今の僕は君に似合わない

石崎 蒼次郎

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今の僕は君に似合わない

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「あー、疲れたってまだ3時間目かよ。」

そう言いながら、前の席の女子を見た。

前に座っているのは、文化学習委員長の近衛 優実、初めてその名前を聞いた時思ったのが、近衛フミマロという一昔の総理大臣。

彼女も、生徒会長程ではないが、学校ではまあ、権力がある偉いお方。

それに比べ、自分はどうだろう。

臨時委員会の委員長やら、修学旅行の班長やら、したけど到底及ばないばかりか、好きな勉強しかせず各教科の学力が極端に違う。

得に、授業態度が良いわけでもなく、増してはその授業態度で成績がテストの点数と比例しない始末。

差があり過ぎる。

そう思いながらも僕は、優実に恋をした。

決して実る事のない恋、そう思っていた。

しかし、神様も気まぐれのようで、その恋が実ろうとしていた。



美術の時間、この日の課題は外でのスケッチだった、各々は自分が書きたい所に行って散らばって行った

僕は、静かで書きやすいところでスケッチをしていると、優実はこっちに来て僕の隣に座った。


「何書いているの?」

という質問から優実との会話が始まった。

一通りの会話が終わったところで優美は。

「あのさー、好きな人とかいるのー?いたらどんな人とか教えて!」

そう言われて、戸惑ったが一通り話した。「決して美人では無いのだけど、性格がよくてさー、ほら、僕って趣味悪いって言うじゃん。

それってさ、やっぱり僕は中身重視だから、顔なんてあまり関係無いの」

ちょっとばれたかなと思いつつ話し続けた。

「まあ、極度なブス以外で、性格良かったら良いんだ、だから、その人を好きになった。

けど、もしその人から’’’’’」

というところで、優実がいきなり、口を開いた。

「あのね、あのね、私さ、、。美人じゃないし

頭も良くないけど、あなたとは仲が良いと思ってる。

だから、付き合って下さい。

今まで、話して来て思った


好きだって。


私は、あなたが言う人に取られたくない、もしかして私かなって思う時があった。

だから、お願い」


僕は喜びより驚きが大きかった、だから、案外早く冷静になれた。

確かに、付き合いたいという気持ちはあるけど、僕は彼女に似合う男か、、、

いや、似合わない。

受験も、安心できる程の学力でもねないし、顔も良くない、優実の元カレなんか自分と程遠い。

それなのに、優実と付き合って良いのか。

それに、目の前で赤面している優実にそのことが伝えれるかということ自体難しい。

そんな事を考えている内に、沈黙の数分が経った。

そして、僕は決心して、自分が優実の事が好きなこと、そして、似合わないということを打ち明けた。

優実は、泣いていた。

しかし、後悔はしてない。

何故ならば、一つの約束をその時交わしたからだ。






指切りげんまんうそついたらハリセンボンのーます。ゆびきった





きーん こーん かーんこーん


3時間目が終わった。

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