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偉大な歌手の母
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「嘘がすごく上手なのよ、お父さんは」
父の好きなところを母に聞いた時、母は嬉しそうにそう答えた。
ずっとわからなかった。なぜ才能があって美人歌手の母が、父のような特にこれといって特出した才能のない普通のサラリーマンと結婚したのか。母の答えを聞いてもわからないままだった。
「わからないなぁ。私がお母さんだったらもっとすごい人と結婚するのに。」
そう言うと、母は大きな目を細めてニヤリと笑って、
「お父さんよりすごい人いるかしら?」
と答えた。
「たくさんいるよ!!」
食い気味に私が答えると、今度は優しい笑顔で
「沙羅がそんなすごい人を紹介してくれる日が待ち遠しいわ。」と答えた。
そう答えた10日後に、母は亡くなった。
父の好きなところを母に聞いた時、母は嬉しそうにそう答えた。
ずっとわからなかった。なぜ才能があって美人歌手の母が、父のような特にこれといって特出した才能のない普通のサラリーマンと結婚したのか。母の答えを聞いてもわからないままだった。
「わからないなぁ。私がお母さんだったらもっとすごい人と結婚するのに。」
そう言うと、母は大きな目を細めてニヤリと笑って、
「お父さんよりすごい人いるかしら?」
と答えた。
「たくさんいるよ!!」
食い気味に私が答えると、今度は優しい笑顔で
「沙羅がそんなすごい人を紹介してくれる日が待ち遠しいわ。」と答えた。
そう答えた10日後に、母は亡くなった。
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