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第1話 露天風呂湯けむり殺人事件

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 工口こうぐち警部は殺人現場にいるというのに、表情が緩むのを堪えられなかった。
 警部がいるのは、とある露天風呂の女湯。こんな事件でも起きない限り決して立ち入ることの出来ない、男子禁制・秘密の花園である。
 栗山くりやま巡査が警部に事件の概要を報告する。

「ガイシャは尾股おまたあかね二十二歳。大学生。右目を深く貫かれたのが直接の死因でしょう」

 湯船の脇に若い女が裸で仰向けになって倒れている。右目にドーナツの中心みたいな穴が開いていた。

「凶器は見つかっているのか?」

「それが何処にも見当たらないのです。ガイシャの目は深さ二十センチ近く抉られていました。ここは風呂の中です。裸なのにそんな凶器、隠せる筈がないのに」

「栗山、ガイシャの死亡推定時刻に露天風呂にいた女性客を全員集めろ。これは俺のヤマだ」
 エロ警部もとい、工口警部は不敵に微笑んだ。

     ♨ ♨ ♨
                                      
「それで警部は女子大生やOL、若妻やらブロンド美女の穴という穴を調べたと。で、成果はゼロ」

 肉倉ししくらエリカは軽蔑の眼差しを警部に向ける。金髪ショートの髪に小麦色の肌。Tシャツとホットパンツの間からチラリとおへそが見えている。

「面目ない」
 そう言いながらも警部の表情は何処か晴れ晴れとしていた。

「……そこでエリカちゃんに相談なんだけど、直ちに犯人を見つけ出して欲しいんだ。じゃないと僕、クビになるかも」


「警部、プラダのお財布買ってくれる?」

「わかった。買う。買うから」

「じゃ、これからここに男湯にいた客を全員集めてきてよ。それでこの事件は解決するから」
 ギャル探偵は不敵に微笑んだ。

     ♨ ♨ ♨

 工口警部は不満だった。折角女湯で起きた事件だというのに、何が悲しくてむさ苦しい男たちを集めねばならんのだ。
「全員揃ったね」
 すると何ということか。エリカは唐突に服を脱ぎ始めたではないか。

「おおお」

 重力に逆らった、上向きにツンと突き出たDカップ生意気おっぱいの何とけしからんことか。
 これには警部を含む男性陣は皆前屈み。なり余れる処は制御不能の暴走状態である。

「犯人、わかったんだけど」

 エリカが指さす先、そこには一際巨根を勃起させているイケメンがいた。
「凶器はあの二十センチちんぽ。あれで被害者女性の目を突いて殺したんだ」

「しかし、事件があったのは女湯だぞ」

「尾股茜は出歯亀だったんだよ。どこからか男湯を覗いていた。犯人はその覗き穴に勃起ちんぽを入れて尾股の目を貫いたんだ」

 こうして事件は一件落着。動機は文字数の都合で割愛する。
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