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監獄の匣
#06 心の穴
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長官が死んだことで、私は自由になった。
だが、それ『長官の死』は、私の心に大きな穴を開けることになる
長官の死因は、性病(エイズ)だった
あの日、あの時...、の性行為でかかったらしい。(そのまま挿れたりなんかするから...)
自業自得である
長官が、死に際に語った『翔いてゆけ』の意味が分からずにいる
翔くは、韓国語で『날개 짓(nalgae jis)』と言い、私の名前『철(cheol)』とは、意味も、何もかもが違う。(『철』という語には、『鉄』という意味がある)
なのに、何故『翔け』と言ったのだろうか...
私は、長官の死体に目を向ける。確か、長官が物を口にしなかったのは、何かを呑み込んでからだった...
一体、何を呑み込んだのだろう...
長官のズボンのポケットからナイフを取り出し、そっと、刃先で長官の喉に触れた
確か...、喉のあたり...
自らの感覚と記憶を頼りに、長官の喉を割いていく
すると、喉の奥に、キラリと光る物が見えた
『首輪の鍵』だ。
嚥下しないように、喉に貼り付けていたらしい...
血液と唾液で汚れた鍵を、丁寧に拭いて首輪に挿した
首輪が外れたことで、息がしやすくなった。一度、深呼吸をする。
よろめきながら立ち上がって、周りを見る
何も無い...、部屋
「もう、こんな所出てしまおう」
私は、檻の扉を開け、『匣』の階段を登った。夏の盛りにしては、やけに涼しい...
『監獄の匣』の屋上
風が吹いている。気持ちいい
「もう終わりだよ。お疲れ様」
自分自身に向けての言葉、声が震えているように聞こえた。もう、身喰いも服従もしなくて済むのに...、何故...?
ふと、頬に何かが伝う。唇の上に乗ったので舐めてみた...
『しょっぱい』...?
ああ、これが「寂しい時や悲しい時に流す『涙』」なのか...
私は、この時初めて『涙』を知った。
涙は、どんどん溢れてきた。
何が私をそんなに悲しませる?分からない...
「『自由』は、時にして自分自身の首を絞める」
と、よく言えたものだ。だが、今現在、『自分自身』がその状況に置かれているのだ
「自滅が得意なのか…、ならば...」
私は、屋上のフェンスに手を掛け、よじ登った
「ここから飛び降りたら...、あの人の元へ」
フェンスの上には、有刺鉄線が張られていた
元々、刑務所だった『監獄の匣』。その時の名残が今もあるそうだ。
棘のような部分が、腕や足に刺さる...。痛みに顔を歪めながらも、耐えて、なんとか幅わずか30cm余りの所に足を置くことが出来た
深呼吸をする...
「これで終わり」
私は、床の末端に足を運ぶ。
「さよなら...」
前傾姿勢をとり、そのまま真っ逆さまに落ちていった...
ふと、地上の異変に気づく
『マット』...?
大きなサンドバッグのようなマット...。救助用の物だ
私の身体は、そのマットの上に落ちた...
「チョル...、チョル...」
私の名前を呼ぶ声...。イーシュだ!
応えたいが、上手く声が出せない
力が入らない...
私はそのまま、救急車で病院へ搬送された
だが、それ『長官の死』は、私の心に大きな穴を開けることになる
長官の死因は、性病(エイズ)だった
あの日、あの時...、の性行為でかかったらしい。(そのまま挿れたりなんかするから...)
自業自得である
長官が、死に際に語った『翔いてゆけ』の意味が分からずにいる
翔くは、韓国語で『날개 짓(nalgae jis)』と言い、私の名前『철(cheol)』とは、意味も、何もかもが違う。(『철』という語には、『鉄』という意味がある)
なのに、何故『翔け』と言ったのだろうか...
私は、長官の死体に目を向ける。確か、長官が物を口にしなかったのは、何かを呑み込んでからだった...
一体、何を呑み込んだのだろう...
長官のズボンのポケットからナイフを取り出し、そっと、刃先で長官の喉に触れた
確か...、喉のあたり...
自らの感覚と記憶を頼りに、長官の喉を割いていく
すると、喉の奥に、キラリと光る物が見えた
『首輪の鍵』だ。
嚥下しないように、喉に貼り付けていたらしい...
血液と唾液で汚れた鍵を、丁寧に拭いて首輪に挿した
首輪が外れたことで、息がしやすくなった。一度、深呼吸をする。
よろめきながら立ち上がって、周りを見る
何も無い...、部屋
「もう、こんな所出てしまおう」
私は、檻の扉を開け、『匣』の階段を登った。夏の盛りにしては、やけに涼しい...
『監獄の匣』の屋上
風が吹いている。気持ちいい
「もう終わりだよ。お疲れ様」
自分自身に向けての言葉、声が震えているように聞こえた。もう、身喰いも服従もしなくて済むのに...、何故...?
ふと、頬に何かが伝う。唇の上に乗ったので舐めてみた...
『しょっぱい』...?
ああ、これが「寂しい時や悲しい時に流す『涙』」なのか...
私は、この時初めて『涙』を知った。
涙は、どんどん溢れてきた。
何が私をそんなに悲しませる?分からない...
「『自由』は、時にして自分自身の首を絞める」
と、よく言えたものだ。だが、今現在、『自分自身』がその状況に置かれているのだ
「自滅が得意なのか…、ならば...」
私は、屋上のフェンスに手を掛け、よじ登った
「ここから飛び降りたら...、あの人の元へ」
フェンスの上には、有刺鉄線が張られていた
元々、刑務所だった『監獄の匣』。その時の名残が今もあるそうだ。
棘のような部分が、腕や足に刺さる...。痛みに顔を歪めながらも、耐えて、なんとか幅わずか30cm余りの所に足を置くことが出来た
深呼吸をする...
「これで終わり」
私は、床の末端に足を運ぶ。
「さよなら...」
前傾姿勢をとり、そのまま真っ逆さまに落ちていった...
ふと、地上の異変に気づく
『マット』...?
大きなサンドバッグのようなマット...。救助用の物だ
私の身体は、そのマットの上に落ちた...
「チョル...、チョル...」
私の名前を呼ぶ声...。イーシュだ!
応えたいが、上手く声が出せない
力が入らない...
私はそのまま、救急車で病院へ搬送された
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