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喜屋武との対決
第38話
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ふみ香と白旗は西校舎の非常階段へ急行する(ちなみに先日の『非常階段連続殺人事件』があったのは、南校舎の非常階段である)。
死体があったのは階段の一階と二階の中間地点で、死因は焼死だった。
「殺されたんは誰や?」
白旗が近くにいた銀縁眼鏡の男子生徒に尋ねる。
「隅田剣山っていう一年らしい。ほら、終業式に書道のコンクールで入選したとかで表彰されてた」
「……俺はそんときまだここにいてへんかったっちゅうねん。現場の近くには誰もおらんかったんやな?」
「非常階段は人が上り下りすると、結構音が響くんだ。もし非常階段に犯人がいたなら、逃げるときの音が一階にも聞こえていた筈だよ。西校舎には一階に俺たち写真部、三階に折り紙部の部室があるくらいで、この時間に他の生徒は近寄りもしないだろうね」
「そうか。おおきに」
白旗が振り返ってふみ香の方に向き直る。
「ここは俺一人で充分や。美里、お前は百葉箱の事件について調べてくれ」
「……いや、でも」
「心配せんでええ。もう大体のカラクリは見えた。非常階段の事件はこれで二回目。喜屋武の奴もそろそろネタがなくなってしんどなっとるってことやろ。数で勝負に出たんがええ証拠や」
「…………」
本当にそうだろうか?
あの喜屋武が同じようなトリックを使い回してきたりするだろうか?
事件を三件同時に起こしたことに関しても、何か狙いがあるのではないか?
何かを小林声の注意から逸らす、そんな目的があるのではないか?
「それに小林のことや。体育館の事件はすぐに解決してしまうやろう。ほなら、こっちは先に百葉箱の事件の情報を少しでも集めておきたいところや。負けてやる気はない。俺はこの勝負で小林に勝ってみせるんや」
そう言って白旗は鼻の下を指で擦っている。
「……わかりました。私は百葉箱の事件を調べてみます」
「何かわかったら連絡してくれ。それから危険やと思ったらすぐに調査を打ち切れ。無茶だけはすんなよ」
「……白旗先輩こそあまり油断しないでくださいよ。喜屋武さんが裏で糸を引いていることが確定しているんですからね」
ふみ香はそれだけ言い残すと、グラウンドへと歩き始めた。
死体があったのは階段の一階と二階の中間地点で、死因は焼死だった。
「殺されたんは誰や?」
白旗が近くにいた銀縁眼鏡の男子生徒に尋ねる。
「隅田剣山っていう一年らしい。ほら、終業式に書道のコンクールで入選したとかで表彰されてた」
「……俺はそんときまだここにいてへんかったっちゅうねん。現場の近くには誰もおらんかったんやな?」
「非常階段は人が上り下りすると、結構音が響くんだ。もし非常階段に犯人がいたなら、逃げるときの音が一階にも聞こえていた筈だよ。西校舎には一階に俺たち写真部、三階に折り紙部の部室があるくらいで、この時間に他の生徒は近寄りもしないだろうね」
「そうか。おおきに」
白旗が振り返ってふみ香の方に向き直る。
「ここは俺一人で充分や。美里、お前は百葉箱の事件について調べてくれ」
「……いや、でも」
「心配せんでええ。もう大体のカラクリは見えた。非常階段の事件はこれで二回目。喜屋武の奴もそろそろネタがなくなってしんどなっとるってことやろ。数で勝負に出たんがええ証拠や」
「…………」
本当にそうだろうか?
あの喜屋武が同じようなトリックを使い回してきたりするだろうか?
事件を三件同時に起こしたことに関しても、何か狙いがあるのではないか?
何かを小林声の注意から逸らす、そんな目的があるのではないか?
「それに小林のことや。体育館の事件はすぐに解決してしまうやろう。ほなら、こっちは先に百葉箱の事件の情報を少しでも集めておきたいところや。負けてやる気はない。俺はこの勝負で小林に勝ってみせるんや」
そう言って白旗は鼻の下を指で擦っている。
「……わかりました。私は百葉箱の事件を調べてみます」
「何かわかったら連絡してくれ。それから危険やと思ったらすぐに調査を打ち切れ。無茶だけはすんなよ」
「……白旗先輩こそあまり油断しないでくださいよ。喜屋武さんが裏で糸を引いていることが確定しているんですからね」
ふみ香はそれだけ言い残すと、グラウンドへと歩き始めた。
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