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海
#13 回想 杜甫
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気がつけば私は、山際のトンネル内にいた
車は来ていない...
暗くて涼しいトンネル、とても心地が良い
スハは、相変わらず すやすやと眠っている
このトンネルを抜ければ...
長官は、私が妊娠してから、笑顔で話をするようになった
「なぁ、知ってるか...?」
「何ですか…?」
「杜甫の『春望』っていう詩」
「知ってますよ」
国破れて山河在り
城春にして草木深し
時に感じては花にも涙を濺ぎ
別れを恨んでは鳥にも心を驚かす
烽火三月に連なり
家書萬金に抵る
白頭掻かけば更に短く
渾べて簪に勝えざらんと欲す
(戦争によって)首都が破壊されても山や川は(昔のままかわらずに)あり、
(荒廃した)城内にも春がきて草や木が深々と生い茂っている。
(この戦乱の)時代を思うと(美しい)花をみても涙が落ち、
(家族との)別れを悲しんでは(心がはずむ)鳥の鳴き声を聞いても心が痛む。(心がはっとする)
戦火は何ヶ月(または三ヶ月)も続いており、
家族からの手紙は万金と同じぐらい貴重だ。
白髪頭を掻くと(髪は)ますます短くなって、
冠をとめるためのかんざしも挿せなさそうである。
長官は、落ち着いた様子で、語りだした
碧の目を、彼方に向けて語っていた
その様子は、物寂しいものだった...
「この詩を詠んでいると、悲しくなってくるんだよ...」
長官は、涼しげな目を私に向ける。
「別れは辛いな…」
俯いてそう言うと、長官は私を抱きしめた
「もう...、大丈夫だからな。チョルは独りじゃない」
長官は私にキスをすると、ボロボロの布を私に被せてくれた
「今日はもう遅いから寝た方がいいぞ」
私は、横になると静かに眠りについた
「独りにさせないって...、言ったじゃん…」
ぼそりと呟く
涙が出てきた...、『久しぶり』だ
薄暗いトンネル内に、嗚咽が響く
油蝉の声が聞こえた...
「長官...、会いたいです。どこにいるんですか?」
車は来ていない...
暗くて涼しいトンネル、とても心地が良い
スハは、相変わらず すやすやと眠っている
このトンネルを抜ければ...
長官は、私が妊娠してから、笑顔で話をするようになった
「なぁ、知ってるか...?」
「何ですか…?」
「杜甫の『春望』っていう詩」
「知ってますよ」
国破れて山河在り
城春にして草木深し
時に感じては花にも涙を濺ぎ
別れを恨んでは鳥にも心を驚かす
烽火三月に連なり
家書萬金に抵る
白頭掻かけば更に短く
渾べて簪に勝えざらんと欲す
(戦争によって)首都が破壊されても山や川は(昔のままかわらずに)あり、
(荒廃した)城内にも春がきて草や木が深々と生い茂っている。
(この戦乱の)時代を思うと(美しい)花をみても涙が落ち、
(家族との)別れを悲しんでは(心がはずむ)鳥の鳴き声を聞いても心が痛む。(心がはっとする)
戦火は何ヶ月(または三ヶ月)も続いており、
家族からの手紙は万金と同じぐらい貴重だ。
白髪頭を掻くと(髪は)ますます短くなって、
冠をとめるためのかんざしも挿せなさそうである。
長官は、落ち着いた様子で、語りだした
碧の目を、彼方に向けて語っていた
その様子は、物寂しいものだった...
「この詩を詠んでいると、悲しくなってくるんだよ...」
長官は、涼しげな目を私に向ける。
「別れは辛いな…」
俯いてそう言うと、長官は私を抱きしめた
「もう...、大丈夫だからな。チョルは独りじゃない」
長官は私にキスをすると、ボロボロの布を私に被せてくれた
「今日はもう遅いから寝た方がいいぞ」
私は、横になると静かに眠りについた
「独りにさせないって...、言ったじゃん…」
ぼそりと呟く
涙が出てきた...、『久しぶり』だ
薄暗いトンネル内に、嗚咽が響く
油蝉の声が聞こえた...
「長官...、会いたいです。どこにいるんですか?」
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