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どうして俺たちは、教室で乱交パーティーの映像を見せられてるんですか!?
講師は一通り出席確認を終えると、手元のバインダーに目を落としながら淡々と言った。
「では、さっそく本日の“拡張確認”から始めますね。番号順にお呼びします。呼ばれた方から、前に出てください」
初回は死ぬほど恥ずかしかった。
でも今は、「やるしかない」「皆も同じ」そう思うしかない。
「E0721番」
最初に呼ばれた。
背筋がゾワッとしたけど、俺はなるべく堂々と席を立つ。
講師の前、教卓の横に立ち、ゆっくりとズボンを下ろす。
そして、白いマンキニを下ろすと、勃起したチンコと、肛門にしっかり食い込んだ拡張器具が露わになる。
教室には勇作と孝四郎。
全員、無言で俺の尻を見ている。
講師は淡々と、
「じゃあ、器具抜きますよ」
と言って、冷たいゴム手袋の指で俺の尻肉を広げる。
「んっ、……っあ」
反射的に腰が引けるが、抵抗できない。
キュポンッ、と音を立てて器具が引き抜かれる。
すぐに空気が入れ替わり、肛門がヒクヒクと震える。
そのまま、講師の指が奥まで滑り込む。
「……っあ、ぅぁ……」
堪えきれず、声が漏れる。
肛門の奥まで、グリグリと指で押し広げられる。
「いい反応ですね。力は抜いて……はい、しっかり保ててます」
講師はわざとらしく声をかける。
俺の肛門は完全に開ききって、尻穴の奥まで丸見えなんだろう。
「では、再挿入しますねー」
冷たいゼリーを塗った器具が、ヌルリとまた押し込まれてくる。
ズプ……ズチュ……。
「う、っく……ッ」
たまらず全身が震える。
講師は面倒くさそうに淡々と、
「はい、よくできました。席に戻っていいですよ」
そう言った。
ズボンを穿き直しながら席に戻る途中、勇作や孝四郎と目が合う。勇作が小さく、
「お疲れ……」
とだけ囁いた。
自分も同じ目に遭うと分かっているからだろう。
次は勇作の番だった。
「E0722番」
「……はい」
勇作は、わざと力強く歩いて講師の前へ。
ズボンとマンキニを一気に脱ぎ捨てる。
さっきまで笑っていた顔が、今は無表情。
でも、チンコはギンギンに勃起している。
講師が手袋をパチンと鳴らし、
「力抜いてね」
そう言って勇作の尻をぐっと開く。
「ふぅ、これまたしっかり……よい状態です」
拡張器具が引き抜かれると、
「ぅ、く……ん゛っ……」
勇作も思わず声を噛み殺す。
今度は俺が見る側だった。
勇作の尻穴が、器具を抜かれてヒクヒク痙攣してる。
教室の静寂に、ピチャピチャというゼリーの音と、勇作の抑えきれない息づかいが響く。
講師は冷静に、
「あと1センチ、広げてましょうか」
と言って、器具のサイズをチェックし直す。
またゼリーを塗り、
「いきますよー」
ズボッと一気に押し込む。
「ん゛あッ……!」
勇作の背筋が反り、勃起したチンコが小刻みに震える。
講師が肛門の開き具合をしばらく観察してから、
「少しキツイかな? 前までの器具で様子を見ましょうか」
と声をかけた。
勇作はふらふらとズボンを穿き直し、席に戻る。
最後は孝四郎だった。
「E0723番」
「……はい」
孝四郎は明らかに顔をこわばらせながら、それでも律儀にズボンとパンツを脱いで前に出る。
彼の肛門には、俺たちよりやや太めの器具がしっかり挿さっていた。
講師が、「では抜きますね」と声をかけ、
ズチュ……ッポン……!
孝四郎の尻穴がくぱぁっと開いたまま、ヒクヒク痙攣している。
「んっ、はぁ、や……」
孝四郎も喘ぎ声を漏らす。
自分も同じ顔をしていたんだろうと思うと、何かがおかしくて笑いたくなってくる。
講師はまた淡々と、
「はい、維持できてます。再挿入しますよー」
ゼリーをたっぷり塗った器具を、ゆっくり押し込む。
ズボッ……グポッ……。
孝四郎の腰がピクピクと震える。
「はぁ、はぁ……」
情けない声、マンキニに当たる勃起。
この異様な光景が、今や「当たり前」になりつつある自分に、ほんの少しだけ恐怖を覚える。
全員の確認が終わると、講師は満足そうに頷いた。
「皆さん、いい調子ですね。もうしばらくは同じ器具で頑張りましょう。無理せず、体に負担をかけずにじっくり広げていきましょうね」
器具が太くならないことに、3人同時に小さく安堵の息をついた。
それでも肛門には、まだ微かに余韻と熱が残っていた。
講師がカチカチと指先でリモコンを弾きながら、穏やかに話し始める。
「では、本日の講義ですね。オメガのフェロモンについて。学校の保健の授業などでも、少しは触れられている内容かと思いますが……皆さん、いかがでしょう?」
俺も勇作も孝四郎も、なんとなく顔を見合わせる。
確かに「オメガは特殊なフェロモンを出す」みたいな話は、教科書にもあった。
でも、どこか他人事というか、現実感のない“知識”だった気がする。
講師は、そうした俺たちの反応を確認しながら続ける。
「前提として、知能や肉体能力に劣るオメガ、特に“男性オメガ”という存在は、生殖競争においてきわめて不利ですよね」
その言葉に、ズキリと胸が痛む。
「外見的にも能力的にも、“普通の人間”のように“番”を見つけるのは非常に難しい。皆さんも、これからの人生で身にしみて感じることになるかもしれません」
その口ぶりは、どこか淡々としていながら、遠回しに“現実の重み”を伝えてくる。
「しかし、フェロモンはその不利を覆し、“子をなすため”の進化だと、今では多くの専門家が言っています。と、ここまでは皆さんご存知ですよね?」
頭のどこかで聞いたことがある。
でも、実際の自分にそれがどう関わるかは、まだピンときていない。
講師は、そんな俺たちの反応に苦笑して、
「……そのフェロモンが実際どう作用するのか。保健の教科書では“性的魅力を高める”などと曖昧に表現されていますが――それでは現実味が湧かないですよね」
淡々とした口調が、不気味なくらいに事務的で、どこか感情の入り込む余地がない。
「ということで、今日は実際の映像を見てもらいます。“成熟”したオメガに三ヶ月に一度ほど訪れる“生理”――“ヒート”。
これは、いつも以上に大量のフェロモンを放出する特殊な時期です。
そして、その大量のフェロモンに曝露された時、人はどのようになるのか――」
講師がリモコンを押すと、部屋の明かりがふっと落とされる。
天井から下りてきた白いスクリーン。
プロジェクターのファンの音が、静まり返った教室に響く。
そして、映像が始まった。
スクリーンに映し出されたのは、どこにでもあるような体育会系の部室だった。
ロッカーとベンチ、汗のしみついた床。
そこに十数人の青年たちが次々と入ってくる。
「今日も追い込んだなー」
「先輩、まじで鬼っす」
「うわ、シャツもう汗でベッチャベチャ……」
冗談混じりの声が飛び交い、皆がそれぞれロッカーからバッグを取り出す。
運動着を脱ぎ、裸になってタオルで汗を拭う者、私服に着替える者――
体育会系男子のどこか無防備で、だらしなくも健康的な空気が漂う。
その中、ひときわ寡黙な一人の青年がいた。
彼だけが運動着のまま、じっと膝に手を置き、肩で息をしている。
様子のおかしいその青年に、一人の先輩が近づく。
「おい、お前、どうかしたのか?体調悪いのか?」
青年は、喉の奥から絞り出すように、
「ぁ……ぁ……」
顔を真っ赤にして、荒い呼吸を繰り返す。
――次の瞬間。
彼は、まるで何かに突き動かされるようにシャツを引きちぎり、短パンを脱ぎ捨て、パンツまで一気に下ろして、全裸になった。
「うわ、何やってんだよ!」
「ちょ、お前……!」
部室にざわめきが走る。
青年のチンコは、異様なほどにパンパンに勃起していた。
亀頭はツヤツヤとテカり、竿は脈打つ血管が浮き上がっている。
そのまま右手でチンコを握りしめ、左手は無意識に尻の割れ目を割り開き、肛門に指を突っ込む。
「……っ、うあ……ん、ん゛……っ」
青年の口から、抑えきれない淫猥な声が漏れ出す。
ズチュ、ズボ、グリュッ、ヌプッ。
湿った音が空間に満ちていく。
右手でチンコをシコシコしごきながら、左手で肛門をグチュグチュと穿り回す。
「うっ、は……ぁっ、あ、あああっ……!」
その姿はまるで発情した獣のようで、
部室の誰もが凍りついたように動きを止める。
――だが、ざわめきはすぐに変質する。
「え、なんだ、これ……」
「……くそ、息が、熱い……」
「え、なんか、頭がぼーっとする……」
そして、誰かが呟く。
「……やば、チンコ、勃ってきた……」
「な、なんなんだよ、マジで……」
「……ダメだ、止まんねぇ……」
ひとり、またひとりと運動着を脱ぎ始める。
そしてズボンの前を押さえ、勃起したチンコを取り出す。
青年のすぐそばまで近寄ると、最初の一人が、彼の尻の穴にチンコをぐりぐりと押し当てる。
「あ、あっ……やめ、やめてっ……」
だが声は、どこか快感に震えていた。
ズプッ……グボボ……!
濡れきった肛門に、他人の肉棒がヌルリと飲み込まれていく。
「ん゛あッ、あああッ……!」
ガクガクと全身が跳ねる。
ズチュ、ズブッ、グポッ、ズボズボ……
繰り返し肉が打ちつけられるたび、白濁がチンコの先からこぼれ出す。
他の男たちも、理性が吹き飛び、我先にとパンツを脱いで、青年の周りに群がる。
「俺も……入れさせろ!」
「くそ、やばい、やりてぇ……」
穴は一つ、男は十数人――
順番に、あるいは無理やり、
青年の尻穴に太いチンコを突っ込んでいく。
ズボッ、ズブリュッ、グプグプッ!
「んんっ、くあぁッ、あッ、い、いい、イグゥ……!」
快感の波に襲われ、
青年はチンコをしごきながら、何度も何度も射精する。
床に広がる精液。
太ももを伝い落ちる白濁。
肛門からあふれる粘液――
全員が獣のような喘ぎ声を上げ、交尾と射精の宴が繰り返される。
ドピュッ、ドクッ、ドクドク、ビュルルッ!
誰かがチンコを抜くと、すぐに別の男がまた押し込む。
肉が擦れるたび、グチュグチュといやらしい音がこだまする。
「んはっ、はぁ、もっ……もっと、もっとしてぇ……!」
青年自身も快楽の泥沼に堕ちていき、理性の欠片すら消えてしまった。
何人目かの射精を尻の奥で受け止めた時、青年は半分失神しかけた顔で、唇から涎を垂らしていた。
「ひ、あ、あぁぁぁ……き、気持ちぃ……」
後続の男がチンコを奥まで叩きつけるたびに、腹の上にまた一発、精液が飛び散る。
――場面は早送りになる。
体位が変わり、青年は四つん這いになり、男たちが前から後ろからチンコを押し付ける。
口にも尻にも、次々に肉棒がねじ込まれていく。
グッ、グボッ、ンッ、クポッ、ズチュウッ……。
「んぐぅ……っ!も、もぉ……イクッ、イくうッ!!」
「イクッ、ああ、イクッ!イクッ!」
部室全体が淫靡な声と精液の匂いで満ちていく。
青年はもう抵抗もせず、嬉しそうに尻を突き上げ、自分の肛門から溢れる精液を指ですくい取っては舐め、口で男のチンコを吸い上げる。
ンチュ、ズズッ、グプッ、ンムゥッ……!
「おら、まだいけるだろ……!」
「もっと、もっとちょうだい……」
体力の限界を超えて、十数人の青年たちが何度も何度も中で射精していく。
ドピュッ……ドクッ……ビュルルッ……!
映像の中、部室の床は精液で水たまりのように濡れていた。
青年は肛門も口も、顔まで精液まみれ。
その表情はどこか幸せそうですらあった。
――やがて、部室の扉がガチャリと音を立てて開く。
ガスマスクをつけた屈強な警備員が、何人も何人も入ってきた。
乱交の最中の男たちを力ずくで押さえつけ、青年を担架で運び出す。
そこで、映像は途切れた。
スクリーンがゆっくりと巻き上げられ、
部屋の照明が再びぱっと灯る。
俺も、勇作も、孝四郎も、誰ひとりとして、すぐに言葉を発せなかった。
さっきまで他人事だった“フェロモン”という言葉が、とてつもない質量を持って、現実のものとして自分たちに圧し掛かってくる。
講師は、全員の沈黙を当然のように受け止め、
教卓の前でにこやかに微笑んだ。
「さて、いかがでしたか?」
何が“いかが”なんだよ。
返答しようにも、口の中がカラカラで、言葉が出てこない。
講師は淡々と続ける。
「オメガ男性のフェロモンは、オメガ自身の性欲、そして周囲――特にアルファ男性の性欲を、こうも劇的に促進させます。
さきほどの映像のような事態は、決して“異常な例”ではありません」
誰かが、ひそかに息を呑む音が聞こえた。
「社会的には、オメガ男性は“自由恋愛市場では弱者”という立ち位置です。
ですが、このようにフェロモンを撒き散らすことで、遺伝子を残す機会を得ている。これが生物的な意味での“生存戦略”とも言えます」
だけど、それはあくまで本能の話でしかない。
講師の口調はますます事務的になる。
「ただし、それは“本人の意志”ではありません。映像を見て分かる通り、“理性”や“社会的な選択”とはまったく別の話です。だからこそ、現代社会は“オメガのフェロモン”に抗う術を生み出しました」
そう言って、講師は白衣のポケットから小さな錠剤のシートを取り出した。
指先でカチカチと、それを机の上に並べていく。
「これが、“フェロモン抑制剤”。人類の叡智の結晶、と言われる薬です」
銀色のパッケージが、照明の下で微かに光る。
講師は、教室をゆっくりと見回す。
「オメガとして認定されてから一ヶ月が経過した者には、この抑制剤の服用が“義務”として課されています。なぜなら――」
語り口は変わらず穏やかで、けれど、その言葉は容赦なく重かった。
「オメガのフェロモンは、ときに、あのような“事件”を引き起こします。
本人の意思とは関係なく、周囲の人間の理性すらも捻じ曲げ、性的な行為を誘発してしまう。
これは、本人にとっても、社会にとっても危険なことです」
俺は、自分の手のひらに汗が滲むのを感じていた。
自分が、これまで“加害者”になるはずもなかった存在なのに、今日からは薬で管理されなければならない。
講師はなおも続ける。
「そして、フェロモン抑制剤の服用を“怠り”、こうした事件を起こしてしまった場合――オメガは、“強姦罪”で逮捕されることになります」
まるで自分が“凶器”か何かになったような、そんな現実を突きつけられた。
「ですから、皆さん。決して飲み忘れないようにしましょうね」
講師は、それぞれの前に、無機質な薬剤シートを静かに置いていった。
目の前に置かれた銀色の錠剤。
それが、自分を“人間”として社会に留めるための最後の砦だと、そう教え込まれる。
勇作は無言で錠剤を睨みつけていた。
孝四郎は、手帳のページを必死にめくり、何かを確認しようとしている。
俺は、何も考えられなかった。
喉の奥が締めつけられ、息をするのも苦しい。
講師は最後にもう一度、穏やかな声で言った。
「これも、皆さん自身、そして社会全体の安全のためです。
理解してくださいね。それが、“オメガ”という新しい“あなた”の、義務なんです」
俺は、目の前の銀色のシートをじっと見つめるしかなかった。
「では、さっそく本日の“拡張確認”から始めますね。番号順にお呼びします。呼ばれた方から、前に出てください」
初回は死ぬほど恥ずかしかった。
でも今は、「やるしかない」「皆も同じ」そう思うしかない。
「E0721番」
最初に呼ばれた。
背筋がゾワッとしたけど、俺はなるべく堂々と席を立つ。
講師の前、教卓の横に立ち、ゆっくりとズボンを下ろす。
そして、白いマンキニを下ろすと、勃起したチンコと、肛門にしっかり食い込んだ拡張器具が露わになる。
教室には勇作と孝四郎。
全員、無言で俺の尻を見ている。
講師は淡々と、
「じゃあ、器具抜きますよ」
と言って、冷たいゴム手袋の指で俺の尻肉を広げる。
「んっ、……っあ」
反射的に腰が引けるが、抵抗できない。
キュポンッ、と音を立てて器具が引き抜かれる。
すぐに空気が入れ替わり、肛門がヒクヒクと震える。
そのまま、講師の指が奥まで滑り込む。
「……っあ、ぅぁ……」
堪えきれず、声が漏れる。
肛門の奥まで、グリグリと指で押し広げられる。
「いい反応ですね。力は抜いて……はい、しっかり保ててます」
講師はわざとらしく声をかける。
俺の肛門は完全に開ききって、尻穴の奥まで丸見えなんだろう。
「では、再挿入しますねー」
冷たいゼリーを塗った器具が、ヌルリとまた押し込まれてくる。
ズプ……ズチュ……。
「う、っく……ッ」
たまらず全身が震える。
講師は面倒くさそうに淡々と、
「はい、よくできました。席に戻っていいですよ」
そう言った。
ズボンを穿き直しながら席に戻る途中、勇作や孝四郎と目が合う。勇作が小さく、
「お疲れ……」
とだけ囁いた。
自分も同じ目に遭うと分かっているからだろう。
次は勇作の番だった。
「E0722番」
「……はい」
勇作は、わざと力強く歩いて講師の前へ。
ズボンとマンキニを一気に脱ぎ捨てる。
さっきまで笑っていた顔が、今は無表情。
でも、チンコはギンギンに勃起している。
講師が手袋をパチンと鳴らし、
「力抜いてね」
そう言って勇作の尻をぐっと開く。
「ふぅ、これまたしっかり……よい状態です」
拡張器具が引き抜かれると、
「ぅ、く……ん゛っ……」
勇作も思わず声を噛み殺す。
今度は俺が見る側だった。
勇作の尻穴が、器具を抜かれてヒクヒク痙攣してる。
教室の静寂に、ピチャピチャというゼリーの音と、勇作の抑えきれない息づかいが響く。
講師は冷静に、
「あと1センチ、広げてましょうか」
と言って、器具のサイズをチェックし直す。
またゼリーを塗り、
「いきますよー」
ズボッと一気に押し込む。
「ん゛あッ……!」
勇作の背筋が反り、勃起したチンコが小刻みに震える。
講師が肛門の開き具合をしばらく観察してから、
「少しキツイかな? 前までの器具で様子を見ましょうか」
と声をかけた。
勇作はふらふらとズボンを穿き直し、席に戻る。
最後は孝四郎だった。
「E0723番」
「……はい」
孝四郎は明らかに顔をこわばらせながら、それでも律儀にズボンとパンツを脱いで前に出る。
彼の肛門には、俺たちよりやや太めの器具がしっかり挿さっていた。
講師が、「では抜きますね」と声をかけ、
ズチュ……ッポン……!
孝四郎の尻穴がくぱぁっと開いたまま、ヒクヒク痙攣している。
「んっ、はぁ、や……」
孝四郎も喘ぎ声を漏らす。
自分も同じ顔をしていたんだろうと思うと、何かがおかしくて笑いたくなってくる。
講師はまた淡々と、
「はい、維持できてます。再挿入しますよー」
ゼリーをたっぷり塗った器具を、ゆっくり押し込む。
ズボッ……グポッ……。
孝四郎の腰がピクピクと震える。
「はぁ、はぁ……」
情けない声、マンキニに当たる勃起。
この異様な光景が、今や「当たり前」になりつつある自分に、ほんの少しだけ恐怖を覚える。
全員の確認が終わると、講師は満足そうに頷いた。
「皆さん、いい調子ですね。もうしばらくは同じ器具で頑張りましょう。無理せず、体に負担をかけずにじっくり広げていきましょうね」
器具が太くならないことに、3人同時に小さく安堵の息をついた。
それでも肛門には、まだ微かに余韻と熱が残っていた。
講師がカチカチと指先でリモコンを弾きながら、穏やかに話し始める。
「では、本日の講義ですね。オメガのフェロモンについて。学校の保健の授業などでも、少しは触れられている内容かと思いますが……皆さん、いかがでしょう?」
俺も勇作も孝四郎も、なんとなく顔を見合わせる。
確かに「オメガは特殊なフェロモンを出す」みたいな話は、教科書にもあった。
でも、どこか他人事というか、現実感のない“知識”だった気がする。
講師は、そうした俺たちの反応を確認しながら続ける。
「前提として、知能や肉体能力に劣るオメガ、特に“男性オメガ”という存在は、生殖競争においてきわめて不利ですよね」
その言葉に、ズキリと胸が痛む。
「外見的にも能力的にも、“普通の人間”のように“番”を見つけるのは非常に難しい。皆さんも、これからの人生で身にしみて感じることになるかもしれません」
その口ぶりは、どこか淡々としていながら、遠回しに“現実の重み”を伝えてくる。
「しかし、フェロモンはその不利を覆し、“子をなすため”の進化だと、今では多くの専門家が言っています。と、ここまでは皆さんご存知ですよね?」
頭のどこかで聞いたことがある。
でも、実際の自分にそれがどう関わるかは、まだピンときていない。
講師は、そんな俺たちの反応に苦笑して、
「……そのフェロモンが実際どう作用するのか。保健の教科書では“性的魅力を高める”などと曖昧に表現されていますが――それでは現実味が湧かないですよね」
淡々とした口調が、不気味なくらいに事務的で、どこか感情の入り込む余地がない。
「ということで、今日は実際の映像を見てもらいます。“成熟”したオメガに三ヶ月に一度ほど訪れる“生理”――“ヒート”。
これは、いつも以上に大量のフェロモンを放出する特殊な時期です。
そして、その大量のフェロモンに曝露された時、人はどのようになるのか――」
講師がリモコンを押すと、部屋の明かりがふっと落とされる。
天井から下りてきた白いスクリーン。
プロジェクターのファンの音が、静まり返った教室に響く。
そして、映像が始まった。
スクリーンに映し出されたのは、どこにでもあるような体育会系の部室だった。
ロッカーとベンチ、汗のしみついた床。
そこに十数人の青年たちが次々と入ってくる。
「今日も追い込んだなー」
「先輩、まじで鬼っす」
「うわ、シャツもう汗でベッチャベチャ……」
冗談混じりの声が飛び交い、皆がそれぞれロッカーからバッグを取り出す。
運動着を脱ぎ、裸になってタオルで汗を拭う者、私服に着替える者――
体育会系男子のどこか無防備で、だらしなくも健康的な空気が漂う。
その中、ひときわ寡黙な一人の青年がいた。
彼だけが運動着のまま、じっと膝に手を置き、肩で息をしている。
様子のおかしいその青年に、一人の先輩が近づく。
「おい、お前、どうかしたのか?体調悪いのか?」
青年は、喉の奥から絞り出すように、
「ぁ……ぁ……」
顔を真っ赤にして、荒い呼吸を繰り返す。
――次の瞬間。
彼は、まるで何かに突き動かされるようにシャツを引きちぎり、短パンを脱ぎ捨て、パンツまで一気に下ろして、全裸になった。
「うわ、何やってんだよ!」
「ちょ、お前……!」
部室にざわめきが走る。
青年のチンコは、異様なほどにパンパンに勃起していた。
亀頭はツヤツヤとテカり、竿は脈打つ血管が浮き上がっている。
そのまま右手でチンコを握りしめ、左手は無意識に尻の割れ目を割り開き、肛門に指を突っ込む。
「……っ、うあ……ん、ん゛……っ」
青年の口から、抑えきれない淫猥な声が漏れ出す。
ズチュ、ズボ、グリュッ、ヌプッ。
湿った音が空間に満ちていく。
右手でチンコをシコシコしごきながら、左手で肛門をグチュグチュと穿り回す。
「うっ、は……ぁっ、あ、あああっ……!」
その姿はまるで発情した獣のようで、
部室の誰もが凍りついたように動きを止める。
――だが、ざわめきはすぐに変質する。
「え、なんだ、これ……」
「……くそ、息が、熱い……」
「え、なんか、頭がぼーっとする……」
そして、誰かが呟く。
「……やば、チンコ、勃ってきた……」
「な、なんなんだよ、マジで……」
「……ダメだ、止まんねぇ……」
ひとり、またひとりと運動着を脱ぎ始める。
そしてズボンの前を押さえ、勃起したチンコを取り出す。
青年のすぐそばまで近寄ると、最初の一人が、彼の尻の穴にチンコをぐりぐりと押し当てる。
「あ、あっ……やめ、やめてっ……」
だが声は、どこか快感に震えていた。
ズプッ……グボボ……!
濡れきった肛門に、他人の肉棒がヌルリと飲み込まれていく。
「ん゛あッ、あああッ……!」
ガクガクと全身が跳ねる。
ズチュ、ズブッ、グポッ、ズボズボ……
繰り返し肉が打ちつけられるたび、白濁がチンコの先からこぼれ出す。
他の男たちも、理性が吹き飛び、我先にとパンツを脱いで、青年の周りに群がる。
「俺も……入れさせろ!」
「くそ、やばい、やりてぇ……」
穴は一つ、男は十数人――
順番に、あるいは無理やり、
青年の尻穴に太いチンコを突っ込んでいく。
ズボッ、ズブリュッ、グプグプッ!
「んんっ、くあぁッ、あッ、い、いい、イグゥ……!」
快感の波に襲われ、
青年はチンコをしごきながら、何度も何度も射精する。
床に広がる精液。
太ももを伝い落ちる白濁。
肛門からあふれる粘液――
全員が獣のような喘ぎ声を上げ、交尾と射精の宴が繰り返される。
ドピュッ、ドクッ、ドクドク、ビュルルッ!
誰かがチンコを抜くと、すぐに別の男がまた押し込む。
肉が擦れるたび、グチュグチュといやらしい音がこだまする。
「んはっ、はぁ、もっ……もっと、もっとしてぇ……!」
青年自身も快楽の泥沼に堕ちていき、理性の欠片すら消えてしまった。
何人目かの射精を尻の奥で受け止めた時、青年は半分失神しかけた顔で、唇から涎を垂らしていた。
「ひ、あ、あぁぁぁ……き、気持ちぃ……」
後続の男がチンコを奥まで叩きつけるたびに、腹の上にまた一発、精液が飛び散る。
――場面は早送りになる。
体位が変わり、青年は四つん這いになり、男たちが前から後ろからチンコを押し付ける。
口にも尻にも、次々に肉棒がねじ込まれていく。
グッ、グボッ、ンッ、クポッ、ズチュウッ……。
「んぐぅ……っ!も、もぉ……イクッ、イくうッ!!」
「イクッ、ああ、イクッ!イクッ!」
部室全体が淫靡な声と精液の匂いで満ちていく。
青年はもう抵抗もせず、嬉しそうに尻を突き上げ、自分の肛門から溢れる精液を指ですくい取っては舐め、口で男のチンコを吸い上げる。
ンチュ、ズズッ、グプッ、ンムゥッ……!
「おら、まだいけるだろ……!」
「もっと、もっとちょうだい……」
体力の限界を超えて、十数人の青年たちが何度も何度も中で射精していく。
ドピュッ……ドクッ……ビュルルッ……!
映像の中、部室の床は精液で水たまりのように濡れていた。
青年は肛門も口も、顔まで精液まみれ。
その表情はどこか幸せそうですらあった。
――やがて、部室の扉がガチャリと音を立てて開く。
ガスマスクをつけた屈強な警備員が、何人も何人も入ってきた。
乱交の最中の男たちを力ずくで押さえつけ、青年を担架で運び出す。
そこで、映像は途切れた。
スクリーンがゆっくりと巻き上げられ、
部屋の照明が再びぱっと灯る。
俺も、勇作も、孝四郎も、誰ひとりとして、すぐに言葉を発せなかった。
さっきまで他人事だった“フェロモン”という言葉が、とてつもない質量を持って、現実のものとして自分たちに圧し掛かってくる。
講師は、全員の沈黙を当然のように受け止め、
教卓の前でにこやかに微笑んだ。
「さて、いかがでしたか?」
何が“いかが”なんだよ。
返答しようにも、口の中がカラカラで、言葉が出てこない。
講師は淡々と続ける。
「オメガ男性のフェロモンは、オメガ自身の性欲、そして周囲――特にアルファ男性の性欲を、こうも劇的に促進させます。
さきほどの映像のような事態は、決して“異常な例”ではありません」
誰かが、ひそかに息を呑む音が聞こえた。
「社会的には、オメガ男性は“自由恋愛市場では弱者”という立ち位置です。
ですが、このようにフェロモンを撒き散らすことで、遺伝子を残す機会を得ている。これが生物的な意味での“生存戦略”とも言えます」
だけど、それはあくまで本能の話でしかない。
講師の口調はますます事務的になる。
「ただし、それは“本人の意志”ではありません。映像を見て分かる通り、“理性”や“社会的な選択”とはまったく別の話です。だからこそ、現代社会は“オメガのフェロモン”に抗う術を生み出しました」
そう言って、講師は白衣のポケットから小さな錠剤のシートを取り出した。
指先でカチカチと、それを机の上に並べていく。
「これが、“フェロモン抑制剤”。人類の叡智の結晶、と言われる薬です」
銀色のパッケージが、照明の下で微かに光る。
講師は、教室をゆっくりと見回す。
「オメガとして認定されてから一ヶ月が経過した者には、この抑制剤の服用が“義務”として課されています。なぜなら――」
語り口は変わらず穏やかで、けれど、その言葉は容赦なく重かった。
「オメガのフェロモンは、ときに、あのような“事件”を引き起こします。
本人の意思とは関係なく、周囲の人間の理性すらも捻じ曲げ、性的な行為を誘発してしまう。
これは、本人にとっても、社会にとっても危険なことです」
俺は、自分の手のひらに汗が滲むのを感じていた。
自分が、これまで“加害者”になるはずもなかった存在なのに、今日からは薬で管理されなければならない。
講師はなおも続ける。
「そして、フェロモン抑制剤の服用を“怠り”、こうした事件を起こしてしまった場合――オメガは、“強姦罪”で逮捕されることになります」
まるで自分が“凶器”か何かになったような、そんな現実を突きつけられた。
「ですから、皆さん。決して飲み忘れないようにしましょうね」
講師は、それぞれの前に、無機質な薬剤シートを静かに置いていった。
目の前に置かれた銀色の錠剤。
それが、自分を“人間”として社会に留めるための最後の砦だと、そう教え込まれる。
勇作は無言で錠剤を睨みつけていた。
孝四郎は、手帳のページを必死にめくり、何かを確認しようとしている。
俺は、何も考えられなかった。
喉の奥が締めつけられ、息をするのも苦しい。
講師は最後にもう一度、穏やかな声で言った。
「これも、皆さん自身、そして社会全体の安全のためです。
理解してくださいね。それが、“オメガ”という新しい“あなた”の、義務なんです」
俺は、目の前の銀色のシートをじっと見つめるしかなかった。
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