久しぶりに空を見たら、死にたくなりました。偽善者の成れの果てです。

Rain_leading

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監獄の匣

#01 聞かせて

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私には、幼い頃からの友達がいる
同じ街で育ち、同じ街で暮らした

しかし、この『匣』に来てからは一度も会っていない

元気にしているのだろうか...

その子の口癖は、「聞かせて」だった
私が悩んでいることを見透かしているようだった

会ったら、また「聞かせて」と言うのだろうか...

『匣』にラギ長官がいない間、私は自由だ。監視の目がないので、のんびりできる。しかし、身喰いの傷は癒してはならず、『匣』から出てもいけない。

厠へ行くことは、唯一許されている。ラギ長官曰く、「垂れ流しにされると困る」との事だ。

そんな、ラギ長官のいない間『自由時間』に、来客が訪れる


自由時間、いつものように私は、はだけた服装で鳶座りをしていた

檻の扉が、ガタガタと音を立てた

「チョル!元気にしてたか?」

檻越しに、懐かしい声と姿を感じた
あの子だ!

「酷い傷だな...。よくそれで生きれるな、尊敬するよ...」

彼 ー イーシュ ー は、私を見るなり顔を顰めた。

「そうだ!俺ん家、薬草育ててるからさ、持ってこようか?」

イーシュの家は、薬草を育てている
何にしろ、薬剤研究の家系だからだ
イーシュ本人は、軍隊を希望しているのだが...

「いや、いいよ...。この傷、治しちゃだめって言われてるし...」

私は、断った

「そっかー、じゃぁ仕方ないか...。無理に従わなくてもいいのに...」

イーシュは俯き、そう呟いた

「悩んでいることとかない?大丈夫?」

これはまさか...、あの展開...

「聞かせて」

ほらやっぱり...。しかし私は彼のこういう所が好きだ。

「...早くしないと、ラギ長官が来ちゃう...」

声を震わせて、私は言う

「なぁに、あんな奴、こうして、こうして、こうだ!俺のカンフー捌き、見せてやりたいわ!アチョー!」

イーシュは、寸止めの仕草をして見せた。なんか可愛い...

「傀儡!戻ったぞ!用足しは済ましたか!」

「あっ...、ごめん。来ちゃった...」

ラギ長官が戻ってきた

「俺の方こそごめん。また今度...」

イーシュは笑顔で手を振り、『匣』の階段を登っていった


久しぶりに聞いた「聞かせて」は、いつもより意味有りげだった




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