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アスガルド共和国との戦争と終結

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「敵の本拠地には、もう既に80万人を超える人が集まってきてるようです。国王陛下」
「獣人奴隷100万人を解放するつもりらしい 我が国に対する宣戦布告として受け取り諸侯軍合わせて300万で攻め落とす!! 歯向かう者には容赦せねぬ!!」
ブォーーーーーー ほら貝の音と共に走り出す兵士たちだったが…
「もっと引き付けてから闇の魔法ダークマジック   闇の矢ダークアローで攻撃してください」
「ルシファー首相、エナ14世と三姫は首都防衛に回す様にアルタイム様からの指示です。」
メガネをクイッとあげて「分かりました。」そう言うとルシファーは、|闇の矢(ダークアロー)の発射を命じた。
国王軍魔導師部隊が光の魔法ライトマジック  反射リフレクターを使い、矢を防ぐも、明らかに普通の闇の矢とは違うことに気づき始めた。


反射リフレクターでも防ぎきれないなんて有り得ない 普通のゴーレムとはマナの量が違うのかしら」
「こうなったら、白き魔法ホワイトマジック   #白龍王召喚_サモンホワイトバハムート__#」
「ホワイトバハムート 白き魔法ホワイトマジック  白き息ホワイトブレス
ホワイトブレスによって南バルト要塞線を突破しようと放った攻撃によってルシファーの思惑通りだった。
「敵さん、思惑通りホワイトブレスを放ってきたね どうする? どうする? ふふふ」
「落ち着きなさい アガレス あの程度の攻撃 片手で受け止められますよ。 」
「分かってるさー アルタイム様の次に強いルシファーならあんなの右翼軍にぶつけられるよね ふふふ」
「その通りですよ。では、やりますか」


ルシファーによって弾き返されたホワイトブレスは、右翼軍150万に直撃し、全滅した。
「そんなバカな!! ホワイトバハムートのホワイトブレスを弾き返した上にあれほどいた右翼軍を全滅させるなんて人間の域を超えてるわ」
「魔導師部隊全軍 魔王軍に寝返るわよ…急ぎなさい!! あんなバケモノじみた力を見せられたら勝てるはずがないじゃない!!」
魔導師部隊合わせて20万人が寝返り、国王軍を攻撃し始めたこと右翼軍全滅による|戦意喪失(せんいそうしつ)による敗走で、アスガルド共和国領の北半分を制圧した魔帝国アゾートは、周りの諸侯公国は、警戒し、アスガルド共和国の内部崩壊ないぶほうかいによってアスガルド共和国の国王と王族、貴族は、各諸侯公国領に逃げていき、アスガルド共和国は、魔帝国アゾートの建国からたった2ヶ月で滅んだのだった。


「アスガルド共和国領完全制圧により、魔帝国アゾートの完全勝利となりました。これもアルタイム様のおかげでございます。」
「こちらこそ、優秀な部下たちと寝返ってくれた魔導師部隊の皆さんのおかげで、アスガルド共和国を滅ぼすことが出来ました。 ありがとうございます。」
「いえいえ滅相めっそうもございません!
アルタイム様に御寛大ごかんだいな心をお持ちになれていたからです。」
「魔導師のほとんどは、獣人奴隷ですし、保護して頂けたのも良かったです。」
「その魔導師は、一体なんなんでしょうか?」
「魔導師は、魔導師法という諸侯公国連合が作った法律に基づいて、獣人族や|蛇人族(じゃじんぞく)、エルフ族の三族に与えられる職業のことです。」


「なるほど 給料は払われるのですか?」
「いえ、ほとんどの子達には、給料は支給されず、唯一隊長と副隊長のみに給料(現物品)が渡され、部隊の子たちに配給するシステムとなってます。」
「なるほど ゴミ野郎ですね 分かりました。私たち魔帝国アゾートは、最初の内は、衣食住の支給のみになると思いますが、ちゃんとした対価を用意します。我が軍に加わっていただけますか?」
「はい(涙がポロポロとこぼれ落ちながら、返事をした)」


その姿を見て静かに怒りを見せるアルタイムは、次の目標となる国を探しつつも国内の安定と独自通貨による経済発展を行うために内政に専念することに
「まずは、一般市民の約300万人+約100万人と軍の約199万4300人+約100万人の合わせて約779万4300人の住宅は、十分ですね。前の住宅と新しく作っている住宅で、大丈夫ですね。フィールム住宅担当大臣」
「はい、大丈夫です。 カラリ村とエリフル村の建築は少し遅れてますが、大丈夫かと」
「分かりました。」
「医療体制も大丈夫ですよね。ブエル保健担当大臣」
「はっ!! 大丈夫でございます。ここの医者に優秀な人間がいましたので医療技術について教えておきました。バシン、マラクスは、医療教育体制の強化へ乗り出しております。」
「いいですね。」
「パイモン科学技術担当大臣、武器と鉄農耕具の開発はどうなってますか?」


「開発は、順調に進んでますが、生産まではあと少しかと思われます。」
「よろしいですよ そのまま開発に勤しんでください。」
「リードリッヒ経済発展担当大臣、今、独自通貨による経済発展の準備は順調ですか?」
「はい、あと2ヶ月ぐらいもすれば通貨として利用できるようにしたいと思っております。」
「分かりました。テリトリーテ王国との交易交渉もよろしくお願いしますね」
「はっ!」


「セト国防大臣、軍備は、大丈夫ですか?」
「はい、魔帝国アゾート国防軍最高司令部の建設と各要塞線を南に集結させる工事をしてるからあと2ヶ月もすれば防衛ラインは完成するかな」
「OKです。一応、諸侯公国連合が攻めてくるかもしれないので準備はしっかりとしておいて下さい。」
「アガレス国防副大臣が国境警備と諜報省の中央諜報局長官のガブリエルたちが監視してるから大丈夫」
「それなら良かったです。」


あとは、農業、林業、建築業によってたくさんの労働者たちが増え、労働担当大臣と魔導師管理組合、ハンターギルド、観光組合、冒険者ギルド、労働組合など様々な組合が設立された。
「結構、豊かになりましたね。アルタイム様」
「これもエナ14世さんの活躍もありますよ」
「とりあえず、衣食住と軍隊の整備、労働環境の改善、奴隷解放、議会の設置などなど色んなことを短期間でやりすぎたかもしれませんが、この世界が少しでも良くなるようにやっていくしかありませんね。」
「雪さんから聞きました。あなたが、異世界転生者だって言うことも魔王としてこの世界を支配しようとしてることも何故、そんなにすんなりと受け入れられたのですか?」
「どうして、くさった世界を救おうとしてくれるのですか?」
「それは、転生する前の世界も同じだったからです。」


「うちの家、竹蔵家は、代々政治家や官僚を輩出はいしゅつする名門で、僕はいつも勉強して、政治学や経済学、医学、解剖学、生理学などなど様々な習いをさせられて、そして父の跡継あとつぎとして、独裁国家になった日本の内閣総理大臣を世襲せしゅうさせようとしていたみたいです。僕の人生なのに親のレールを歩かされた挙句、身勝手な理由で僕を後継者にした父親をすっごくうらんではいました。」
「多分、僕が死んでも悲しみもしないでしょう。あついにとっては、僕も獣人族と皆さんと同じでやつにとって僕は奴隷と同じなのですよ。僕はめちゃくちゃ優秀で、なんでもそつなくこなせられるから世界最年少でノーベル賞を受賞し、天皇から勲章くんしょうを貰い、色んな分野で特許を取り、生計をたてたという人生って本当に楽しいのかなって思った時に、ちゃぶ台が落ちてきて、頭に直撃して即死
なんやかんやあって今、魔王としてこの腐った世界を変えようとしてる。それが今の僕の人生なのです。」
「私も同じようなもんです。私は、ここの都市国家アレナの国王の娘として生まれて、アスガルド共和国の貴族学校に通い、国王にされ、市民議会では、国王党党首にされて、獣人奴隷禁止法と種族差別防止法、汚職防止法の制定に4年もかかってやっとっていう所で最大野党が、獣人族奴隷販売推進法を提出してきたんですよね。ホントめんどくさかった…色々と気苦労もあるのにあれしろこれしろって国王党は、指図するだけして自分たちは何もしないクソみたいな国を変えてくれたのはあなたですよ」
「いえいえ、僕は、まだまだ救わないといけない命があるので、頑張らないといけないのです。」 
「この話は、みんな聞いてどう思ってる?」
「バレていましたか」
「バレバレですよ まぁ全部真実なんですけどね うちの父親は、クソだからこそ|反骨精神(はんこつせいしん)が磨けたのと反面教師で、汚職し放題の国だったから汚職は、徹底して取り締まってやろうって思ってますがいかがでしょうか? 異議がある人は挙手」
「異議などありません 汚職は、憲兵本部に取り締まりをさせます。」
「分かりました。ルシファー首相、明日の魔帝国議会において、弾劾裁判だんがいさいばんを行います。捕虜ほりょの皆さんの処罰しょばつを決めたいと思いますのでよろしいですね」


「はっ!!仰せのままに」
「弾劾裁判の内容は決まっているのでしょうか?」
「えぇ 決まってますよ。少数種族保護に関する特別法違反と魔帝国対する戦争犯罪と非人道的差別及び奴隷禁止法などなどの罪で全員、極刑になるでしょうね 」
「極刑ですか 諸侯公国連合が戦争を仕掛けてくる可能性が高いかと思いますが大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ 奥さんと子供たちに関しては、政治的亡命として私たちの保護下にありますし、捕まっている兵士の大半は、|釈放(しゃくほう)し、幹部クラスの貴族や将軍たちは極刑です。」
「なるほど 恩赦おんしゃしたのですね」
「歩兵、重歩兵、騎兵、重騎兵、騎士兵、騎士兵長、魔道士部隊、近衛歩兵団、近衛重騎兵団の9個あって、5個には恩赦を与えて、4個は、弾劾裁判で、判決を出す感じですね」


「長い裁判になりそうですか?」
「いえ、サクッと終わるかと思います」

次回、弾劾裁判
諸侯公国連合のゴミぶりが明らかに(?)




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