年目で気づきましたので。しかし、今は渡りに舟。師匠は地平龍人族の事情に明るいと判断して、お尋ねします――この大地で、秘宝・肉石に匹敵する宝をお教え頂きたい。こちらからは、天空の事情と我らが龍王エイシャ様の密命をお話ししますゆえ」
「空と海の事情だあ?」
「事は第二次三龍大戦に繋がります。疾く情報開示を――お願いします」
ぺこりと頭を下げたロンに、ヤンジンはこれ以上ないほど顔をしかめた。「嫌だ」と顔に書いてあるが、ロンは伝わってないと思ったのか、もう一度頭を下げた。
「だああ!! てめえは話が通じないから嫌なんだって気づけよ!! 第一、女遊びをてめえにだけは指摘されたくねえって言ったよな!? 俺、仙界で言ったよなあ!? 常に『姫様、姫様』とうるさかったお前に協力するってことは、また例のセツカ姫が関係してるんだろうが!!」
「そうですが、俺が姫様のことで師匠にご迷惑をおかけしたことがありましたか? ありませんよね。とんと記憶にございませんし、むしろ東方王様に命じられてあなた様の捕獲に何度駆り出されたか、お忘れとは言わせません」
怒涛の抗議も流された上に、反撃で痛いところを突かれた。体力が根こそぎ削がれたのか、ヤンジンは長椅子に突っ伏した。
「泣く真似をしても無駄ですよ。こちらは火急の要件なのですから、さっさと諦めてください」
「……ちっ、肉石に匹敵する宝と言ったな。まずは空の話をしろ。じゃなきゃ、俺も軽々しく教えられん」
「わかりました」
エイシャに語った内容とほぼ同じだが、ロンは端的に天空と地上の状態が危険であること語った。ロンの話が進むにつれて、ヤンジンの表情も険しくなる。
「リナリア王は空石を自身に取り込んだ、ねえ。なるほど。地上が空に奇襲をかけているのは知っていたが、王自身が秘宝と同化したとなれば話が別だ。地平龍王も同じ手に出ないように忠告する必要があるな」
「あの」とこわごわと挙手したのはエイルだった。
「父上――エイシャ王とまったく同じことを真君も危険視されるのはなぜでしょう? リナリア王が空石を護るために同化したのは、そんなに三龍界にとって影響を及ぼすとのお考えを……教えてください。俺は無知なので、事態の大変さがわかっていません」
ヤンジンの答えは明確だ。「秘宝との同化は死と同義だからさ」と抑揚のなく返ってきて、エイルの心の臓がどくりと跳ねた。
「天空に空石、地上に肉石、海に桜真珠――これは天地創造と共に始祖の龍が定めた絶対の理――真理だ。始祖の龍は秘宝に絶大な力を与えると同時に、それぞれを国の柱とした。ところがそれが狂わされたのが、かの三龍大戦だ」
ヤンジンは長椅子から立ち上がっても話し続ける。水差しから杯に茶を淹れ、喉を潤す。
「だが、三龍大戦はきっかけに過ぎない。大戦以前から空と地上の衝突は深刻だったからなあ。つまり遥か以前から国を支えてきた秘宝の力の消費はじわじわと進んでいた。そこへ極めつけの大戦争。海は実にうまく立ち回ったと思うぜ。俺はその点を評価する。防衛に徹した賢王も、秘宝の力に頼らずとも魔力甚大な姫の奇策で桜真珠は魔力を消耗することなく、姫一人が眠りについただけですんだ」
ヤンジンはロンに視線を向けながら、また杯を呷った。
「ところが、だ。リナリアには石との同化する危険性を説いてくれる臣が居なかった。空の民は皆が度重なる小さな衝突に疲れ切っていたからだ。お前たちは空石に再び力を吹き込んでやったと言ったな。俺はそれを非難はしない。空石に力が無くなれば、天空がそのまま落ちてくるからな。だが、不幸なのはリナリアの後継である王子と姫だ。リナリアの夫は三龍大戦で死んでいる。皇太子もまだ幼い。なのに、母親は捨て身の策を取った――エイシャの読みは外れていない。まず間違いなく兵が整ったら、空は地上を攻めるだろう。リナリアを空石の餌にして、だ」
どんどんと顔色が悪くなる一方のエイルとテム。ロンは「では、天空の襲撃を回避するには?」と問う。
「まずは早めに地平龍王に話をつけることだ。それとセツカ姫の一刻も早い覚醒だな。先ほど肉石の代用品と言ったが、俺が知る限りでは『大楠の心臓』だが、これを手に入れるのは命と引き換えだと思った方がいい」
「取扱いに問題でもあるのですか?」
「いいや。これを持ち出したら空への奇襲ができなくなる。お前ら、雲を突き破る大樹で地上の連中が襲ってきたのを見たのだろう。あれが『大楠』。ゆえに、これを狙う者は決まって死罪だ」
「姫様の覚醒が誰かの死と引き換えでは本末転倒です。ならば、代用品を作ることは不可能でしょうか?」
「不可能ではないが……それ、俺に働かせるつもりだろう?」
「当たり前ではありませんか」
大真面目に答えるロンに、どこに隠し持っていたのか、ヤンジンが上段から斬りかかった。ロンは手慣れた様子で、白刃取りをする。ぎりぎりと師弟の醜い争いをしながら、ロンは「師匠こそ、そろそろ目的を話したらどうです?」と誘いをかける。
「ああ!?」
「あなた様とのやりとりは等価交換だといつも口を酸っぱくしておっしゃっていたでしょう。あなた様には肉石の代用品を作って頂く。代わりに、我らにご命令しようとしていたことを教えてください。まだ手の内を見せぬとおっしゃるならば、力づくでも吐いて頂く」
ヤンジンは刀を引いて「いいだろう」と答えた。実にあくどい笑顔を浮かべて、ロンを見下ろした。
「お前では少々いかついが、まあ、薬を使えばどうにでもなる――後宮に潜入してこい」
「……はい?」
「地平龍王は両刀使いでな。長年、迫られていい加減に鬱陶しかったところだ。王子には俺の補佐をしてもらう。その間に、ロン、後宮に入って書きつけるものを取ってこい」
この部屋がなぜヤンジンに与えられたのか、ロンとエイルは瞬時に理解した。要するに、王のヤンジンへの求愛行動の一つであったようだ。
そして面倒ごとから逃れるために、弟子を差し出す師匠――。
「鬼畜」という単語が二人と一匹の脳裏によぎったのは言うまでもない。
続...
壱、「清源妙道真君・ヤンジン」
奇貨居くべし。他部族への警戒心が強い地平龍人族の本拠地で、清源妙道真君ヤンジンと出逢えた手を利用しない訳が無い。むしろ有効活用すべきだ。なぜならヤンジンもロンらを利用する気満々だからだとロンは考えている。
ヤンジンに連れてこられたのは地平龍王の居城である高麗城の一角――ヤンジンの部屋だった。切り出した石を組み合わせた石城内で最も日当たりのよい南の部屋だ。岩肌にもたれかかるように立つ三十階層の最上階である。広さも王の居室と並ぶ広さのはずだ。二間続きの中央の部屋で、ヤンジンは粗末な藁座を二枚、床に投げたかと思うと自身はふっかりとした長椅子に腰かけて「で?」と不遜の極みの態度でロン達に問うてくる。
ロンとエイルはしぶしぶ藁座に正座し、荷物を置く。
燦々と入ってくる陽光、窓を開ければ見渡す限りの緑の絨毯が広がる。緑の所々に羊や牛、馬が居て非常に牧歌的な風景である。
「師匠は地上の出身でいらっしゃいましたね。もしかせずとも、地上に来られる度に地平龍王の客体を利用して遊んでいらしたとお見受けしますが、如何?」
「……てめえはどこまでも口が減らねえな。その無駄に回転のいい頭は別のことに使えと何度も言ってんだろ。たまには師匠の言葉におとなしく従ったらどうだ?」
「あいにく師匠の言葉に大人しく従ったら碌なことがないとは、仙界留学した一年目で気づきましたので。しかし、今は渡りに舟。師匠は地平龍人族の事情に明るいと判断して、お尋ねします――この大地で、秘宝・肉石に匹敵する宝をお教え頂きたい。こちらからは、天空の事情と我らが龍王エイシャ様の密命をお話ししますゆえ」
「空と海の事情だあ?」
「事は第二次三龍大戦に繋がります。疾く情報開示を――お願いします」
ぺこりと頭を下げたロンに、ヤンジンはこれ以上ないほど顔をしかめた。「嫌だ」と顔に書いてあるが、ロンは伝わってないと思ったのか、もう一度頭を下げた。
「だああ!! てめえは話が通じないから嫌なんだって気づけよ!! 第一、女遊びをてめえにだけは指摘されたくねえって言ったよな!? 俺、仙界で言ったよなあ!? 常に『姫様、姫様』とうるさかったお前に協力するってことは、また例のセツカ姫が関係してるんだろうが!!」
「そうですが、俺が姫様のことで師匠にご迷惑をおかけしたことがありましたか? ありませんよね。とんと記憶にございませんし、むしろ東方王様に命じられてあなた様の捕獲に何度駆り出されたか、お忘れとは言わせません」
怒涛の抗議も流された上に、反撃で痛いところを突かれた。体力が根こそぎ削がれたのか、ヤンジンは長椅子に突っ伏した。
「泣く真似をしても無駄ですよ。こちらは火急の要件なのですから、さっさと諦めてください」
「……ちっ、肉石に匹敵する宝と言ったな。まずは空の話をしろ。じゃなきゃ、俺も軽々しく教えられん」
「わかりました」
エイシャに語った内容とほぼ同じだが、ロンは端的に天空と地上の状態が危険であること語った。ロンの話が進むにつれて、ヤンジンの表情も険しくなる。
「リナリア王は空石を自身に取り込んだ、ねえ。なるほど。地上が空に奇襲をかけているのは知っていたが、王自身が秘宝と同化したとなれば話が別だ。地平龍王も同じ手に出ないように忠告する必要があるな」
「あの」とこわごわと挙手したのはエイルだった。
「父上――エイシャ王とまったく同じことを真君も危険視されるのはなぜでしょう? リナリア王が空石を護るために同化したのは、そんなに三龍界にとって影響を及ぼすとのお考えを……教えてください。俺は無知なので、事態の大変さがわかっていません」
ヤンジンの答えは明確だ。「秘宝との同化は死と同義だからさ」と抑揚のなく返ってきて、エイルの心の臓がどくりと跳ねた。
「天空に空石、地上に肉石、海に桜真珠――これは天地創造と共に始祖の龍が定めた絶対の理――真理だ。始祖の龍は秘宝に絶大な力を与えると同時に、それぞれを国の柱とした。ところがそれが狂わされたのが、かの三龍大戦だ」
ヤンジンは長椅子から立ち上がっても話し続ける。水差しから杯に茶を淹れ、喉を潤す。
「だが、三龍大戦はきっかけに過ぎない。大戦以前から空と地上の衝突は深刻だったからなあ。つまり遥か以前から国を支えてきた秘宝の力の消費はじわじわと進んでいた。そこへ極めつけの大戦争。海は実にうまく立ち回ったと思うぜ。俺はその点を評価する。防衛に徹した賢王も、秘宝の力に頼らずとも魔力甚大な姫の奇策で桜真珠は魔力を消耗することなく、姫一人が眠りについただけですんだ」
ヤンジンはロンに視線を向けながら、また杯を呷った。
「ところが、だ。リナリアには石との同化する危険性を説いてくれる臣が居なかった。空の民は皆が度重なる小さな衝突に疲れ切っていたからだ。お前たちは空石に再び力を吹き込んでやったと言ったな。俺はそれを非難はしない。空石に力が無くなれば、天空がそのまま落ちてくるからな。だが、不幸なのはリナリアの後継である王子と姫だ。リナリアの夫は三龍大戦で死んでいる。皇太子もまだ幼い。なのに、母親は捨て身の策を取った――エイシャの読みは外れていない。まず間違いなく兵が整ったら、空は地上を攻めるだろう。リナリアを空石の餌にして、だ」
どんどんと顔色が悪くなる一方のエイルとテム。ロンは「では、天空の襲撃を回避するには?」と問う。
「まずは早めに地平龍王に話をつけることだ。それとセツカ姫の一刻も早い覚醒だな。先ほど肉石の代用品と言ったが、俺が知る限りでは『大楠の心臓』だが、これを手に入れるのは命と引き換えだと思った方がいい」
「取扱いに問題でもあるのですか?」
「いいや。これを持ち出したら空への奇襲ができなくなる。お前ら、雲を突き破る大樹で地上の連中が襲ってきたのを見たのだろう。あれが『大楠』。ゆえに、これを狙う者は決まって死罪だ」
「姫様の覚醒が誰かの死と引き換えでは本末転倒です。ならば、代用品を作ることは不可能でしょうか?」
「不可能ではないが……それ、俺に働かせるつもりだろう?」
「当たり前ではありませんか」
大真面目に答えるロンに、どこに隠し持っていたのか、ヤンジンが上段から斬りかかった。ロンは手慣れた様子で、白刃取りをする。ぎりぎりと師弟の醜い争いをしながら、ロンは「師匠こそ、そろそろ目的を話したらどうです?」と誘いをかける。
「ああ!?」
「あなた様とのやりとりは等価交換だといつも口を酸っぱくしておっしゃっていたでしょう。あなた様には肉石の代用品を作って頂く。代わりに、我らにご命令しようとしていたことを教えてください。まだ手の内を見せぬとおっしゃるならば、力づくでも吐いて頂く」
ヤンジンは刀を引いて「いいだろう」と答えた。実にあくどい笑顔を浮かべて、ロンを見下ろした。
「お前では少々いかついが、まあ、薬を使えばどうにでもなる――後宮に潜入してこい」
「……はい?」
「地平龍王は両刀使いでな。長年、迫られていい加減に鬱陶しかったところだ。王子には俺の補佐をしてもらう。その間に、ロン、後宮に入って書きつけるものを取ってこい」
この部屋がなぜヤンジンに与えられたのか、ロンとエイルは瞬時に理解した。要するに、王のヤンジンへの求愛行動の一つであったようだ。
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