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病院
#11 回想 碧ノ目捕り
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スハは、碧色の目をしている。長官譲りの、碧色の目だ。
たまに、ぱちっと目を見開いて見てくる姿がたまらなく可愛い。
そんなスハを見ていると、長官との会話を思い出した...。
長官は、黒髪に碧の目をしていた。髪色は元から黒だったらしく、碧色の目の家系は、とても珍しいのだという。
ある日、長官がその所以について話してくれた。
「俺の家系は、代々碧色の目を受け継いでいる。だから、もし、その腹にいる子が碧色の目をしていたら、その子は間違いなく狙われるだろう...」
『狙われる』?どういう事だろう。
「「碧色」は、昔から高貴な色とされ、貴族の装飾品や顔料などに使われてきた。俺たちは、その高貴な色を身に持っていることから、『碧ノ目捕り』に狙われている。碧の目の血を引いている以上、狙われることは避けられない...」
俯いて、長官は言った
「だが、狙われないようにする方法がないっていうわけでもないぞ!」
さっきの暗い表情とは打って変わって、まるで決意表明のように、胸を張って長官が言う...
「外出をさせる時は!『目隠シノ布』をして、盲目のふりをさせるんだ。それと、布を外すような場、そうだな…、大衆浴場には行かせない事。それか...、
『幽閉』だな」
『幽閉』。今、私がされていること...。そんなことは、絶対にしたくない
「実は、俺も『幽閉』されてたんだ。碧の目を見せないように、閉じ込められてた。だから...、あの日、あの雨の日、チョルを見つけて...。どうしようか、すごく迷った」
頭の芯に、電流のようなものが走り、悪寒がした。
「結局拾ったわけだが、人の愛を知らない俺は、上手く世話が出来ずに暴力に走ってしまった...。本当にすまないことをした...」
気がつけば、私はこんな事をほざいていた...
「人の愛を知らなくても、助けようと思い、見捨てずに育て、共に暮らしてくれたことは、とても素晴らしいことだと思いますよ。まだ4歳だった私を拾ってくれたのですもの...、上等ですよ…、」
私の言葉を遮るように、長官が言った。
「チョル...、お前は優しいんだな...、ありがとう...」
何も優しい事はしていない...。
何故、長官がそう言ったのか、
私には分からなかった...
やっぱり、私も...、
『人の愛を知らない』のかもしれない
長官のことを思い出すと、「もう少し話しておけば良かった」と後悔の気持ちが出てくる。
もう少し、『自分の思いを伝えたかった』。
『大好き』だけでなく、『幽閉が嫌だということ』も...。
長官も分かっていたのかもしれないが、やっぱり、思いは口に出さないと伝わらない...
長官が元気な時に、言っていたら良かった...
長官のことを考えていると、思いがたくさん出てくる。それだけ、好きだったということだろうか…
スハの碧色の目を見る度に、長官のことを思い出す
またどこかで、会えたらな…
たまに、ぱちっと目を見開いて見てくる姿がたまらなく可愛い。
そんなスハを見ていると、長官との会話を思い出した...。
長官は、黒髪に碧の目をしていた。髪色は元から黒だったらしく、碧色の目の家系は、とても珍しいのだという。
ある日、長官がその所以について話してくれた。
「俺の家系は、代々碧色の目を受け継いでいる。だから、もし、その腹にいる子が碧色の目をしていたら、その子は間違いなく狙われるだろう...」
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俯いて、長官は言った
「だが、狙われないようにする方法がないっていうわけでもないぞ!」
さっきの暗い表情とは打って変わって、まるで決意表明のように、胸を張って長官が言う...
「外出をさせる時は!『目隠シノ布』をして、盲目のふりをさせるんだ。それと、布を外すような場、そうだな…、大衆浴場には行かせない事。それか...、
『幽閉』だな」
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「実は、俺も『幽閉』されてたんだ。碧の目を見せないように、閉じ込められてた。だから...、あの日、あの雨の日、チョルを見つけて...。どうしようか、すごく迷った」
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「チョル...、お前は優しいんだな...、ありがとう...」
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何故、長官がそう言ったのか、
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やっぱり、私も...、
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長官も分かっていたのかもしれないが、やっぱり、思いは口に出さないと伝わらない...
長官が元気な時に、言っていたら良かった...
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