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10話 R-18 アンヌSide
二人で挙式場から出てきた後、薔薇園を歩いていた。
挙式で息が詰まった僕が、外の新鮮な空気を吸いに行きたいと言ったのだ。
「挙式、緊張したでしょ?」
「うん……人が、思ったよりいた」
「結構関係が薄い人も呼んでたから……でも、その分花びらが沢山舞って、綺麗だったね」
うちの王国の代表花は赤い薔薇で、お祝い事には赤い薔薇や、それに関連する物を使う。
その関係で、今日の赤い薔薇は、この花園から使われていた。
迷路のような形になっているのだが、花壇のようなスペースや、お茶会のスペースもあり、そこから使われているのだ。
「あぁ……あんなに空に舞う、花びらは初めて見た。皆の、笑顔も……」
「ふふ、みんな祝福してくれてたね。これもガード君の人柄かな」
正直、あの中でガードを一番綺麗だと思っていたのは、僕だと思う。いいや、断言する。僕だ。
神父様に後ろへ振り向く合図を出され、やっとキスができる、なんて邪な考えを持ちながら振り向くと、白いレースに隠された金髪と、目つきの悪い目元、緊張していて、一直線の唇に塗られた赤いリップ。赤を基調としたメイクが─多分本人は見てない─程よい色の肌に馴染んで、少し幼い顔に見えた。
赤いベストと白い上着には、金の糸でうさぎと薔薇。そして、ガードを祝福する天使の羽が縫われ、相変わらず仕立て屋の羊_ヤウルの腕は素晴らしいと感動した。一日半でここまで作れるなんて、腕が良すぎる。身体が心配なのだが、彼は自分の身体よりお金のほうが大切らしく、今回は有難く破格を払うことで交渉が成立した。
のは、裏の話ではあるが、彼は知らないのだろう。ヤウルは無口だし、時は金なり。そういって、聞かれないことには、無駄に答えないタイプだ。
その刺繍や、彼の美しさの素晴らしさも相まって、昨日見たガードも素敵だったが、今日はより倒れそうだった。本当にさっき我慢して見なくてよかった、いや、見たほうが良かったかもしれない。と、一気に襲ってくる興奮で脳がグラグラとした。だけど、殴られたような脳を持ち直して、指輪を嵌めるまで頑張ったのだ。
あの後、ドキドキとしているのが、可愛すぎてキスを早くしたくて堪らなかったが、あの台詞を言わないことには嵌めるわけにはいかず─指輪を嵌める時に、自分の気持ちを伝える伝統があるのだ─その欲求を抑えながら指輪を嵌めると、ついにキスができる……!
と、思ったのもつかの間。僕がこの数年、身長の成長が全く足りなかったせいで、彼の高い身長に全く届かなかった。なんで厚底を履かなかったんだろう。なんてイライラとしていたが、それも次の一瞬に吹き飛んだ。
彼からキスをしてくれた。
勢いと力が強すぎて、唇がただ潰れているような物だったけど、初めて触れた彼の唇はリップの薬品の匂いに、暖かく柔らかい感触。それをずっと感じていたくて、我を忘れてずっと頬を掴んでいたら、胸を叩かれる。
我に返って離すと、息のやり方を知らないガードがハアハアと肩で呼吸する姿は……今思い出してもゾクゾクする。今度は、もっとしてあげたい。あわよくば、もう少し先も。
そんなやましい思いから─最低だが、キスくらいなら……と、甘えている自分がいる─少し空気を吸って、いい雰囲気になれそうな薔薇園へ来たのだが、どうやって切り出すか悩み、ただぐるぐると薔薇園の迷路を周り、ついにはお茶会のスペースに到着してしまった。
「なぁ、ちょっと……言いにくかったんだ……が……」
「ん?なあに。気軽に言ってほしいな」
「さっき、の、キス……」
「キス……ごめんね、僕の身長が足りなかったせいで、昨日言ったとおりには……」
「そ、そうじゃない!その……アンヌの唇が、その……ちょっと変な柄ついちゃってて」
「変な柄?」
何か柄がつくような物でも付けていただろうか。なんて考える。いや、顔付近には変な物はつけていなかったはずだけど……もしあるとしたら、ガードの頭についてるレースを捲り忘れた……とかだが、捲った記憶がある。
「お、俺のリップが変についてて、違和感あるからどっかで拭ったほうが……いいと思う。アンヌがかっこいいからギリギリ……ちょっと不格好で、済んでるけど……」
「不格好ではあるんだ……?」
そう言われても、今は拭えるような物を持っていない。この服で拭うわけにはいかないし……キスを諦めて、戻ってしまおうか。今日の夜もチャンスがある─自分の中心に毒になりそうだけど─訳だし、急ぐ必要も無いのかもしれない。
「だ、だからって言ったら変だけど」
「……?」
「き、キスし直さないか……」
「……う、え!?」
思っても見ない提案で、間抜けな声が出てしまう。
どういう意味で提案されているかわからないが、正直ラッキーだ。こんなに顔を真っ赤にしたガードも、可愛すぎるので、断る理由がない。
「あ、い、嫌ならいい……!!」
「え!嫌じゃない!嫌じゃない!凄くしたい、い、良いの……?」
「リップ、足りてなくて変だから……俺の口のリップ、分けてあげれば今より変じゃないと思って……」
「そっか、ありがとう。ガード君は優しいね、甘えちゃおうかな……」
リップを塗ったことがない僕からしたら、不思議な提案だがこれほど好機は無い。逃したくない……!!
気が変わる前に、急いでガードを椅子に座らせ、僕より下の位置に顔を置かせる。
頬を両手で抑え、見つめ合う。ドキドキと緊張しているガードの目に映る僕の顔に、確かに不格好なリップの跡が見える。これで先程みんなの前を歩いていたのか。なんて思うが、それもガードが恥ずかしがりながら、自分からキスをしてくれたという、いい思い出の一つになる。
今度はゆっくりと、顔の角度を変え、優しく唇に触れる。緊張しているのか、少し身体が硬いが、唇は柔らかく暖かい。リップに保湿効果があるのか、じっとりと濡れた唇のおかげで、隙間なく彼の唇に合わせられる。
胸を強く叩かれたので、口を離す。ぷは、と思いっきり息を吸うガードが目の前に現れる。頬を支えている為、上を向いているからか息を十分に吸い込めないのか、少しだけ苦しそうだ。
息の仕方を教えようか、それとも、可愛いからまだこのまま……なんて、意地悪を考えてしまう。
「ふ、ふは……ぁ……」
「僕の唇、どうかな?綺麗になった?」
「ん、ふ……ま、まだ……」
「そっか、もう一回……していい?」
「はぅ……い、良い、こ、こいっ……!」
ギュッ、と口を閉じで目を閉じる彼を見て、少しだけ意地悪をしたくなる。少し先に行ってもいいだろうか……
「ガード君、力抜いて、口、少し開けてみて?」
「……?なんで、だ?」
「そうすれば、苦しくなりにくいんだよ。ほら、あーん」
そう言うと、素直に口を開ける。あまり大きくない開け方だが、唇の隙間から見える赤い舌と、白い歯が僕の脳を通って、中心へ刺激を送ってくる。昨日の夜のリアルなガードよりもすごい。僕のモノを舐めずとも、目の前で舌をべ、と出されただけでも、達してしまうかもしれない。
こんなに可愛い姿で、何を我慢するというのか。思い切りここで犯してしまいたいが……流石にそれは、駄目だと考えて我慢する。国王になってない以前に、外でなんて駄目だ。でも、キスの少しの延長線ならいいのでは無いだろうか……
ずるい僕は、口を開けさせた彼にキスをして、舌をゆっくりと入れる。口を閉じないように頬と顎を抑え、味わうように舌を動かす。
びっくりしたのか、一度ビクリと身体を動かすが、感じていると分かる。舌がビクビクとし、身体が跳ねる。水音が耳に届き、ゾクゾクと欲情を掻き立てる。もしかしたら僕の耳が良いだけで、聞こえてないかもしれない。もっと音を鳴らせて、聞かせてあげたい。目を開いて彼を見ると、気持ちよさから逃げようと、必死に目をつむり、舌が奥に奥にと逃げている。僕から逃げようとしないということは、嫌じゃないんだろうか。
逃げる舌を無理矢理、引きずり出して、舌先と舌先を合わせたり、口内を這わせる。好き勝手に舌で遊んでいると、息ができなくて苦しいのか、胸をドンドンと叩かれる。
まだまだしたい、彼の口内を、暴きたい。そんな思いから、意地悪して少し無視をしてから、口を離した。舌を絡ませたまま離すと、銀色の糸が細く引き、途切れる。
唇が離れた事が分かったのか、ゆっくりと目を開くガードの目は涙でうるうるとしていて、蕩けているのが分かる。これ以上蕩けることがあると思うが……その時の目は、如何なるんだろう。
ジクジクと溜まる熱に興奮していると、口が痺れているらしく、呼吸がうまくできないのか、少しだけ唾液が垂れていて、妖美に見える。このままもっと口内を犯せたら__
「ふふ、可愛い……気持ちよかった?」
「はあっ、ふ、あふ……んぐ!んぅ……っ!?」
「舌、気持ちいいの?」
指を口の中に入れて、ぐちゃぐちゃと指を動かす。激しい水音が鳴る指は、舌の上を優しくこすったり、ギリギリを行き来して、歯茎をそろそろと触り、焦らすと__なんと、泣き始めてしまった。
生理的なものかと思っていたら、ポロポロとずっと止まらず、これは普通に泣いている!と、焦った僕は急いで指を抜き、彼を泣き止ませる行動に出る。泣かせてしまったのは確実に僕なので、逆効果かもしれないが、責任は僕にある。
「ごめんね、ごめんね、怖かったね。嫌だったね」
「んぐ、ちが……う、ぐ……ひぐ……」
「ごめんね、ごめんね……」
頭をよしよしと撫で、胸に顔を収める。胸に顔を押し付け、ぎゅっと抱きしめてくれる所を見ると、嫌いにはなられてないと信じたいのだが……
「ごめんね、性急になりすぎちゃって……」
「ち、ちがう、ごめん……な、なんか変な気持ちになっちゃって……アンヌは、息のしやすい方法を、教えてくれてたのに……」
「うん、怖がらせ……ん?」
「なんか、なんか気持ちよく、なっちゃっててっ……」
泣いている理由が、僕が思っているのと、彼が思っているのが違う。もしかして、さっきのは息のしやすい方法を教えている……と、思っていたのだろうか。違う、その気持ちよくなってしまうので正解だ。僕が、意地悪してそうなるようにしたのだから。
「ガード君、ごめんね。その……僕が意地悪しただけだよ。気持ちいいって思ってくれたのは、正しいよ」
「……?」
「さっきやったのは、息の仕方じゃなくて……えっちなキスの仕方。すごく感じてくれたんだね、嬉しいな」
「なっ……!う、嘘、だろっ……」
「申し訳ないけど、ほんと。僕結構……変態なんだよ。君が僕をどう思ってるか知らないけど……」
「……そんな意地悪、してこないと思ってた。せっくす、しないって言ってたのに……」
「そ、それは……我慢、するよ。ちゃんと……」
「し、信じないからなっ……!」
真っ赤な顔をして、こちらを睨む。そんな顔を可愛いとしか思えないが……申し訳ない事をした、と口で言いながら、彼の口の中を思い出す。
最低な事をしてしまった後悔もあるが、段階を踏んでる方だし、キスだから……と、心で言い訳をして、謝りながら彼をまた抱きしめた。
挙式で息が詰まった僕が、外の新鮮な空気を吸いに行きたいと言ったのだ。
「挙式、緊張したでしょ?」
「うん……人が、思ったよりいた」
「結構関係が薄い人も呼んでたから……でも、その分花びらが沢山舞って、綺麗だったね」
うちの王国の代表花は赤い薔薇で、お祝い事には赤い薔薇や、それに関連する物を使う。
その関係で、今日の赤い薔薇は、この花園から使われていた。
迷路のような形になっているのだが、花壇のようなスペースや、お茶会のスペースもあり、そこから使われているのだ。
「あぁ……あんなに空に舞う、花びらは初めて見た。皆の、笑顔も……」
「ふふ、みんな祝福してくれてたね。これもガード君の人柄かな」
正直、あの中でガードを一番綺麗だと思っていたのは、僕だと思う。いいや、断言する。僕だ。
神父様に後ろへ振り向く合図を出され、やっとキスができる、なんて邪な考えを持ちながら振り向くと、白いレースに隠された金髪と、目つきの悪い目元、緊張していて、一直線の唇に塗られた赤いリップ。赤を基調としたメイクが─多分本人は見てない─程よい色の肌に馴染んで、少し幼い顔に見えた。
赤いベストと白い上着には、金の糸でうさぎと薔薇。そして、ガードを祝福する天使の羽が縫われ、相変わらず仕立て屋の羊_ヤウルの腕は素晴らしいと感動した。一日半でここまで作れるなんて、腕が良すぎる。身体が心配なのだが、彼は自分の身体よりお金のほうが大切らしく、今回は有難く破格を払うことで交渉が成立した。
のは、裏の話ではあるが、彼は知らないのだろう。ヤウルは無口だし、時は金なり。そういって、聞かれないことには、無駄に答えないタイプだ。
その刺繍や、彼の美しさの素晴らしさも相まって、昨日見たガードも素敵だったが、今日はより倒れそうだった。本当にさっき我慢して見なくてよかった、いや、見たほうが良かったかもしれない。と、一気に襲ってくる興奮で脳がグラグラとした。だけど、殴られたような脳を持ち直して、指輪を嵌めるまで頑張ったのだ。
あの後、ドキドキとしているのが、可愛すぎてキスを早くしたくて堪らなかったが、あの台詞を言わないことには嵌めるわけにはいかず─指輪を嵌める時に、自分の気持ちを伝える伝統があるのだ─その欲求を抑えながら指輪を嵌めると、ついにキスができる……!
と、思ったのもつかの間。僕がこの数年、身長の成長が全く足りなかったせいで、彼の高い身長に全く届かなかった。なんで厚底を履かなかったんだろう。なんてイライラとしていたが、それも次の一瞬に吹き飛んだ。
彼からキスをしてくれた。
勢いと力が強すぎて、唇がただ潰れているような物だったけど、初めて触れた彼の唇はリップの薬品の匂いに、暖かく柔らかい感触。それをずっと感じていたくて、我を忘れてずっと頬を掴んでいたら、胸を叩かれる。
我に返って離すと、息のやり方を知らないガードがハアハアと肩で呼吸する姿は……今思い出してもゾクゾクする。今度は、もっとしてあげたい。あわよくば、もう少し先も。
そんなやましい思いから─最低だが、キスくらいなら……と、甘えている自分がいる─少し空気を吸って、いい雰囲気になれそうな薔薇園へ来たのだが、どうやって切り出すか悩み、ただぐるぐると薔薇園の迷路を周り、ついにはお茶会のスペースに到着してしまった。
「なぁ、ちょっと……言いにくかったんだ……が……」
「ん?なあに。気軽に言ってほしいな」
「さっき、の、キス……」
「キス……ごめんね、僕の身長が足りなかったせいで、昨日言ったとおりには……」
「そ、そうじゃない!その……アンヌの唇が、その……ちょっと変な柄ついちゃってて」
「変な柄?」
何か柄がつくような物でも付けていただろうか。なんて考える。いや、顔付近には変な物はつけていなかったはずだけど……もしあるとしたら、ガードの頭についてるレースを捲り忘れた……とかだが、捲った記憶がある。
「お、俺のリップが変についてて、違和感あるからどっかで拭ったほうが……いいと思う。アンヌがかっこいいからギリギリ……ちょっと不格好で、済んでるけど……」
「不格好ではあるんだ……?」
そう言われても、今は拭えるような物を持っていない。この服で拭うわけにはいかないし……キスを諦めて、戻ってしまおうか。今日の夜もチャンスがある─自分の中心に毒になりそうだけど─訳だし、急ぐ必要も無いのかもしれない。
「だ、だからって言ったら変だけど」
「……?」
「き、キスし直さないか……」
「……う、え!?」
思っても見ない提案で、間抜けな声が出てしまう。
どういう意味で提案されているかわからないが、正直ラッキーだ。こんなに顔を真っ赤にしたガードも、可愛すぎるので、断る理由がない。
「あ、い、嫌ならいい……!!」
「え!嫌じゃない!嫌じゃない!凄くしたい、い、良いの……?」
「リップ、足りてなくて変だから……俺の口のリップ、分けてあげれば今より変じゃないと思って……」
「そっか、ありがとう。ガード君は優しいね、甘えちゃおうかな……」
リップを塗ったことがない僕からしたら、不思議な提案だがこれほど好機は無い。逃したくない……!!
気が変わる前に、急いでガードを椅子に座らせ、僕より下の位置に顔を置かせる。
頬を両手で抑え、見つめ合う。ドキドキと緊張しているガードの目に映る僕の顔に、確かに不格好なリップの跡が見える。これで先程みんなの前を歩いていたのか。なんて思うが、それもガードが恥ずかしがりながら、自分からキスをしてくれたという、いい思い出の一つになる。
今度はゆっくりと、顔の角度を変え、優しく唇に触れる。緊張しているのか、少し身体が硬いが、唇は柔らかく暖かい。リップに保湿効果があるのか、じっとりと濡れた唇のおかげで、隙間なく彼の唇に合わせられる。
胸を強く叩かれたので、口を離す。ぷは、と思いっきり息を吸うガードが目の前に現れる。頬を支えている為、上を向いているからか息を十分に吸い込めないのか、少しだけ苦しそうだ。
息の仕方を教えようか、それとも、可愛いからまだこのまま……なんて、意地悪を考えてしまう。
「ふ、ふは……ぁ……」
「僕の唇、どうかな?綺麗になった?」
「ん、ふ……ま、まだ……」
「そっか、もう一回……していい?」
「はぅ……い、良い、こ、こいっ……!」
ギュッ、と口を閉じで目を閉じる彼を見て、少しだけ意地悪をしたくなる。少し先に行ってもいいだろうか……
「ガード君、力抜いて、口、少し開けてみて?」
「……?なんで、だ?」
「そうすれば、苦しくなりにくいんだよ。ほら、あーん」
そう言うと、素直に口を開ける。あまり大きくない開け方だが、唇の隙間から見える赤い舌と、白い歯が僕の脳を通って、中心へ刺激を送ってくる。昨日の夜のリアルなガードよりもすごい。僕のモノを舐めずとも、目の前で舌をべ、と出されただけでも、達してしまうかもしれない。
こんなに可愛い姿で、何を我慢するというのか。思い切りここで犯してしまいたいが……流石にそれは、駄目だと考えて我慢する。国王になってない以前に、外でなんて駄目だ。でも、キスの少しの延長線ならいいのでは無いだろうか……
ずるい僕は、口を開けさせた彼にキスをして、舌をゆっくりと入れる。口を閉じないように頬と顎を抑え、味わうように舌を動かす。
びっくりしたのか、一度ビクリと身体を動かすが、感じていると分かる。舌がビクビクとし、身体が跳ねる。水音が耳に届き、ゾクゾクと欲情を掻き立てる。もしかしたら僕の耳が良いだけで、聞こえてないかもしれない。もっと音を鳴らせて、聞かせてあげたい。目を開いて彼を見ると、気持ちよさから逃げようと、必死に目をつむり、舌が奥に奥にと逃げている。僕から逃げようとしないということは、嫌じゃないんだろうか。
逃げる舌を無理矢理、引きずり出して、舌先と舌先を合わせたり、口内を這わせる。好き勝手に舌で遊んでいると、息ができなくて苦しいのか、胸をドンドンと叩かれる。
まだまだしたい、彼の口内を、暴きたい。そんな思いから、意地悪して少し無視をしてから、口を離した。舌を絡ませたまま離すと、銀色の糸が細く引き、途切れる。
唇が離れた事が分かったのか、ゆっくりと目を開くガードの目は涙でうるうるとしていて、蕩けているのが分かる。これ以上蕩けることがあると思うが……その時の目は、如何なるんだろう。
ジクジクと溜まる熱に興奮していると、口が痺れているらしく、呼吸がうまくできないのか、少しだけ唾液が垂れていて、妖美に見える。このままもっと口内を犯せたら__
「ふふ、可愛い……気持ちよかった?」
「はあっ、ふ、あふ……んぐ!んぅ……っ!?」
「舌、気持ちいいの?」
指を口の中に入れて、ぐちゃぐちゃと指を動かす。激しい水音が鳴る指は、舌の上を優しくこすったり、ギリギリを行き来して、歯茎をそろそろと触り、焦らすと__なんと、泣き始めてしまった。
生理的なものかと思っていたら、ポロポロとずっと止まらず、これは普通に泣いている!と、焦った僕は急いで指を抜き、彼を泣き止ませる行動に出る。泣かせてしまったのは確実に僕なので、逆効果かもしれないが、責任は僕にある。
「ごめんね、ごめんね、怖かったね。嫌だったね」
「んぐ、ちが……う、ぐ……ひぐ……」
「ごめんね、ごめんね……」
頭をよしよしと撫で、胸に顔を収める。胸に顔を押し付け、ぎゅっと抱きしめてくれる所を見ると、嫌いにはなられてないと信じたいのだが……
「ごめんね、性急になりすぎちゃって……」
「ち、ちがう、ごめん……な、なんか変な気持ちになっちゃって……アンヌは、息のしやすい方法を、教えてくれてたのに……」
「うん、怖がらせ……ん?」
「なんか、なんか気持ちよく、なっちゃっててっ……」
泣いている理由が、僕が思っているのと、彼が思っているのが違う。もしかして、さっきのは息のしやすい方法を教えている……と、思っていたのだろうか。違う、その気持ちよくなってしまうので正解だ。僕が、意地悪してそうなるようにしたのだから。
「ガード君、ごめんね。その……僕が意地悪しただけだよ。気持ちいいって思ってくれたのは、正しいよ」
「……?」
「さっきやったのは、息の仕方じゃなくて……えっちなキスの仕方。すごく感じてくれたんだね、嬉しいな」
「なっ……!う、嘘、だろっ……」
「申し訳ないけど、ほんと。僕結構……変態なんだよ。君が僕をどう思ってるか知らないけど……」
「……そんな意地悪、してこないと思ってた。せっくす、しないって言ってたのに……」
「そ、それは……我慢、するよ。ちゃんと……」
「し、信じないからなっ……!」
真っ赤な顔をして、こちらを睨む。そんな顔を可愛いとしか思えないが……申し訳ない事をした、と口で言いながら、彼の口の中を思い出す。
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