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第一章 君に好きだと言えなかった日
第三話
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「彩月~!」
高校一年生を迎える入学式が始まる前の十分休み。ホームルームの時間だけでは足りず、さらに重いため息をついていると、唐突に背中をはたかれた。
「……なんだ、瀬奈か」
周囲に喧騒が満ちている中振り返ると、そこには咲き誇る桜の花のような朗らかな笑顔を浮かべた悪友、今谷瀬奈が立っていた。毛先が肩につくかつかないかくらいのショートヘアーに、意志の強さを思わせる大きな瞳は、まさに彼女の溌剌とした気持ちを雄弁に物語っている。
けれど、そんな彼女とは対照的な私の素っ気ない適当な返事に、瀬奈は不満げに頬を膨らませる。
「なんだとはなんだ。高二になって早々ギリギリに教室に入ってきた不良娘が」
「そういう瀬奈の方こそ、私が教室に入った時息切らしてなかったっけ」
「だって寝坊したんだもーん。彩月と同じく」
「勝手に仲間に入れるなー」
まるで当然のことのように言ってくる瀬奈にツッコミを入れると、彼女は楽しそうに「いいじゃーん!」と肩を組んできた。本当に、このノリは高二に進級しても変わらないらしい。
瀬奈とは、高校一年生の時に同じクラスになってからの仲だ。思ったことを正面切って言う竹を割ったような性格をしており、あまり自分の気持ちを伝えることが得意ではない私とは対極の存在。けれどなぜか馬は合っていて、今や休日にもよく遊ぶほど親しくなっていた。
そういえば、高二になっても同じクラスになれたんだっけ。
遼くんとの一件における衝撃で実感はあまりなかったが、確かにクラス名簿には瀬奈の名前があった。これでまた一年間、同じクラスで気のないお喋りができる。
本来ならそれだけで高二の一年間が明るく、心がウキウキしてくるはずだった。けれど今、私の心の中を支配している感情はまるで違っていた。明るさとも嬉しさとも異なる、むしろ正反対の感情だ。
「それで? 本当は何があったの?」
「え?」
内心でまた落ち込み始めたその矢先、瀬奈はこてんと首を傾げて私の顔をのぞきこんできた。これ以上ないタイミングに、私は誤魔化すこともできず呆気にとられる。
「やーっぱり、生徒玄関の近くで立ち尽くしていたあの後ろ姿は彩月だったのかー。遅刻しそうだったから声かけそびれたんだよねー」
声の調子は変えずに彼女は言った。それはまるで、私に気遣う素振りを見せないようにしているかのようで。でも確かに、私のことを心配してくれてるのが伝わる眼差しで。
「……うん」
私は取り繕うことを諦め、そっと俯いた。じんわりと目頭が熱くなったけれど、さすがに新学期初っ端からクラスで泣くことははばかられてグッと堪えた。
「よーしっ。それなら一緒に行こっか、ピロティへ」
「へ?」
でも瀬奈にとってはそれすらもお見通しのようで、流れるような所作で私の手をとるとそのまま教室の外へと連れ出された。多くの生徒が新入生を迎える入学式の会場である体育館へと向かう中、私と瀬奈は流れに逆らって階段を下る。そしてそのまま生徒玄関の近くにある日陰となった広場へ歩いていく。
「ここなら誰も来ないから、ほらほら。遠慮なくこの瀬奈お姉さまに悩みを話しなさい」
「入学式、始まるけど? あと同級生じゃん」
「カンケーないカンケーない。新入生より妹分が大事に決まっているではないか」
桜の花びらが吹き込む無人のピロティで、瀬奈は近くにあった縁石に腰を下ろした。ポンポンと隣の空いたスペースを叩き、私にも座るように促してくる。誕生日が僅か一ヵ月ほどしか変わらない悪友は、姉貴面をするばかりか私のために入学式をすっぽかすことにしたらしい。
まったく、どっちが不良娘なんだろ。
つい笑みがこぼれる。するとそれにつられて、つと目元から一滴の雫が頬を伝った。私は慌てて拭うも、瀬奈は何も言わずにハンカチをくれた。
瀬奈はいつもこうだ。
私がひとりであれこれと悩んでいると、一番に駆け付けてくれて持ち前の実直さで切り込んでくる。授業をサボることも帰る時間が遅れることも厭わずに私の話を聞こうとしてくる。そうして突っつかれると、いとも容易く私の心の膜は溶かされてしまう。
ほんと、瀬奈には助けられっぱなしだなあ。
これまでの相談事を思い返しつつ、私は瀬奈の隣に座ってゆっくりと口を開いた。
「あのね……実は、中学の時に転校しちゃった幼馴染が、いつの間にか同じ学校に入学してて……でも、私には教えてくれてなくて、それで……生徒玄関前で偶然朝会っちゃって、あんなに仲が良かったのに、なんでか冷たくされて……」
私は言葉に詰まりつつも、瀬奈に今朝あったことや遼くんのことをかいつまんで話した。進級した初日からいきなり友達の愚痴や悩み、それもそこそこ重めの話を聞かされるのは、普通なら勘弁してほしいはずだ。でも瀬奈は嫌な顔ひとつせずに真剣に話を聞いてくれた。
「へえ、なるほどねー。まさかあの篠山が、彩月の幼馴染だったなんて」
「え、瀬奈、遼くんのこと知ってるの?」
「うん。委員会の集まりでたまに一緒になったから」
しかも、瀬奈は遼くんのことを知っていた。そればかりか、私の想像以上に高校での遼くんを知っていた。
遼くんは一年の時、九組に所属していたらしい。瀬奈と同じ環境委員で、美化活動なんかの行事で一緒になる機会が増え、友達になったそうだ。基本的に明るく優しく、気配りなんかも忘れない好男子で、別の委員会の女子たちからもモテていたらしい。
それはまさに、私が彼と離れる直前に抱いていた印象と同じだった。これで確実に、遼くんは去年からこの学校にいたことになる。しかも瀬奈の話では四月にあった最初の顔合わせのための会議からいたとのことなので、去年の途中にこの高校に編入してきたということもない。
つまり、やはり遼くんは私の知らない間に帰ってきていて、しかも偶然にも同じ高校を受験し受かって入学していたことになる。
「ていうかウチ、去年委員会の時に、篠山に彩月と一緒に写ってる写真見せたことあったはず」
さらに驚いた、もといショックだったのは、私がこの高校にいることを遼くんはいち早く知っており、それをわかったうえで一年間過ごしていたことだった。
意図的に私のことを避けていた。
その事実は、どこまでも重く、じくじくとした痛みを私の心に植え付けた。
「なんで……遼くん……」
ピロティの壁に背中を預け、私は膝に顔を埋める。視界が暗くなれば、自然と昔の遼くんの笑顔が思い出された。
どこまでも無邪気で、私に好きだと言ってくれた笑顔と声。私はもうあの笑顔を向けられることはなく、あの声で名前を呼ばれることもないのだろうか。私はいつの間に、遼くんに嫌われてしまったんだろうか。
「ちょっとー、彩月。落ち込むのは早すぎるでしょ」
そこへ、ひと通り話を聞いてくれた瀬奈がそっと私の背中に手を置いた。朝とはまるで違う優しい感触に、私はおもむろに顔を上げる。
「早すぎる、って……?」
「そのままの意味。まだ篠山にちゃんと理由訊いてないんでしょ? 篠山がどうして彩月に冷たく当たったのかとか、どうしてずっと避けていたのかとか」
「そう、だけど」
「だったら、落ち込むのはそれを訊いてみてからでもいいんじゃない? ウジウジ考えるより、まずは行動してみよう」
「でも……」
それができれば苦労しない。私は瀬奈のように、傷つくこと覚悟で正面から問い質すような勇気も度胸もない。
「大丈夫。ウチに任せて」
しかし瀬奈は、そんな私の胸中すらも織り込み済みとばかりに親指を立てた。
高校一年生を迎える入学式が始まる前の十分休み。ホームルームの時間だけでは足りず、さらに重いため息をついていると、唐突に背中をはたかれた。
「……なんだ、瀬奈か」
周囲に喧騒が満ちている中振り返ると、そこには咲き誇る桜の花のような朗らかな笑顔を浮かべた悪友、今谷瀬奈が立っていた。毛先が肩につくかつかないかくらいのショートヘアーに、意志の強さを思わせる大きな瞳は、まさに彼女の溌剌とした気持ちを雄弁に物語っている。
けれど、そんな彼女とは対照的な私の素っ気ない適当な返事に、瀬奈は不満げに頬を膨らませる。
「なんだとはなんだ。高二になって早々ギリギリに教室に入ってきた不良娘が」
「そういう瀬奈の方こそ、私が教室に入った時息切らしてなかったっけ」
「だって寝坊したんだもーん。彩月と同じく」
「勝手に仲間に入れるなー」
まるで当然のことのように言ってくる瀬奈にツッコミを入れると、彼女は楽しそうに「いいじゃーん!」と肩を組んできた。本当に、このノリは高二に進級しても変わらないらしい。
瀬奈とは、高校一年生の時に同じクラスになってからの仲だ。思ったことを正面切って言う竹を割ったような性格をしており、あまり自分の気持ちを伝えることが得意ではない私とは対極の存在。けれどなぜか馬は合っていて、今や休日にもよく遊ぶほど親しくなっていた。
そういえば、高二になっても同じクラスになれたんだっけ。
遼くんとの一件における衝撃で実感はあまりなかったが、確かにクラス名簿には瀬奈の名前があった。これでまた一年間、同じクラスで気のないお喋りができる。
本来ならそれだけで高二の一年間が明るく、心がウキウキしてくるはずだった。けれど今、私の心の中を支配している感情はまるで違っていた。明るさとも嬉しさとも異なる、むしろ正反対の感情だ。
「それで? 本当は何があったの?」
「え?」
内心でまた落ち込み始めたその矢先、瀬奈はこてんと首を傾げて私の顔をのぞきこんできた。これ以上ないタイミングに、私は誤魔化すこともできず呆気にとられる。
「やーっぱり、生徒玄関の近くで立ち尽くしていたあの後ろ姿は彩月だったのかー。遅刻しそうだったから声かけそびれたんだよねー」
声の調子は変えずに彼女は言った。それはまるで、私に気遣う素振りを見せないようにしているかのようで。でも確かに、私のことを心配してくれてるのが伝わる眼差しで。
「……うん」
私は取り繕うことを諦め、そっと俯いた。じんわりと目頭が熱くなったけれど、さすがに新学期初っ端からクラスで泣くことははばかられてグッと堪えた。
「よーしっ。それなら一緒に行こっか、ピロティへ」
「へ?」
でも瀬奈にとってはそれすらもお見通しのようで、流れるような所作で私の手をとるとそのまま教室の外へと連れ出された。多くの生徒が新入生を迎える入学式の会場である体育館へと向かう中、私と瀬奈は流れに逆らって階段を下る。そしてそのまま生徒玄関の近くにある日陰となった広場へ歩いていく。
「ここなら誰も来ないから、ほらほら。遠慮なくこの瀬奈お姉さまに悩みを話しなさい」
「入学式、始まるけど? あと同級生じゃん」
「カンケーないカンケーない。新入生より妹分が大事に決まっているではないか」
桜の花びらが吹き込む無人のピロティで、瀬奈は近くにあった縁石に腰を下ろした。ポンポンと隣の空いたスペースを叩き、私にも座るように促してくる。誕生日が僅か一ヵ月ほどしか変わらない悪友は、姉貴面をするばかりか私のために入学式をすっぽかすことにしたらしい。
まったく、どっちが不良娘なんだろ。
つい笑みがこぼれる。するとそれにつられて、つと目元から一滴の雫が頬を伝った。私は慌てて拭うも、瀬奈は何も言わずにハンカチをくれた。
瀬奈はいつもこうだ。
私がひとりであれこれと悩んでいると、一番に駆け付けてくれて持ち前の実直さで切り込んでくる。授業をサボることも帰る時間が遅れることも厭わずに私の話を聞こうとしてくる。そうして突っつかれると、いとも容易く私の心の膜は溶かされてしまう。
ほんと、瀬奈には助けられっぱなしだなあ。
これまでの相談事を思い返しつつ、私は瀬奈の隣に座ってゆっくりと口を開いた。
「あのね……実は、中学の時に転校しちゃった幼馴染が、いつの間にか同じ学校に入学してて……でも、私には教えてくれてなくて、それで……生徒玄関前で偶然朝会っちゃって、あんなに仲が良かったのに、なんでか冷たくされて……」
私は言葉に詰まりつつも、瀬奈に今朝あったことや遼くんのことをかいつまんで話した。進級した初日からいきなり友達の愚痴や悩み、それもそこそこ重めの話を聞かされるのは、普通なら勘弁してほしいはずだ。でも瀬奈は嫌な顔ひとつせずに真剣に話を聞いてくれた。
「へえ、なるほどねー。まさかあの篠山が、彩月の幼馴染だったなんて」
「え、瀬奈、遼くんのこと知ってるの?」
「うん。委員会の集まりでたまに一緒になったから」
しかも、瀬奈は遼くんのことを知っていた。そればかりか、私の想像以上に高校での遼くんを知っていた。
遼くんは一年の時、九組に所属していたらしい。瀬奈と同じ環境委員で、美化活動なんかの行事で一緒になる機会が増え、友達になったそうだ。基本的に明るく優しく、気配りなんかも忘れない好男子で、別の委員会の女子たちからもモテていたらしい。
それはまさに、私が彼と離れる直前に抱いていた印象と同じだった。これで確実に、遼くんは去年からこの学校にいたことになる。しかも瀬奈の話では四月にあった最初の顔合わせのための会議からいたとのことなので、去年の途中にこの高校に編入してきたということもない。
つまり、やはり遼くんは私の知らない間に帰ってきていて、しかも偶然にも同じ高校を受験し受かって入学していたことになる。
「ていうかウチ、去年委員会の時に、篠山に彩月と一緒に写ってる写真見せたことあったはず」
さらに驚いた、もといショックだったのは、私がこの高校にいることを遼くんはいち早く知っており、それをわかったうえで一年間過ごしていたことだった。
意図的に私のことを避けていた。
その事実は、どこまでも重く、じくじくとした痛みを私の心に植え付けた。
「なんで……遼くん……」
ピロティの壁に背中を預け、私は膝に顔を埋める。視界が暗くなれば、自然と昔の遼くんの笑顔が思い出された。
どこまでも無邪気で、私に好きだと言ってくれた笑顔と声。私はもうあの笑顔を向けられることはなく、あの声で名前を呼ばれることもないのだろうか。私はいつの間に、遼くんに嫌われてしまったんだろうか。
「ちょっとー、彩月。落ち込むのは早すぎるでしょ」
そこへ、ひと通り話を聞いてくれた瀬奈がそっと私の背中に手を置いた。朝とはまるで違う優しい感触に、私はおもむろに顔を上げる。
「早すぎる、って……?」
「そのままの意味。まだ篠山にちゃんと理由訊いてないんでしょ? 篠山がどうして彩月に冷たく当たったのかとか、どうしてずっと避けていたのかとか」
「そう、だけど」
「だったら、落ち込むのはそれを訊いてみてからでもいいんじゃない? ウジウジ考えるより、まずは行動してみよう」
「でも……」
それができれば苦労しない。私は瀬奈のように、傷つくこと覚悟で正面から問い質すような勇気も度胸もない。
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