人狼ゲーム『Selfishly -エリカの礎-』

半沢柚々

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『腸』――15日目

145.『投票と夜の時間(7)』

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 ――――PM23:15、小桃の部屋

佐倉 小桃
「……………………」
(本堂くんと別れたあたしは、部屋のパソコンの前にいた。
 …………乃木坂くんから、電話がかかってくるのではないかと、期待して。
 でも、一向に電話はかかってこなかった。
 あたしは深呼吸をすると、意を決して発信ボタンをクリックした。

 数回、コール音が鳴る。
 そして…………彼が電話に出た)

佐倉 小桃
「…………乃木坂くん」

乃木坂 朔也
「≪…………佐倉≫」

佐倉 小桃
「疲れてるところ、ごめんなさい」

乃木坂 朔也
「≪いや、いいよ。
 …………俺も、伝えたいことがあったんだ≫」

佐倉 小桃
「…………なに?」

乃木坂 朔也
「≪…………もし、今日、由絵が死んだら≫」

佐倉 小桃
「…………うん」

乃木坂 朔也
「≪…………明日からは、処刑は避けられない。
 もう、誤魔化しは効かなくなるんだ≫」

佐倉 小桃
「…………そうよね。
 きっと、ゲームが進んでしまうわ」

乃木坂 朔也
「≪…………そこでなんだけど≫」

佐倉 小桃
「ええ……」

乃木坂 朔也
「≪…………明日、俺、『共有者』だって名乗り出るから。
 …………でも、佐倉には、黙っていてほしい≫」

佐倉 小桃
「…………どうして?」

乃木坂 朔也
「≪…………考えたんだけどさ。なんで、共有者は二人なんだろうって。
 たぶんこれは、……人狼を罠にかけるためなんだ≫」

佐倉 小桃
「どういうこと?」

乃木坂 朔也
「≪…………例えばだけど、
 『偽物の占い師』が現れたとするだろ?
 …………それで、そいつが、『佐倉を占ったら人狼だった』と嘘を吐いたとする。
 すると…………≫」

佐倉 小桃
「…………乃木坂くんはあたしが人狼じゃないことを知ってるから、すぐに嘘だとわかる。
 村人が嘘を吐く理由がないから…………それは、人狼ってことになるのね」

乃木坂 朔也
「≪……そう、そうなんだ。
 だから…………二人とも名乗り出るってのも考えたんだけど、
 俺は村人だって言うのは確定してるわけだし、信用があるから、佐倉も村人だってことになるよな。
 ……佐倉にはその方がいいかも知れないけど…………勝負に出てみようかなと思う。
 上手く役職を使いたいんだ≫」

佐倉 小桃
「…………乃木坂くんがそう言うなら、あたしは反対しないわ。
 そうしましょう?」

乃木坂 朔也
「≪…………ありがとう、佐倉。
 …………ごめん≫」

佐倉 小桃
(…………必ず謝るのね、あなたは。
 白百合さんにも…………そうなのかしら)
「…………それより、白百合さんは大丈夫なの?」

乃木坂 朔也
「≪いや…………かなり、ショックを受けてるよ。
 …………俺がそばにいてやらないと≫」

佐倉 小桃
「……………………」
(…………白百合さんが、羨ましい)

乃木坂 朔也
「≪あ、…………ごめん。
 …………俺、そろそろ寝るな。
 …………ごめん。おやすみ≫」

佐倉 小桃
「いいえ、…………おやすみなさい、乃木坂くん」
(こうして、乃木坂くんとの通話は終了した。
 …………たくさん謝られるって言うのは、いい気がしないものね。

 …………八木沼さんは大丈夫かしら。

 何れにしても、あたしは、乃木坂くんに着いていくだけだわ。
 あたしの…………愛しい人に)
**





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