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病院
#09 玉のような子
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スハは玉のような子だった。
私譲りの青い髪
長官譲りの碧色の目
見た目が玉のようで、とても綺麗だった
『玉のような子』というので、思い出した事がある。
『おおぐま座』の神話だ...
月の女神 アルテミスに仕える侍女・カリストの話
カリストは月の女神・アルテミス(ダイアナ)に仕えていた、大変美しい女性だった
その美しさに心を引かれた大神・ゼウスはカリストを愛し、ある日、アルテミスの姿になってカリストへ近づく
やがて、カリストはゼウスの子どもを授かるが、これを知ったアルテミスはカリストを追放してしまう。
しかし、ゼウスの妻であるヘラの怒りは更に深く、とても治まるものではなかった。
ヘラの怒りはカリストに向けられ、呪いをかけた魔法によって、美しいカリストを一頭のクマの姿に変えてしまう。
カリストは驚きと悲しみばかりだが、どうすることもできない。
その姿を恥じたカリストは、ひとり深い森の中へと身を隠してしまう。
一方、残された子どもは親切な人に拾われて、すくすくと育っていく。
名前をアルカスと言い、20年の後、立派な青年に成長する。
アルカスは腕のよい狩人として、毎日森の中で獲物を追っていた。
ある日、アルカスは一頭の大きなクマに出会う。
稀に見る大きなクマで、アルカスを見つけたオオグマは、大きく手を開いて、叫び声をあげている。
アルカスは、すかさずオオグマ目掛けて矢をつがえる。
しかし、このオオグマこそが、姿が変わってしまったカリストだったのだ。
カリストは立派に成長したアルカスだとすぐに分かり、喜びの声をあげて、両手で抱きつこうとしているのだ。
けれども、アルカスにはこの事がまったく分からない。
ただ、恐ろしいクマが叫び声をあげ、襲いかかって来るようにしか見えない。
あわや、アルカスが矢を放とうとするとき、激しい竜巻が起こる。
すると、たちまちアルカスの姿もクマに変わり、母子のクマは共々、天空へと舞い上げられてしまう。
この竜巻はゼウスが起こしたもので、天上からこの様子を見ていたゼウスが、母親に矢を放つことを見るに忍びなく起こしたものだったのだ。
こうして、ふたりはおおぐま座とこぐま座になって、夜空にその姿を輝かせているのだと伝えられている。
しかし、一説では、天に上げられたアルカスは、うしかい座になっているのだとも言われている。
現在の星座絵では、うしかい座はおおぐま座とは反対の方向を向いているが、かつては、おおぐま座の方向へ向いていた。
そして、うしかい座はおおぐま座を追いかけるように夜空を回っていることから、アルカスが母親のカリストを追いかけているのだとも言われている。
小さい頃、母が絵本を読んでくれた。一番のお気に入りが、『おおぐま座』だった...
「どうして、お母さんと男の子は、離れ離れなの??」
よく、母に聞いていたこと
母は、笑顔で答えた
「お母さんがね、こわぁーい熊さんになっちゃったんだよ~?がお~って...」
「ひぇっ...、うっ...うぇ(ぐすん)」
泣き出した私を見て、母は
「あゎゎ...、泣いちゃった...。でも最後はね、二人はまた出会うんだよ」
「え...?」
「ゼウスっていう人が、大きな夜空に二人を上げたらしいよ。それで、二人は離れ離れにならないでずっと一緒なのよ」
「ぜうす...?」
私は首を傾げる
「そう、ゼウス。世界をまとめる神様なんだよ」
「ぜうす、すごい~♪」
私は、母の前で拍手した
「すごいね~♪」
私は、母と二人でゼウスをべた褒めしたのを覚えている...
この物語に登場する、カリストの息子『アルカス』は、『玉のような子』だと伝えられた
スハを見て、『久しぶり』に『おおぐま座』の神話を思い出した
神話の中の二人のように離れ離れになるのではなく、出来るだけスハの傍にいてあげたいと思った
それほど、スハが『愛おしい』。
『愛する』って、こういうことなんだな...
またひとつ、大切なことを覚えた。
私譲りの青い髪
長官譲りの碧色の目
見た目が玉のようで、とても綺麗だった
『玉のような子』というので、思い出した事がある。
『おおぐま座』の神話だ...
月の女神 アルテミスに仕える侍女・カリストの話
カリストは月の女神・アルテミス(ダイアナ)に仕えていた、大変美しい女性だった
その美しさに心を引かれた大神・ゼウスはカリストを愛し、ある日、アルテミスの姿になってカリストへ近づく
やがて、カリストはゼウスの子どもを授かるが、これを知ったアルテミスはカリストを追放してしまう。
しかし、ゼウスの妻であるヘラの怒りは更に深く、とても治まるものではなかった。
ヘラの怒りはカリストに向けられ、呪いをかけた魔法によって、美しいカリストを一頭のクマの姿に変えてしまう。
カリストは驚きと悲しみばかりだが、どうすることもできない。
その姿を恥じたカリストは、ひとり深い森の中へと身を隠してしまう。
一方、残された子どもは親切な人に拾われて、すくすくと育っていく。
名前をアルカスと言い、20年の後、立派な青年に成長する。
アルカスは腕のよい狩人として、毎日森の中で獲物を追っていた。
ある日、アルカスは一頭の大きなクマに出会う。
稀に見る大きなクマで、アルカスを見つけたオオグマは、大きく手を開いて、叫び声をあげている。
アルカスは、すかさずオオグマ目掛けて矢をつがえる。
しかし、このオオグマこそが、姿が変わってしまったカリストだったのだ。
カリストは立派に成長したアルカスだとすぐに分かり、喜びの声をあげて、両手で抱きつこうとしているのだ。
けれども、アルカスにはこの事がまったく分からない。
ただ、恐ろしいクマが叫び声をあげ、襲いかかって来るようにしか見えない。
あわや、アルカスが矢を放とうとするとき、激しい竜巻が起こる。
すると、たちまちアルカスの姿もクマに変わり、母子のクマは共々、天空へと舞い上げられてしまう。
この竜巻はゼウスが起こしたもので、天上からこの様子を見ていたゼウスが、母親に矢を放つことを見るに忍びなく起こしたものだったのだ。
こうして、ふたりはおおぐま座とこぐま座になって、夜空にその姿を輝かせているのだと伝えられている。
しかし、一説では、天に上げられたアルカスは、うしかい座になっているのだとも言われている。
現在の星座絵では、うしかい座はおおぐま座とは反対の方向を向いているが、かつては、おおぐま座の方向へ向いていた。
そして、うしかい座はおおぐま座を追いかけるように夜空を回っていることから、アルカスが母親のカリストを追いかけているのだとも言われている。
小さい頃、母が絵本を読んでくれた。一番のお気に入りが、『おおぐま座』だった...
「どうして、お母さんと男の子は、離れ離れなの??」
よく、母に聞いていたこと
母は、笑顔で答えた
「お母さんがね、こわぁーい熊さんになっちゃったんだよ~?がお~って...」
「ひぇっ...、うっ...うぇ(ぐすん)」
泣き出した私を見て、母は
「あゎゎ...、泣いちゃった...。でも最後はね、二人はまた出会うんだよ」
「え...?」
「ゼウスっていう人が、大きな夜空に二人を上げたらしいよ。それで、二人は離れ離れにならないでずっと一緒なのよ」
「ぜうす...?」
私は首を傾げる
「そう、ゼウス。世界をまとめる神様なんだよ」
「ぜうす、すごい~♪」
私は、母の前で拍手した
「すごいね~♪」
私は、母と二人でゼウスをべた褒めしたのを覚えている...
この物語に登場する、カリストの息子『アルカス』は、『玉のような子』だと伝えられた
スハを見て、『久しぶり』に『おおぐま座』の神話を思い出した
神話の中の二人のように離れ離れになるのではなく、出来るだけスハの傍にいてあげたいと思った
それほど、スハが『愛おしい』。
『愛する』って、こういうことなんだな...
またひとつ、大切なことを覚えた。
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